実は失礼な言葉「おあいそ」。「誤魔化し」は「胡麻菓子」だった。意外と知らない言葉の由来

更新:2018/08/07

対人マナー

実は失礼な言葉「おあいそ」。「誤魔化し」は「胡麻菓子」だった。意外と知らない言葉の由来

普段何気なく使っている言葉にも、歴史があり、「そうだったのか」と思わず膝を打ってしまうような成り立ちがあります。今回は、知ればつい人に教えたくなる、そんな言葉の由来を集めました。

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●「ネコもシャクシも」は猫と杓子ではなかった

「スマートフォンが流行ってからというもの、今やネコもシャクシも『スマート』だよなあ、この間なんてついに『スマートトイレ』なんてのが登場してたよ」というように、「何でもかんでも」や「誰も彼も」、という意味の「ネコもシャクシも」。よく漢字で書かれるのは「猫」と「杓子」ですが、意味を考えると、まったくピンときません。実はこれ「禰子」と「釈子」が由来と言われています。「禰子」というのは神道の信者、「釈子」というのは仏教徒のことで、そう考えれば納得がいきますね。

●ボクシングの「リング」、四角いのにリング(輪)と言うのはなぜ?

ボクシングが生まれてすぐの頃、プロボクサーは町から町をまわり、それぞれの町の人と試合をしていたといいます。その時に、輪になった観客にロープを持ってもらっていたので「リング」となりました。その後、観客が増え、杭を四方に打ってロープを張るようになったので、四角になりましたが名前は「リング」のままでした。

●四六時中って何ですか? 二四時中じゃないんですか?

「四六時中」というと、1日中という意味ですが、1日中だと二四時中じゃないの? という疑問が湧いてきます。これは簡単なからくりで、四×六=二十四なので、四六時中といいます。ちなみに、昔、まだ干支の12刻で時間を表現していたときには「二六時中」と言っていたのだとか。

●お会計のとき「おかみさん! おあいそで」は大間違い

居酒屋でお会計をしてほしいとき、つい使ってしまいがちなのが「おあいそ」という言葉ですが、これは客側が使ってはいけません。「おあいそ」の由来は店側が「お愛想がなくて申し訳ございません」と勘定を出す時にへりくだる表現です。これが、勘定そのものを指す言葉となり、いつしか誤用されるようになったということです。つまり客側が使うと「愛想が尽きた」と言ってしまうことになりますので、そういう意図がなければ使わないほうがいいでしょう。

●「誤魔化し」は音の通り、胡麻のお菓子だった!?

都合の悪いことを取り繕うことを言う「誤魔化し」。見るからに当て字の雰囲気が漂う言葉です。そう思って調べてみたら、やはりこれは当て字でした。江戸時代に「胡麻胴乱」という小麦粉に胡麻をまぜて焼いてふくらませた菓子を「胡麻菓子」と言い、中身が空洞になっていて、見た目よりも食べるところが少ないことから「外見だけよくて中身の伴わないもの」、「見掛け倒し」のことを「胡麻菓子」といったことから今の意味につながりました。

●四苦八苦はなんの数字?

とても苦しんでいることを表現する「四苦八苦」。これは仏教の考えから来ています。四苦というのは「生苦」「老苦」「病苦」「死苦」のこと。そこに愛するものと別れる苦しみの「愛別離苦」、憎い人と出会ってしまう苦しみの「怨憎会苦」、ほしいものが得られない苦しみの「求不得苦」、心身の活動をしているだけでわきあがってくる苦しみの「五蘊盛苦」を加えて八苦となります。つまり、四苦八苦とは人の「すべての苦」のことをいいます。ちなみにここで言う「苦」とは単なる苦しみというよりも、思い通りにならないことを「苦」というそうで、この四苦八苦が静まれば、迷いがなくなり悟りの境地が開けるのだとか。

いかがでしたか? 例えばデートの途中で「実は知的なオレ」をアピールするために、はたまた営業先で「かわいいだけじゃないアタシ」を演出するために普段の会話にこんな雑学を織り交ぜてみては?

文・オリスリス

参考:知っているようで知らない知識(松本健太郎著:彩図社)

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