【学窓総研】恋をしたらなんで聴きたくなるの? 大学生世代に西野カナとYUIのCHE.R.RYが支持される理由 2ページ目
まず「CHE.R.RY」の歌詞を分析してみました。頻出単語を見てみると、上位に「メッセージ」「恋」「送る」「指先」という単語が登場することがわかりました。「CHE.R.RY」は、メールで告白するドキドキ感が歌詞から伝わり、とても共感できますよね。それを表す言葉が「メッセージ」「送る」「指先」という頻出単語として登場しています。今で言うなら、LINEでメッセージを送って既読がつくまでのソワソワ感と同じかもしれません。だから、今の大学生からも支持を得られたのではないでしょうか。時代を超えても愛される歌には「共感」というヒントが隠されているのかもしれません。
さらに、2005年のメジャーデビューからの7年間に発売されたシングルA面21曲の歌詞をわせて分析してみました。YUIさんの歌詞で特徴的なのは「生きる」(登場回数20回)「夜」「場所」(13回)といった単語が多く出る一方で、「好き」(3回)が少ないことです。また自分自身のことを「私」(0回)と呼ばず「あたし/アタシ」(18回)と呼ぶのも特徴的で、YUIさんはロック性の高い歌詞を歌っていることがわかります。そんな中で「CHE.R.RY」だけは他歌詞と比べて「恋」という歌詞が多く登場します。いつもピンとした女性の、たまに見える可愛らしさ……でしょうか。
以下の図は、YUIさんの歌詞を「KH Coder」の対応分析で分析してみた結果です。いくつかの歌詞群の中でも「CHE.R.RY」が離れていることがわかりますよね。(「SUMMERSONG」もですね)
歌い手の上手さ、歌詞への共感、メロディの耳馴染み、この3つが揃ってこそ歌は大ヒットすると思います。YUIさんの曲はこの3つが全て揃っていて、その中でも「CHE.R.RY」は世代を越えて共感を呼び、今なお愛されているということかもしれません。