「ご愁傷様」とは、相手の傷づいた気持ちを愁(うれ)うということから「あなたの悲しい気持ちがよくわかります。とても気の毒なことです。」などの相手を気の毒に思う様、お悔やみの言葉の意味が含まれています。場合によっては「お気の毒様」「お悔やみ申し上げます」などが言い換えに使われることもあります。「ご愁傷様」は、社会人の一般的なマナーとして、お身内が亡くなられた方の身を案じて使う言葉として用いられていますが、葬儀やお通夜だけではなく相手の不運な状況を察して使うことも多いでしょう。ビジネスマンとして、お悔やみの気持ちを表す言葉「ご愁傷様」の意味と使い方を覚えておきましょう。
相手に面と向かって伝える場合は「この度はご愁傷様でございます」。アレンジなしで、このままセットで覚えておきましょう。
メールや手紙など文章で伝える場合は「お悔やみ申し上げます」の方がベター。「ご愁傷様」は口頭で伝える場合に使うことが多いです。なお、遺族同士は「ご愁傷様」を使うのが通常です。
「追悼の意を表します」は文章で伝えるときのもので、相手へ口頭で伝える言葉ではありません。少々よそよそしくも感じるため、会社対会社の弔辞ならまだしも、個人的付き合いのあった方へのお悔やみは「お悔やみ申し上げます」の方が無難です。なお、もし自分が遺族側になった場合は、以下のようにシンプルに返答するといいでしょう。
<やりとり例1>
「この度はご愁傷様でございます」
「恐れ入ります」
<やりとり例2>
「この度はご愁傷様でございます」
「お心遣いありがとうございます」
現代では不運や困難な状態に陥った相手にそれらを軽く皮肉る、もしくはからかう意味で「ご愁傷様です」と使用する場合があります。こちらの使い方についても、例文から覚えておいてください。
<やりとり例1>
「部長と一緒に出張だって。参ったなぁ。」
「それはご愁傷様。部長は厳しいからな頑張ってこいよ。」
<やりとり例2>
「夕べは残業で終電逃してタクシーだよ。高くついた。」
「それはご愁傷様。給料日前なのに大変だったな。」
これは、大変な状況に対して同情を表す、ややカジュアルな表現になります。自分と同等、もしくは自分より目下の相手へ向けて使うものなので、上司や目上の方へ使ってはいけません。言い換えとしては、「それは大変でしたね」「ご難儀ですね」などがいいでしょう。
最近は不運な状況の相手に使う、「ご愁傷様」を使うことが多く、なかなか本来の意味を正しく使う機会がないのも事実です。しかし、ご不幸というのはある日予期せず起こってしまうもの。その時に美しく悲しみの気持ちを表現することができるよう、常に心に留めておきましょう。
・執筆:山河丸々(さんが まるまる)
海外で外国人に日本語を教えている兼業ライター。現在はアジア某国在住。日々生まれてゆく新しい日本語と、日本語能力試験に出る日本語との乖離に悩む。趣味はB級グルメ食べ歩き。
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