空中に文字を表示する技術がある! その最先端技術「3Dディスプレー」とは? 2ページ目
木村CEO この3Dディスプレー装置は浜松ホトニクス株式会社さんのデバイスを利用して製作されています。この浜ホトさんは日本の「ブラウン管の父」と呼ばれる 高柳健次郎博士の教え子であった堀内平八郎さんが創業した会社なのです。
ご存じかと思いますが、世界で初めての電子式ブラウン管は高柳博士の研究室が開発したのです。この世界初のブラウン管に表示されたのが片仮名の「イ」という文字だったのです。ですので、この歴史に敬意を表して3Dディスプレーでも「イ」を表示してみたのです。
――なるほど、日本の技術開発へのリスペクトだったのですね。
■自然災害が起こった際に役立てたい!
――そもそもこの技術を開発しようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?
木村CEO 「東日本大震災」がきっかけです。あの地震の際、現地でインフラが途絶したでしょう。そのときに、みんなに同時に情報を伝達する手段は何かないのかと考えました。例えば、空中に情報が表示できたら、と思ったのです。
避難経路の「⇒」のような図形が空中に出せたら、みんなが同時に見えますよね。あの地震に遭われた方のお話を伺うと、電気が切れ真っ暗になると「避難しろ」と言われてもどっちが山方向なのか、その避難経路も分からなかったそうです。
――なるほど。そんなときに非常電源で稼働するこのような装置があれば……。
木村CEO 災害時に大変役に立つと思います。大きな表示ができれば、遠くにいる人も見えますので。
――それはいいアイディアですね!
木村CEO 「なぜ日本はもっとこれを推進しないんだ、お前の国は災害が多いのに」なんて海外の人に言われますよ(苦笑)。
■大型化を目指して!
――では大型化が当面の目標でしょうか。
木村CEO そうですね。オプティクス(レンズ、ミラーなど)の部分で工夫が必要になると思いますが、大型化はそれほど難しくはないと思っています。
――どれぐらいのものを表示するのが目標でしょうか。
木村CEO まず、縦・横・高さ10メートルほどのものを描画できるようにしたいですね。それを例えばスーパーの屋上などに設置して(視認性などの)実験を行いたいですね。
――ありがとうございました。
いかがでしたか? まるでSF映画に登場するような技術ですが、今まさにそれが現実になっているのです。この技術を利用した「災害時の告知装置」ができたら素晴らしいことだと思いませんか?
⇒『株式会社バートン』の公式サイトhttp://burton-jp.com/jp/
⇒『浜松ホトニクス株式会社』http://www.hamamatsu.com/
(高橋モータース@dcp)