就活用に、あなたは何色のスーツを選びましたか? おそらく「黒」を選んだ人が大多数を占めるのではないでしょうか。マイナビが行った2013年の調査(※)でも、就活スーツの主流は黒。このような状況になったのは一体いつから? 何か理由はあるのでしょうか?
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【00年代以降、じわじわと売り上げが拡大】
バブル期の25年前(1988年)に就職活動をした人に聞くと、就活スーツと言えば紺色もしくはグレーだったと言います。「黒いスーツはあまり見かけなかった」とも。
青山商事株式会社 TSC(ザ・スーツカンパニー)事業本部長の水谷修氏によると、20年前(1993年)でも、まだ黒い就活スーツのシェアは「ほぼゼロだった」とのこと。増え始めたのは12〜3年ほど前からで、大きな転換点があったわけではなく、じわじわと黒いスーツが主流に変わっていったそうです。
【ビジネス界での流行が就活スーツにも影響?】
では、黒い就活スーツが売り上げを伸ばした理由・背景には、一体何が? 「まず黒をベースにしたビジネススーツが流行したことが考えられます。その流れが就活スーツの売り上げにも影響したのでしょう」(水谷氏)。
また、バブル崩壊後から長く不景気が続いたため、「黒なら冠婚葬祭にも使える」といった節約精神も、黒人気の一因になったようです。さらに、「就職難のなか、無難を求めて多数派にならう風潮が、現在の『黒が圧倒的に主流』という状況につながったのでは」と水谷氏は分析します。
【就活スーツとフォーマルでは、同じ「黒」でも色が違う】
ちなみに、就職活動を終えた学生が、社会人一年目に着るためのスーツには、内定した業種にあわせて、さまざまな色・デザインのものが選ばれているそう。黒いスーツも売れますが、そのなかでも人気なのは、ストライプなどの柄物。ほかに、フォーマル用のブラックスーツもよく売れるそうです。
就活スーツもフォーマルスーツも、同じ黒いスーツに見えますが、実は染色方法が異なるため、色合いには微妙な違いが。フォーマルスーツは漆黒とも言える深い黒で、就活スーツの黒はもう少し軽く柔らかい印象の黒なのだとか。
入社後や冠婚葬祭にも着るつもりで黒い就活スーツを買っても、実際には、就活で毎日のように着るため、入社時に買い替えが必要になることも多いはず。また、年齢を重ねると、きちんとしたフォーマルスーツがほしくなることもあるでしょう。あまり先のことまで考えず、ほかの色も視野に入れながら、自分に似合うスーツを選ぶのが一番かもしれませんね。
文●本居佳菜子(エフスタイル)
取材協力/青山商事株式会社:http://www.aoyama-syouji.co.jp/
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