キャリア教育は遊びから?立教大で「CAREER TOYS」を体験

神野恵美

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マイナビが2025年8月に18~20歳の大学1・2年生を対象にした調査※では、約6割が「現時点において、自分が就きたい仕事・キャリアの方向性が決まっていない」と回答しました。また、「自分の特技・強み・適正がわからない」と答えた学生は50.6%と半数以上にのぼりました。

一方、長期休み中に「キャリア形成活動」に取り組む学生もいます。特に2年生では、4割以上が「後期(10 月~3 月)にキャリア形成活動を強化したい」(41.9%)と 回答しています。

※出典: マイナビ「大学生低学年のキャリア意識調査8月(2028・2029年卒対象)」

こうした背景を踏まえ、マイナビが運営する、大学生低学年向けキャリア支援サービス「マイナビ START」が2025 年11月から提供しているのが「CAREER TOYS(キャリアトイズ)」。

キャリアを堅苦しく考えるのではなく、大学生低学年の段階から個人でも仲間とでも手を動かしながら楽しくキャリアに向き合えるきっかけを作ってもらおうという“おもちゃ”のようなツール群で、企画制作・監修・運営には、大手広告代理店の電通が携わっています。 

自己分析ツール「CAREER TOYS」出典:マイナビSTART

現在、第1弾として「SELFLAG(以下、セルフラッグ)」「FLYING RULER(フライングルーラー)」「REWORDING RECORD(リワーディングレコード)」「OMEN-TOR(オメンター)」の4つのコンテンツが公開されています。

立教大で“遊び感覚”キャリア授業

12月9日、「マイナビ START」出張講座として、東京都内にある立教大学・池袋キャンパスにおいて、CAREER TOYSを用いたキャリア支援授業が行われました。冬休みを前に、同大学の 1・2 年生希望者約50人が参加しました。

今回の講座で、学生たちが体験したCAREER TOYSのツールはセルフラッグ。マイナビでは、「学生の自己分析の手助けになれば」と、2024年から同ツールを用いたワークショップを既に2回開催しています。

自分の“好き”や価値観を深掘りし、それを視覚化した“自分だけの旗”を作ることで、キャリアの第一歩を踏み出すきっかけとなる自己分析を気軽に楽しく行うことができます。

今回の出張講座には、メイン講師役を務めたコピーライターの飯田さんをはじめ、実際にセルフラッグの企画制作を担当した、電通のメンバーも参加してサポートを行いました。

「セルフラッグの最終的な目的は、潜在的欲求を見つけることにあります。Action=“好きが伴う行動”と定義して、何が好きかではなく、何をしているのが好きかを見つけてください。例えば、“写真が好き”ではなくて、“写真を撮る”のが好きなのか、“写真を見る”のが好きなのか? みたいなところまで、一歩深掘って考える時間にしてほしい」と飯田さん。

CAREER TOYSで自己分析を楽しむ3ステップ

ワークショップでは、STEP1として、自分の“好き”を洗い出す個人ワークから始まりました。配布されたオリジナルのツールを使って、「自分の好きなことの要因を深堀り、心の動くポイントを知る」をテーマに、10分の間に最低でも10個、最大15個を目標に、ワークブック上に“好き”を書き出していきました。

STEP2の作業は、“好きの深堀り”。ワークブックに各々が書き出した好きなことや興味を持っていることを6つの行動に分類する作業を約20分で行いました。

「自分が挙げた好きなことは、6種のどの欲求を満たすためなのか、分類しながら見ていきましょう。行動の背後にある本質的な欲求を見極めることで、より深い自己理解や分析が可能になります」(飯田さん)

具体的には、参加者はそれぞれSTEP1で書き出した単語から15個のワードをピックアップ。それらを動詞化し、以下の潜在的欲求のどのカテゴリーに近いかを考えて、チェックを付けていく作業を行いました。

<潜在的欲求の6つの分類>
LRAEN: 知りたい、学びたいという欲求。勉強や読書だけでなく、日常的な興味や調査、旅行なども含む。
MOVE: 動きたい、鍛えたいという欲求。スポーツやトレーニング、健康維持のための体のケアも含む。
CREATE: つくりたい、描きたい という欲求。アート、デザイン、言葉を考えること、料理、ゲーム開発、企画など多様な創作活動が含まれる。
SOCIALIZE: 交流したい、一緒に楽しみたいという欲求。オンラインゲームやダンスなど、共に行動することがベース。
PERFORM: 見てほしい、アピールしたいという欲求。人前で披露する行為やSNS投稿なども含まれる。
SUPPORT: 応援したい、助けたいという欲求。ボランティア活動だけでなく、好きなスポーツチームやアーティストの応援、動画のシェアなども含む。

自分の“好き”とその奥にある潜在的欲求の分類が終わった後は、フラッグの制作タイムです。やり方は、各々が分類したカテゴリーに当てはまる色紙をチェックした数のぶんだけワークブックから破り取っていくことで、最終的に自分の“好き”を色で表した旗が完成。フラッグに個性が可視化され、自分の特徴や傾向が見えやすくなります。

最終段階のSTEP3では、“好き”を言語化するグループワークが行われました。参加者は、自分のフラッグの中の優勢な色の比率を中心に、自身の性格や特徴、健康などを自分の経験に基づき言語化を行い、それをグループ内で1人1分程度発表し合うことで振り返りを行い、旗から見えてきた自分自身の“好き”の核心に迫っていきました。

旗づくりから見える“自分の軸”

最後に、メイン講師を務めた飯田さんは「“好き”を名詞だけで捉えると、内容が似通ってしまうことがあります。ですが、動詞に置き換えると違いがはっきりして、差が見えてくるんです。自分が本当は何を求めているのかを知ることで、新しい“好き”が見つかりやすくなり、夢中になれることを探す入口になるでしょう。今後のキャリアを考えていく上で、ぜひ今日の学びを今後の学生生活やイベント等に活用してもらえたらと思います」と語り、セッションを締めくくりました。

立教大学キャリアセンターの内山璃奈さんによると、「就活の早期化に向けた単なる支援活動ではなく、自分のキャリアに目を向けるための機会を支援したいと思っています。今回は本学のそうした意図と合致していることから、ご協力をお願いしました」と経緯を説明。

また、「自己理解や認識がなければ、表面的に就職活動に臨み、外部の要求ばかりに焦点を当てて自分の目標や強みを見失うリスクがあります。このプログラムは、早期かつ深いキャリアの振り返りを促すことで、そうしたリスクを防ぐことを目指しています」と、取り組みに対する狙いと期待を語りました。

神野恵美

神野恵美

フリーライター・編集者。ワーキングマザーとして10余年、世の中にあるさまざまな便利ガジェット・ツールを駆使して、生き延びる。趣味は料理に掃除、洗濯と野球、旅行、音楽や映画鑑賞などなど、周りが呆れるくらい趣味人間。"モノ"より"コト"優先で生きてる。

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