渡航先でパスポートをなくすと帰れなくなる? 旅行代理店に聞いてみた

海外旅行には欠かすことのできないパスポート。出入国のときに必要なのはもちろん、身分証明書にもなる大事な持ち物です。しかし、渡航先でパスポートを紛失したり盗難に遭ってしまった場合は、本当に帰れなくなってしまうのでしょうか？　旅行代理店に聞いてみました。

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■パスポートをなくした場合、帰国するためには手続き方法が2つある！

「パスポートがないと出国の手続きができないので、帰りの飛行機に乗ることはできません。万が一紛失してしまった場合、帰国するためにはすぐにでも手続きをする必要があります。手続きの方法としては2パターン。パスポートを再発給するか、帰国するための渡航書を申請するかです。パスポートの再発給は一般的に1〜2週間かかりますが、渡航書なら1〜3日で発行してもらえますので、急ぎであるならば渡航書を発行してもらいましょう」

渡航書があればなんとか帰国はできそうですね！　では、パスポートの再発給や渡航書の申請にはどのような手順が必要なのでしょうか？　　

■紛失の届けを出してから大使館へ

「まずは最寄りの警察署か消防署へ行きましょう。警察署なら盗難・紛失証明書、消防署なら罹災（りさい）証明書を発行してもらえます。証明書を発行することができれば、日本大使館・領事館で、再発給（または渡航書）申請の手続きをとることができるのです。ちなみに、大使館は各国の首都に、領事館は主要都市にあるので、覚えておいてください。また、パスポート再発給と渡航書の発行に必要となる書類は、以下のとおりです。

パスポート再発給の場合

・盗難・紛失証明書または罹災証明書 1通
・紛失一般旅券等届出書 1通 （大使館窓口にて受け取り可能）
・一般旅券発給申請書 １通 （大使館窓口にて受け取り可能）
・写真 2枚（縦45mm×横35mm）
・本人確認書類
・戸籍謄本または戸籍抄本（6ヵ月以内に発行されたもの）
・手数料

渡航書を申請する場合

・盗難・紛失証明書または罹災証明書 1通
・紛失一般旅券等届出書 1通 （大使館窓口にて受け取り可能）
・渡航書発給申請書 １通 （大使館窓口にて受け取り可能）
・写真 2枚（縦45mm×横35mm）
・本人確認書類
・戸籍謄本または戸籍抄本（6ヵ月以内に発行されたもの）、または日本国籍があることを確認できる書類
・手数料
・日程等が確認できる書類（航空チケットや旅行会社の予定表など）

短期旅行のケースでは渡航書を申請することになりますが、紛失したときの備えとして、運転免許証や保険証などの日本国籍が確認できる書類と、証明写真をあらかじめ持参しておき、パスポートと別々に保管しておくといいでしょう。また、自分のパスポート番号と発給年月日は必ず必要になりますので、コピーしておくことも大切です」

必要な書類がかなり多いですね......。あらかじめ準備できるものは、日本で備えていってもいいかもしれません。ちなみに、パスポートが後から見つかった場合はどうなるのでしょうか？

■後からパスポートが見つかっても、使ってはいけない！

「渡航書が発給された後は、パスポート自体が無効扱いとなってしまいます。そして、渡航書はその旅程で帰国するためだけに有効なので、日本で改めてパスポートの新規発給を受ける必要があります」

パスポートをなくしたことに気付いたらパニックになってしまいそうですが、まずは落ち着いて、身の回りを再確認することが大事みたいですね。

■海外旅行保険に加入している場合は電話してみよう

「基本的には帰国日に間に合うように気遣ってくれるとは思いますが、場合によっては間に合わないケースもあるようです。復路便を変更できるタイプのチケットなら、まずは航空会社に問い合わせてみてください。また、海外旅行保険に加入しているなら、保険会社に電話してみましょう。パスポートの盗難も対象になっている保険ならば、発給手数料や、最寄りの在外公館までの交通費、延泊のホテル代などが限度額内で保障されます」

海外旅行保険に加入していれば、パスポート再発給の手順などについてたずねることもできるようです。健康に自信がある人も、もしもの時のために加入しておいた方が良さそうですね！

パスポートをなくさないことが何よりも大事ですが、万が一に備えて下調べしておくと、安心して旅ができそうですね。各国の大使館や領事館の場所は、下のサイトから確認してみてください！
http://www.mofa.go.jp/mofaj/an...

文／栗本千尋＋プレスラボ