企業の財務状況や実質収益の今を把握するには、損益計算書が必要です。ここには、営業利益をはじめとするさまざまなデータが備わっています。損益計算書の読みとり方と、自分で表やグラフなどにわかりやすくまとめてみて、その内容を分析する方法を考えていきましょう。
【監修協力:資格の大原(社会人講座)→https://www.o-hara.ac.jp/best/】
損益計算書とは、企業における一定期間の利益を表した決算書類です。企業によっては、1年ごとや3カ月(四半期)ごとに作成されます。
企業の「収益」・「費用」・「利益」の3つの要素に分けてあり、利益を得るためにどのような費用を使ったのか、どれだけ売上が上昇したのかということが把握できます。
損益計算書の中では収益を、「経常利益の部」「特別利益の部」「税引前当期純利益」「法人税等」「税引後当期純利益」の項目に分けられています。
それぞれの項目から、企業が行っている事業についてさまざまな角度から分析や評価を行うことができます。その中でも、企業が主として行っている事業(本業)の利益を表しているのが営業利益です。
営業利益は、売上総利益からそこで発生した費用を差し引くことで算出できます。費用としては広告宣伝費などの販売費、家賃や通信費などの一般管理費などが挙げられます。営業利益の額がマイナスになった場合、事業展開などで費用がかかり過ぎて、損失を出しているということを意味します。これを営業損失といいます。
損益計算書から営業利益を読み取ることによって、企業の主たる事業の成果について把握することができます。
損益計算書などの財務に関する資料で活用されているのが、「ウォーターフォール図」です。ウォーターフォール図は、数値の増加・減少を説明するのに適した棒グラフです。
コストとしてどれだけの金額がかかったかをわかりやすくまとめることができます。グラフでは全体の基準となる売上と、最後に残る「純利益」が正のグラフとして上向きに表示されます。一方で売上原価や管理費などは、負のグラフとして下向きに表示されます。
また推移をわかりやすくまとめる方法には、一つの図内で棒グラフと折れ線グラフを併用する複合グラフも有用です。棒グラフは量の比較を、折れ線グラフは量の変化や偏りをわかりやすく表します。そのため年単位における推移などは、複合グラフの利用でぐんとイメージしやすくなります。
事業での収益や事業成果をまとめる際は、さまざまなデータを活用することになります。データの読み解き方を覚えると同時に、そこから得たことを表やグラフにまとめるスキルを身につけることが大切です。
(学生の窓口編集部)
(監修協力:資格の大原)
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