【学窓総研】恋をしたらなんで聴きたくなるの? 大学生世代に西野カナとYUIのCHE.R.RYが支持される理由 3ページ目
西野カナさんの場合、2008年のメジャーデビューから現在まで発売されたシングルA面28曲の歌詞で、とにかく「好き」(78回)が登場します。「好き」じゃないほうが珍しいくらい。「好き」「LOVE」(35回)「恋」(21回)「愛」(15回)何れも歌詞に含まれないのは「Style.」「君に会いたくなるから」「if」「君って」のみ。さすが恋愛ソングの女王です。ここに、西野カナさん自体が「恋愛ソングの女王」として支持される理由があると思います。
西野カナさんの歌詞はどれも恋愛に関する話題を扱っており、それに関する単語が頻出します。それが、「会う」(31回)・「聞く」(21回)・「笑う」(21回)・「優しい」(16回)・「想う」(15回)「運命」(14回)・「幸せ」(13回)・「Oh」(129回)です。何度も恋愛の歌詞をリリースすることで、「西野カナさん」=「恋愛ソングを歌う人」というイメージが聞く人の心に刷り込まれ、やがて存在そのものが「恋愛ソング」というブランドを背負うことになったわけです。だから、大学生に恋をしたら聴きたくなる曲を聞いて、名前で指名されるわけですね。
ブランドは一長一短に築けるものではなく、長い時間をかけ接するものの心に「そういうものだ」と浸み込まれたシンボルのようなものです。それをやり遂げた西野カナさんはすごいですよね。
■まとめ
いかがでしたか? 大学生が、恋をしたときに聴きたくなる曲。すぐに思い浮かぶのは西野カナさんという誰もが認知するブランドか、CHE.R.RYという歌い継がれる名曲であることがわかりました。
大学生から恋愛ソングのシンボルとして認知される西野カナさんもすごいし、世代を超えて共感される歌を歌えるYUIさんもすごい。2人のアーティストがどれだけ大学生の恋愛に影響を与えているのか、驚きを隠しきれない分析結果となったのでした。
文・松本健太郎
株式会社ロックオン開発部エンジニア 兼任 マーケティングメトリクス研究所所長。 あらゆるデータを計測し、予測することが生業。サイト上(http://mm-lab.jp/)で、マーケティング、人工知能、野球、競馬、音楽、政治など、様々な日常シーンをデータの観点で分析する事例を公開中。