ビジネスシーンでは手紙でやりとりをする機会がしばしばあります。その際によく用いるの言葉が「拝啓」と「敬具」であり、それぞれ文頭と文末に使う言葉です。何気なく使用してしまっているものの、実はしっかりと意味を理解しているという人は少ないのではないでしょうか。今回は、拝啓と敬具の正しい意味と使い方を例文つきでご紹介します。手紙を書く上で使える類似表現は他にもあるため、シーンに合わせて適切な言葉を選んで使えるようにしておきましょう。
「拝啓」に始まり「敬具」に終わるのは手紙の基本的な書き方として知っている人も多いでしょう。手紙の書き始めに使用する「拝啓」は本来の意味は「へりくだって申し上げます」というものです。まずは読んで下さる相手に対して、礼儀を示すための言葉と言えます。
語源から考えてみると「拝」はもともとおがむ、お辞儀をするという意味であり、「啓」は述べる、申し上げるという意味があります。まず相手に対して敬意を評して拝むあるいはお辞儀をして、それから申し上げますという意思表示をする言葉なのです。これから話を始めるにあたって、最大限の礼儀正しさを表現するための言葉として理解しておくといいでしょう。相手をうやまう気持ちをしっかりと示すために文頭において使用する頭語として使用されます。
「拝啓」は文頭に用いる言葉で、これから話し始めるために相手に対して最大限の礼儀を示すためのものであるのに対し、「敬具」は手紙の最後に使用して相手に対して「敬意で手紙を結ぶ」という意味があります。
語源から考えてみると「敬」はうやまう、尊敬する、うやうやしいという意味があり、「具」は述べる、ともなう、整えるという意味があります。「うやまう気持ちを述べる」という解釈をすることもできますが、「具」がともなうという意味を持つことも考慮すると、「敬意をともなって文を終える」という意味合いがあるというのが正しい解釈です。いずれにしても目上の人をうやまう気持ちを込めた表現であるのが特徴です。
基本的に敬具が拝啓と対になって利用されるのは、どちらもうやまう気持ちを持って相手に対して敬意を表する言葉となっているからです。類似した表現があるものの、それぞれ意味合いの対が慣習として決まっているため、不用意に入れ替えを行わないようにしましょう。
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