【例文つき】実はよく知らない、「時下ますます」の意味と正しい使い方【もう間違えない! 定番ビジネス敬語集】

2022/04/27

電話・メール

「時下ますます」とは、ビジネス文書でよく使われる挨拶の定番です。

オフィスで見かける社外からの文書や通知、また案内状や手紙の冒頭には、ほとんどといっていいほど「拝啓 時下ますますご清栄のことと…」という挨拶文が書いてあります。

パソコンの挨拶文にもすぐ出てくるので、意味はわからないけどそのまま使っている、という方もいるのではないでしょうか。

今回は、実はよく知らない「時下ますます」という言葉の意味と使い方、そして例文をご紹介します。

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「時下ますます」の読み方と意味

時下は「じか」と読み、時候の挨拶に代わって使える言葉です。

本来、手紙では、時候の挨拶で冒頭に季節の風情を表す挨拶として「初夏の候」や「晩秋の候」などを使いますが、時下はその代わりに使います。

「時下ますます」は失礼?

「時下ますます」を使うのは失礼にあたると言う人もいますが、基本的には失礼にはあたりません。

ただし、時候の挨拶を省略する形になるため、一般的に「春光うららかな季節となりましたが」などの挨拶文があることが多い文書や手紙で「時下ますます」を使用すると「常識がない」「失礼」と思われる心配はあります。

これは会社の慣習や競合他社の文章などを参考にしながら調整するといいでしょう。

ビジネス文書で使える「時下ますます」の使い方

「時下」はもともと、「今現在」や「この頃」という状態を表現する言葉です。

そして、「時下」の次に使用される「ますます」は、相手の安否や調子を尋ねる言葉として「ますます○○でしょうね」という意味で使用されます。

「時下」を、「初霜の候」など、本来の季節の言葉や挨拶文に変更する場合もあります。相手方には、季節の趣がより丁寧に伝わりますね。

「時下」を使用するときに注意すべきこと

「時下」を使用する時、特に注意すべきことは、「時下」は書き出し(先頭)に使われない、という点です。間違えないように注意しましょう。

「時下」は時候の挨拶を省いているので、時下の前には必ず「拝啓」「謹啓」という頭語が先に使用されます。

また「時下」を「貴社」などに変えて、「ますます」と繋げ使用することもよくあります。

ビジネス文書の基本「時下ますます」の例文

時下」を使用する場合と使用しない場合、それぞれ例文でご紹介しましょう。

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げますの例文

送付状などによく使われるのが、「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」です。

清栄は、相手の健康や繁栄などを祈るニュアンスがある言葉です。企業や法人・個人問わず使用できます。

ーーー

拝啓

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

(本文)

敬具

ーーー

のように、「拝啓」から始まり、結びは「敬具」で終わります。

時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げますの例

健勝は、健康ですこやかな状態を指す言葉です。企業や法人には使用しないので、個人に対して送付する場合に使います。

ーーー

拝啓

時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

(本文)

敬具

ーーー

時下ますますご清祥のことと存じますの例

清祥は、相手が健康かつ幸せに暮らしていることを指す言葉です。企業や法人には使用しないので、個人に対して送付する場合に使います。

ーーー

拝啓

時下ますますご清祥のことと存じます。

(本文)

敬具

ーーー

「時下 皆様におかれましては」の例文

時下を使った後の呼びかけに「皆様におかれましては」をおいても変ではありません。

  • ・時下 皆様におかれましてはますますご清祥のことと〜〜
  • ・時下 皆様におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます

のように使います。口に出して読んでみて違和感を感じるようなら時候の挨拶を入れるか、「皆様におかれましては」を別の文章に変更しましょう。

  • ・残暑の候、皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。
  • ・時下 貴社におかれましては〜〜

「時下ますます」を使用しない場合の例文

「時下ますます」を使用しない場合は、時候の挨拶が入るため

ーーー

拝啓

残暑の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

平素は格別の〜〜

(本文)

敬具

ーーー

の形になります。

コロナ禍で「時下」に続ける言葉はどうすればいい?

コロナ禍にある今、「時下」の後の挨拶に「ご清祥」「ご健勝」をつけるのは「雰囲気に合わない」と感じている人もいると思います。

そのまま「ご清祥」「ご健勝」で構わないのですが、どうしても気になる場合やコロナのクラスターなどが発生し、「さすがに使えない」という場合はこういった言葉を検討してください。

  • ・貴事業所におかれましては、ご苦労の程はいかほどかと拝察いたします
  • ・貴社におかれましても大変なご苦労をされているのではと案じております

コロナ禍での苦労や相手への心配、いつもと変わらないことの喜びが表現できると良いですね。

「時下ますます」は便利な言葉!メールや手紙で使いこなそう

ビジネス文書で「時下ますます」は、手紙でもメールでもよく使用される便利な言葉です。

ビジネスシーンでは文書を作成する機会も多いため、基本的な意味や使い方はぜひマスターしておきましょう。

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