仕事の場では、売上や売上高という言葉をたびたび耳にします。売上とは企業が利益を得るスタートです。ここでは売上が示す意味を学び、利益や収益との違いについて理解を深めていきましょう。
【監修協力:資格の大原(社会人講座)】
売上とは、企業が商品やサービスを販売して得た代金のことです。売上の総額を売上高といいます。例えば1本100円のペンを販売した場合、ペンが売れるたびに100円の売上が発生します。一定期間中にペンが10本売れれば、売上高は1000円となります。
売上高は損益計算書で一番上に書かれます。売上高から、販売活動する上で発生した費用を差し引くことで、さまざまな利益を算出していきます。つまり売上高は、利益を求める際の値と言えます。売上が上がると当然売上高も増加します。
しかしいくら売上高が高いからといって、その企業が必ずしも儲かっているとは言いきれません。人件費や宣伝費、仕入れなどで多額の費用が発生した場合、得られる利益は少なくなります。反対に売上高は多くなくても、費用を少額にすることができれば、その分利益を多く得られることができます。そのため売上高だけで、その企業が儲かっているか否かを判断することはできないのです
そもそも売上と利益の違いとは何でしょうか。1本が原価90円のペンを100円で販売した場合、企業は10円の儲けを得ます。つまり売上は100円、利益は10円です。売上は「いくらで売ったのか」ということですが、利益は「いくら儲けたのか」という考え方となります。
企業活動では、いかに利益を生むかを考えることが重要となります。かかる費用はそのままに、売上だけを上昇させることができれば、利益はどんどんあがります。大きなお金が手元に残ることで、投資的活動に力を入れることができるようになり、さらに会社や事業を大きくする元手になります。
売上と利益を、バランスよく伸ばしている企業は、成長性のある企業として評価されます。そのため両者はどちらも企業成長には欠かせないものなのです。
売上と似た言葉には、収益があります。収益はその企業が得たすべての収入です。そのため売上も収益の一部という考え方になります。企業の収入は、主たる事業から得た売上だけではありません。
例えば会社の預金に入った利息も収入です。また会社が不動産を持っていた場合、ここで得た賃貸料なども収入となります。これらは売上には含まれませんが、収益として含まれることになります。 両者は近い関係にあるものの、厳密には異なるということを押さえておきましょう。
企業の利益を生むための基本となるのが売上です。売上と利益を混同してしまうと、大きな誤解を生むことにもなりかねません。両者の違いをしっかりと理解しておくことが大切です。
(学生の窓口編集部)
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