「敬称略」の意味とは? そもそも敬称って? 正しい意味と使い方【例文あり】

更新:2022/02/01

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「敬称略」という言葉は聞いたことがあっても、その意味や使い方を知らない人も多いのでは? そんな「敬称略」の意味や使用するシチュエーションなどを例文もまじえて紹介します。ビジネスシーンでは使われることも多いので、この機会に覚えておきましょう。

敬称略とは?

「敬称略」とは言葉通り、「敬称」を「省略」することです。「敬称」には個人に対する敬称として使われる「様」や、組織に対する敬称として使われる「御中」など、相手に合わせてさまざまな表現があります。

大人数の人名を読み上げる場合や、名簿などのように大人数の名前を記載するときに、それぞれに敬称を付けていると読み上げに時間がかかったりしてしまいます。そのような場合に「敬称」をあえてつけないことを「敬称略」と言います

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敬称の種類と使い方

敬称とは、人名や役職名、肩書きなどの下につけることで、相手に対する敬意を表す呼び名のことです。個人に対する敬称として使われる「様」や、組織に対する敬称として使われる「御中」など相手に合わせてさまざまな表現があります。

<敬称の種類と使い方>
・様:個人名に付けて使用する敬称。
例)山田花子様

・御中:団体・組織名に付けて使用する敬称。
例)株式会社○○ 人事部 御中

・各位:複数の個人を対象とする際に使用する敬称。
例)株式会社〇〇 〇〇実行委員会 各位

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敬称略の意味とは? どんなときに使う?

では、「敬称略」とはいったいどんな意味なのでしょうか。「敬称略」とは、役職をはじめ「さん」や「様」「御中」「各位」などの敬称を省略することです。どのようなシーンで使われるのかというと、例えば葬儀に参列している人を名簿に記載する際や、読み上げる場合に使用します

また祝電や香典などを読む場合でも、あらかじめ「敬称略」と宣言し敬称を省略する場合が多いです。もちろんそういった冠婚葬祭だけではなく、ビジネスシーンでの会議の席で名簿を作成する際など、参加する人数が多い場合に使用します

失礼のない敬称略の使い方とは?

「敬称略」を呼び捨てのように考えてしまい、使うことをためらう人もいるでしょう。しかし心配は無用です。「敬称略」と付けている以上は、「敬称を使用したいが略して申し訳ありません」という気持ちが込められており、目上の人に対しても失礼には当たりません。

しかし、内容が短かったり記載する人数が少ない場合の社内文書などでは、敬称略を使用せず役職名をつけるとよいでしょう。その際に気をつけたいのが「様」の扱い方です。つい丁寧にしようとして「社長様」や「部長様」といった使い方する人がいますが、二重敬語となり失礼に当たりますので注意しましょう。

敬称略で議事録を作成するときの注意点

「敬称略」をつければ敬称を略しても問題はありません。しかし議事録などでは気をつけたい注意点が3つあります。

1つ目は「社外の方には敬称略は控える」ということ。社外の方は言ってみればお客様です。敬称略の使用は避け、敬称をつけるほうが無難です。

2つ目は忘れずに「敬称略と記載すること」。敬称略と記載がなければ、呼び捨てをしている形になってしまいマナー違反です。敬称略の記載は意外と忘れてしまいがちですので必ず確認しましょう。

3つ目は「順不同と記載する」ことです。敬称略で名前を羅列する際は、並び順も重要。高い役職者やお客様を末尾に記載してしまうと、やはり失礼になってしまいます。どの人を上に書くべきかあやふやな場合は「敬称略、順不同」と記載しておくと無難です。

敬称略の使い方を例文でチェック

では最後に、もう一度確認の意味を込めて、例文と合わせて説明していきます。まず敬称略の使い方ですが、議事録などではそのまま「敬称略」で構いません。冠婚葬祭などで名前を読み上げる場合も「敬称略」でも問題はありませんが、『お時間の都合上、敬称を省略いたします』などの言い方がお勧めです。また、二重敬語の例文も紹介しますので確認しておきましょう。

例文1

<社外の人が含まれる場合>

出席者一覧 (敬称略、順不同)
山田 太郎 ××株式会社
佐藤 花子 株式会社○○
高橋 次郎 株式会社△△

例文2

<社内文書の場合/役職名を省略しているが一般的に役職の上位順に記載する>

出席者一覧 (敬称略、順不同)
山田 太郎
佐藤 花子
高橋 次郎

例文3

<二重敬語の例/失礼に当たるので注意>

山田 太郎 代表取締役社長様
佐藤 花子 部長様
高橋 次郎 課長様

まとめ:「敬称略」の正しい使い方

ビジネスシーンでも多用される敬称略の正しい使い方について、「敬称」の意味や「敬称略」を使う場合とその際の注意点などを紹介しました。社会人として敬称略の基本的な使い方を理解したら、さまざまな状況に応じて使い方を考えてみましょう。

人数や時間といった状況判断だけではなく、社外の取引先や上司が多いときは敬称をつけた方がよい場合もあります。会議の議事録にしても時間と参加する人を考えて使うようにしましょう。最後に、敬称略を使用する場合は必ず「敬称略」と記載することをお忘れのないように。


マイナビ学生の窓口編集部

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