【大学生のおすすめ書籍3選】「耳が聴こえなくても、心はつながる」伝え方について考えられる本3選!

こんにちは! 出版甲子園実行委員会です。
皆さんは、聴覚障害を持つ人々の国際的なスポーツ大会『デフリンピック』をご存じですか? 2025年11月には、100周年大会が初めて東京で開催される予定で、注目が集まっています。
音ではなく視覚やリズムで競技を行う彼らの挑戦は、スポーツだけにとどまりません。
今回は、聴覚障害を持つ人の日常を描いている本3選をお届けします!
『音のない理髪店』
デビュー作を出版して以降、作家としての自分を見失いつつあった主人公・五森つばめは、「日本初のろう理容師」とされる祖父の過去を物語にしようと試みます。祖父の過去を探る中で、「コーダ」と呼ばれる聞こえない、聞こえにくい親に育てられた聞こえる子どもである父や伯母、そして祖母など様々な人が抱く”想い”を知ることに。『音のない理髪店』はその”想い”を背負えるのか、そして伝えていけるのか悩み、苦しむ中で、つばめが作家として物語を紡ぐことの意味を見つけ出していく物語です。
主人公の取材を見届けるようなリアリティのある形式で書かれた作品だからこそ、耳の聞こえない人がどのようにして生きてきたのかという部分もまた深く心に響いてきます。それでもこの作品で描かれているのは、きっと耳の聞こえない人たちが重ねてきた努力や、感じてきた苦労のほんの一部なのだと思います。
様々な場所で多様性が求められるこの時代だからこそ、たとえ一部だけでもその歴史を知ることには意味があるのではないでしょうか。
そして、この作品からは「伝える」ことの重要性も学ぶことができます。
自分の想いを大切にすること、そしてそれを自分だけの言葉で伝えたいと思う人に伝えていくことは、人と人との繋がりを生みます。
そう思うと、今、自分が存在していることや、自分を支えてくれている誰かがそばにいることは決して当たり前のことではありません。そのことに気づき、「ありがとう」と伝えるきっかけをくれる、そんな一冊です。
『どんなかんじかなあ』
めがみえない子、みみがきこえない子、両親のいない子……
「どんなかんじかなあ」は、相手の世界を想像する思いが溢れてきました。
和田誠さんの滋味深い自由でやさしい絵を素地に「どんなかんじかなあ」を想像したあと、世界は少し色を変えて現れてくるかもしれません。
みみがきこえない子のみる世界、もちろん辛いこともあるのだと思います、でも本当にそれだけなのか。良い悪いも、きこえる私が彼らとどう繋がるのかも、想像することから始めさせてほしいと思わせてくれた一冊でした。
『ひだまりが聴こえる』
『ひだまりが聴こえる』は、難聴をきっかけに周囲と距離を置くようになった大学生の航平が、自身とまっすぐに向き合おうとする同級生に、少しずつ惹かれていく様を丁寧に描いた漫画作品です。「聞こえる人々」のために作られた社会で「聞こえづらい」ことが、どのように困難なのか。聞こえる人がマジョリティの社会において、航平が感じる孤独感と、その中で同級生の太一に出会えたことの喜びが、柔らかく誠実な筆致で描写されています。
難聴というテーマを誠実に取り上げ、よりよい関係や社会の形を読者に問い直してくれる、素敵な作品でした。
いかがだったでしょうか?
今回は、小説・絵本・漫画と様々なジャンルで聴覚障害について考えられる機会となりました!
次回は聴覚障害について扱うあの作家さんの本をお届けします!
⇒「あの物語が、私を支えてくれた」有川浩さんの作品から考える聴覚の世界
【書籍情報】
・『音のない理髪店』
著:一色さゆり
出版社:講談社
ISBN:978-4065373255
・『どんなかんじかなあ』
著:中山千夏 絵:和田誠
出版社:自由国民社
ISBN:978-4426875060
・『ひだまりが聴こえる』
著:文乃ゆき
出版社:プランタン出版
ISBN: 978-4829685617






















