ビジネスメールに「拝啓・敬具」は必要? 不要?

2018/04/25

電話・メール

みなさんはメールで相手にメッセージを送信する際、「拝啓」と「敬具」を冒頭と文末に付けているでしょうか。恐らく、付けているという人はほとんどいないと思います。では実際のところ、メールに「拝啓・敬具」が必要なのか。ここで詳しく解説していきましょう。「拝啓・敬具」の正しい意味を理解すれば、相手に失礼のないメールが送れるようになるはずです。

ビジネスメールに「拝啓・敬具」は必要? 不要?

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まずは「拝啓・敬具」の意味を知ろう

「拝啓」の「拝」は、「あなたのことを尊敬しつつ」という意味を持っています。「啓」は「謹んで申し上げます」と言う意味。つまり「あなたのことを尊敬しつつ、これから謹んで申し上げます」となります。古くは、「拝啓仕候」(はいけいつかまつりそうろう)という4文字の複合形で用いられていました。「拝啓仕候」から「拝啓」へ簡略化されたのは、明治時代の中頃だといわれています。

手紙では「拝啓」のあと、時候の挨拶が続きます。冬の時候の挨拶には「寒気ことのほか厳しい日々が続いておりますが、お元気でお過ごしですか」、春の時候の挨拶には「桜のつぼみも膨らみはじめ、日を追うごとに暖かくなってまいりました」、夏の時候の挨拶には「蝉時雨がにぎやかに降り注ぐ季節となりました」、秋の時候の挨拶は「木々の梢が色づきはじめた今日この頃」などがあります。

いきなり本題を切り出してしまうと、せっかちな印象を相手に与えてしまうので、時候の挨拶をクッションがわりにはさんでから本題へ移行します。

「敬具」が使われはじめたのは大正時代に入ってからだといわれています。それまでは敬具は使用されていませんでした。「敬具」には、「敬:謹んで」、「具:整える」という意味があります。つまり、「これにて謹んで文章をしめくくります」という意味になります。

「拝啓」でなく「前略」ではじまる手紙の場合は、「早々」で結びます。「前略」は「失礼ながら時候の挨拶をはぶかせていただき本題に入らせていただきます」という意味になり、「早々」では「失礼ながら取り急ぎ要件のみをお伝えしました」という締めくくりになります。

メールにも拝啓と敬具は必要?

<要件を伝えるビジネスメールの場合>
メールで要件を先方に伝える際、拝啓と敬具を使っている人はほとんどいません。それはメールというものの特性に原因があります。特にビジネスメールの場合は、要件を相手にわかりやすく伝えることが重要課題とされています。そのため、拝啓や時候の挨拶は省略して「お世話になっております」程度の簡略化した挨拶にして本題へ移行します。

忙しいビジネスパーソンに向かって、拝啓や長々とした時候の挨拶をはさんでいたのでは、かえって失礼にあたります。例えば、ビジネス上の要件を伝えるメールに「拝啓 蝉時雨がにぎやかに降り注ぐ季節となりました。御社におかれましては、益々ご清祥のことと拝察いたします」という時候の挨拶を入れたりしたら、「それよりも要件を早く伝えてよ!」と相手に思われるはずです。相手に負担をかけずに要件を明確に伝えることが、ビジネスメールのマナーです。

ビジネスメールでは「拝啓」と時候の挨拶のかわりに「お世話になっております」を入れます。親しい相手の場合は、「今日はよい天気ですね」くらいは入れてもいいかもしれません。また「敬具」のかわりに「何卒よろしくお願いいたします」もしくは「よろしくお願い申し上げます」などが入ります。ビジネスメールでは、最低限の敬意を払いながら、スピードと効率化を重視することが重要です。

<お礼や挨拶のメールの場合>
ビジネスなどで要件を相手に伝えるためのメールの場合は、拝啓と敬具は不要ということでした。しかし、上司や取引相手へのお礼文や挨拶文をメールで送信する際には、拝啓と敬具を使うとより丁寧な文面になります。

お礼や挨拶のメールでは「拝啓」と「敬具」を使用することがありますが、「前略」はメールでは使用しません。急ぐのだったら「お世話になっております」という挨拶だけで十分だからです。

また、女性が手紙に添える「かしこ」などもメールでは使用することがありません。「かしこ」は、手紙では女性らしさが表現できますが、メールではかしこまった表現過ぎるという意見があります。伝達手段によって、同じ言葉でも伝わり方が変化するのかもしれません。

上司などから、取引先相手へ挨拶のメールを送るように指示された場合は、会社によって体裁が異なっている場合があるので、過去の慣例を確認して、それに沿った形式で文面を仕上げるようにしましょう。

まとめ

ビジネスメールに「拝啓」と「敬具」は必要なのか。結論として、ビジネスの要件を伝える際には「拝啓」のかわりに「お世話になっております」を使用する、「敬具」のかわりに「よろしくお願い申し上げます」を使用する、ということになります。ただし、新年の挨拶やお礼のメールには、「拝啓」と「敬具」をつけたほうが、より丁寧な文面になり、相手にも気持ちが伝わりやすくなります。最低限の常識的な形式を守りながら、自分でも読み返してみて自然な文面に仕上げるようにしましょう。

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・執筆:山下ユキマル
デザイン事務所などでクリエイターを務めた後、現在はフリーライターとして活動中。毎週水曜日の夜にひらかれていたH賞詩人の現代詩教室に10年ほど通い、現代詩手帖やユリイカなどへの寄稿経験を持つ。趣味は料理とランニング。

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