Excelの「参照」とは? 相対参照や絶対参照の意味の違いや使い方を解説

更新:2019/12/16

ITスキル

Excelには「参照」という機能があります。
これは、1つのセルの値を複数の数式で利用したり、指定したセルの値の変更を、数式に自動反映させたりするものです。

今回は、Excelの「参照」について、その意味や使い方を詳しく解説していきます。相対参照や絶対参照の違い、両者を利用した複合参照の手順など丁寧にご紹介いたします。

▼<関連リンク>
Excelでリスト内の数値を確認・検索する、COUNTIF関数やVLOOKUP関数、IF関数の活用法
Excelで書式や数式だけをコピーしたい! 数式の参照元の設定方法は?

Excelの「参照」とは?

Excelの「参照」とは、セルに特定の「セル番地(ワークシート内にあるセルの場所)」を指定することを言います。

「セル番地」では、A列の1行目は「A1」のように、列と行番号を合わせて表示します。

また「参照」によって指定したセル番地の値が変化すると、「参照」先のセルも自動的に計算結果が変わります。

$マークの意味について

$マークには「絶対参照」という意味があり、$マークがつかないものは「相対参照」となります。

「絶対参照」とは、セルをコピーしても参照先のセル値が固定されるもの。

「相対参照」とは、コピー先のセル位置に応じて参照先のセルが自動的に変わるものです。

絶対参照の使い方

では、どんな時に「絶対参照」が役立つのでしょうか? ここからは「絶対参照」の使い方を紹介します。

(1)表には、A店の合計金額が求められており、セルC3には、「=B3*B1」という数式が入力されています。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(2)セルC3の数式をセルC4からC7までオートフィル機能を使って反映させようとすると、相対参照となり、計算結果が正しく反映されないことがわかります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(3)セルC4の計算式を見ると、相対参照によって、「=B4*B2」となり、セルB1の次のセルB2が自動的に選択され、正しい計算式になっていないことがわかります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(4)同様に確認をしてみると、セルC5も計算式が正しく反映されていないことがわかります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(5)ここで、セルC4からC7までの計算式をDeleteし、計算式の入力されていない状態に戻します。

(6)セルC3に入力されている計算式を絶対参照にするには、ショートカットキーを使うと効率的です。計算式が表示されている状態で、絶対参照にしたい数字にカーソルを合わせてF4キーを押すと、「=B3*$B$1」に変更され、B1を絶対参照にする式に変わります。 

Excel 参照とは? 意味 使い方

(7)続いて、オートフィル機能を使い、セルC3の計算式をセルC4からC7までの合計金額を算出。

(8)計算結果が正しく表示され、セルC4には、「=B3*$B$1」と計算式が入力されており、絶対参照となっていることがわかります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(9)同様に、セルC5、C6、C7の計算式もセルB1が絶対参照されています。

Excel 参照とは? 意味 使い方

※セルC6

Excel 参照とは? 意味 使い方

※セルC7

Excel 参照とは? 意味 使い方

絶対参照の利点

絶対参照の利点は、参照している数式を他の場所にコピーしたい場合、そのまま数式が固定されるところにあります。

絶対参照によって数式が固定されることで、計算結果が正しく表示されるようになります。

参照の手順

相対参照、絶対参照、複合参照の3つの参照の手順について紹介します。

相対参照の手順

相対参照を利用し、野菜の合計金額を求めます。

(1)セルD1に「=B2*C2」と入力します。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(2)セルC1に計算結果が求められました。

(3)オートフィル機能(連続して同じ数値や数式を入力する機能)を使い、セルC3からセルC5までの合計金額を算出(カーソルをセルC2の右下角に合わせ「+」が表示されたら、そのまま同じ数式を入れたい場所までドラッグする)。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(4)相対参照によって、セルC3、C4、C5に計算式が正しく反映されたことが分かります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

※C4

Excel 参照とは? 意味 使い方

※C5

Excel 参照とは? 意味 使い方

絶対参照の手順

5店舗の総納品数を、絶対参照を利用して求めていきます。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(1)セルC4に「=C4*$E$1」と入力します。
・$マークは直接入力以外に、「=C4*E1」の数式にカーソルを合わせ、F4キーを押しても変更できます。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(3)セルE4に計算結果が表示されました。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(4)オートフィル機能を使い、セルC5からセルC7までの総納品数を算出。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(5)絶対参照によってセルC5、C6、C7に正しく計算結果が反映されたことが分かります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

※C6

Excel 参照とは? 意味 使い方

※C7

Excel 参照とは? 意味 使い方

複合参照の手順

セル番地の列、行どちらかに$マークをつけ、列や行のみを固定するのが複合参照です。複合参照を利用して、野菜の合計金額を求めていきます。

(1)セルD4に「=B4*$C4」と入力し、C列のみを固定します。
・$マークは直接入力以外に、「=B4*C4」の数式にカーソルを合わせ、F4キーを押しても変更できます。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(2)セルD4に計算結果が表示されました。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(3)オートフィル機能を使い、セルC5からセルC7までの商品合計を算出。

Excel 参照とは? 意味 使い方

(4)複合参照によってセルC5、C6、C7に正しく計算結果が反映されたことが分かります。

Excel 参照とは? 意味 使い方

※C6

Excel 参照とは? 意味 使い方

※C7

Excel 参照とは? 意味 使い方

まとめ

参照機能には複数のタイプがあり、それぞれを上手く活用することで、面倒な計算でもスムーズに値が求められます。

これを機会に参照の使い方を習得し、Excelをさらに使いやすく、便利なものにしていきましょう。

(学生の窓口編集部)

関連記事

新着記事

もっと見る

HOT TOPIC話題のコンテンツ[PR]

注目キーワード

 ビジネス用語・カタカナ語80選

 キャリアロードマップの一歩目

  • ピックアップ [PR]