英語を話せないことはかっこ悪くない。話そうとする姿勢がかっこいいんだ! #大学1年生の転び方
今もアホみたいに長ーーーい夏休みを楽しんでいる大学生のみなさま、お盆休みとは名ばかりの儚い連休を終えて労働に勤しんでいるかつて大学生だった気がしなくもないみなさま、こんにちは。
そんなみなさまにこのようなことを言うのは心苦しいですが、ここ2年ほどほぼ夏休みのような日々を送っております、ものすごい愛です。
前回のトミヤマユキコさんの記事、とても勉強になりました。
ちなみにわたしは人生で一度もカンニングをした経験はないのですが、それは子供のころから親の言うことをちゃんと聞く素直でいい子だったから。
母親に「お父さんは公務員なんだから、アンタが軽い気持ちでカンニングや万引きをすると職を失う……そうなると家族全員が永遠に冷たくてカッピカピの米とぬるくて生臭い麦茶しか摂取できない生活になる……」と鬼の形相で脅されていたので、いやだ! あったかくてほっかほかのお米が食べたい! 氷が入ってキンキンに冷えた麦茶が飲みたい! というビビリ精神から、ズルに手を染めることは一度もありませんでした。
トミヤマさんはカンニングに誘われたときのひとまずの対処法として『ダサい/ダサくない』に評価軸をズラして周囲の人間に促すのを提示されていましたよね。
これはあくまでも妥協案とのことでしたが、この『ダサい/ダサくない』で判断することってけっこう有効なものだとわたしも思います。
誰だって、ダサい人間にはなりたくない、ダサい人生を送りたくない。
さて、今回の相談では、その『ダサい/ダサくない』という観点から、英語が上手に話せないことをダサい自分だと思い込んでしまいそうになっている方からの相談です。
勇気を出したあなたは、かっこいい!
たしかに、英語に限らず、外国語をペラペラ話せたらかっこいいですよね。
日本は多言語国家ではないということもあってか、外国語を話せる人に対してはやはり羨望の眼差しを向けずにはいられません。
わたしも日本語以外はてんでだめなのですが(最近は引きこもりに拍車がかかり日本語すらもあやしいレベルですが……)、カフェで外国の方と英語で商談をかましてるサラリーマンを見かけたり、洋画は吹き替えも字幕もなしで観るという人の話を聞くと、「ヒャ〜〜〜すっげぇ〜〜〜!!!」となります。
でも、英語を上手に話せない人が果たしてダサいのかと聞かれたら、決してそんなことはないと思うのです。
むしろ、自分のスキルのなさをひた隠しにして恥をかかないように避けていることのほうが断然ダサい。
上手じゃなくても、しどろもどろでも、「言葉が通じなくてもこの人とコミュニケーションを取りたいんだ!」という気持ちで、勇気を出したことはとてもかっこいい行動。
だから、あなたは上手に話せなかったことを落ち込まなくて大丈夫、話しかけた時点で充分かっこいいですよ。
出川哲朗さんの国際交流スキルを見習うべし!
ところで、日本テレビで放送されている『謎とき冒険バラエティー 世界の果てまでイッテQ!』という番組をご存知でしょうか?
知らない方のために簡単に説明させていただきますが、芸能人がさまざまな国へ行き、その土地のお祭りに参加したり、一風変わったアクティビティを体験したり、珍獣を探したり、絶景を観に行ったり、という内容です。
その中の不定期コーナーのひとつに、「出川哲朗はじめてのおつかい」というものがあります。
英語をほとんど聞き取れない・話せない出川哲朗さんが、英語圏の国で現地の人に聞き込みしながら与えられたミッションを自力でクリアするという主旨なんですが、これがまあめちゃくちゃおもしろいんです。
簡単な中学英語すらままならなず、ヒアリング能力も乏しく、トンチンカンなことばかり言っている出川哲朗さんを見て、スタジオでVTRを観ているタレントさんや、テレビの前の視聴者も腹を抱えて笑うわけです。
でも、何がすごいって、最終的にはなんだかんだミッションをクリアしていること。
これは、伝えたいという熱意や、たとえできなくても恥ずかしがらずにガンガンしゃべる前向きな姿勢が、魂の英語となっているからだと思うのです。
なんだか、めちゃくちゃかっこよくないですか?
わたしは、人を傷つけずに大きな笑いを生み出し、絶対に自分の思いを伝えてやるぞという熱い魂を持つ出川哲朗さんに、尊敬の念を抱かずにはいられません。
少し前、わたしは新婚旅行で2週間ほどスペインに滞在していました。
スペインは母国語がスペイン語、もしくはバスク語でして、バルセロナやマドリッドなどの都市部では英語が通じることが多いのですが、わたしたちが訪れたセビーリャやサンセバスチャンという地方では英語がほとんど通じません。
わたしたち夫婦は、ほんとうに最低限の簡単なスペイン語だけを覚えていったのですが、文法も発音もまるでなってないはずなのに、これが不思議とコミュニケーションを取れるのです。
郷に入れば郷に従え、ではありませんが、目を見て相手の母国語を一生懸命話そうとすれば、相手はしっかりと耳を傾けてくれますし、何より喜んでくれます。
日本に住んでいて、海外からの旅行客がガンガン外国語で話しかけてくるよりも、片言でも日本語で何かを伝えようとしてきたほうが、印象はよくないですか?
それと、一緒です。
大事なのは、「わたしはあなたのコミュニケーションを取りたいです」という気持ちではないでしょうか。
勉強に必要なこと
たしかに、英語が話せるというスキルはとても素晴らしいものです。
就職のときに役立ちますし、世界も広がるでしょう。
わたしの周りには仕事で海外赴任をしていた友達や、留学経験のある友達がいますが、彼らの話を聞いていると英語が話せているからこそできる経験をしていて、とても羨ましく思います。
相談文を読む限りですが、現在英語の勉強中でしょうか?
わたしは大学生のとき、勉強ばかりの毎日を送っていましたが、英語の勉強は大学1年生の一般教養が最後、それも単位ほしさになんとか乗り切った程度なので、英語の勉強方法については有益なアドバイスができないんですよね、大変申し訳ないです。
しかし、全ての学習に共通して言えるのは、目標を持つこと。
わたしの場合は国家試験の合格が目標でしたが、あなたの目標はなんですか?
目標を明確にし、そこに向かってがむしゃらに突っ走ってほしいと思います。
母国語ではない言語を習得するのには、きっとものすごく時間がかかりますよね。
すぐにペラペラ話せるようにはなるのは難しいですが、確実に自分のスキルとしてものになるまでは「英語を話せる自分」に自信を持とうとするのではなく、「コミュニケーションを取りたいと思っている自分」に自信を持つようにしてはいかがでしょうか。
「上手に話せなかった…恥ずかしい…」という過去の失敗で、身動きが取れなくなってしまってはもったいない。
あなたはとてもいい経験ができましたね、これから英語の勉強を頑張ってください。
北海道出身。心身ともに健康だけが取り柄の、元社蓄のしがない主婦。洗濯洗剤はジェルボール派。AMにて『命に過ぎたる愛なし』を連載中。
連載:命に過ぎたる愛なし
初のエッセイ本『ものすごい愛のものすごい愛し方、ものすごい愛され方』好評発売中。
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北海道生まれの関東在住。文字とイラストを描きます。好きな食べものは梨。
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