リベンジポルノとは? どんな罪になる? 弁護士に聞いた

学生の窓口編集部MI
2018/02/07
法律
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リベンジポルノとは? どんな罪になるの?

仕返し・復讐(ふくしゅう)などを目的に、元交際相手や元配偶者のプライベートでの性的な画像・動画をネット上に公開することが問題となっています。いわゆる「リベンジポルノ」というやつです。今回は、リベンジポルノについて弁護士さんに取材しました。

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アディーレ法律事務所の篠田弁護士にお話を伺いました。

リベンジポルノは増加傾向……「リベンジポルノ防止法」とは?

――リベンジポルノの被害は増えているのでしょうか?

篠田先生 そもそも「リベンジポルノ」とは、付き合っていた異性の性的な画像などを、復讐目的でインターネット上に流出・拡散させる行為のことをいいます。交際中に撮影した「裸の写真」を、別れた腹いせにネットの掲示板にアップする行為などが典型例です。

日本では、三鷹市で女子高生がストーカーに殺害された事件で、卑劣なリベンジポルノが行われたことから、平成26年11月に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(以下「リベンジポルノ防止法」といいます)が施行され、リベンジポルノを処罰することになりました。

――リベジポルノ専門の法律があるのですね。

篠田先生 リベンジポルノ自体の統計がまだあるわけではありませんが、リベンジポルノは一般的に増加傾向にあるといわれています。その証拠に、リベンジポルノ法が施行された後も、リベンジポルノで逮捕される事案が後を絶ちません。

――それほど多いのですね。

篠田先生 リベンジポルノ防止法が施行される前も、リベンジポルノは処罰不能ではなく、サイバー犯罪としての「わいせつ物頒布等の罪」として処罰が可能でした(刑法175条1項)。

このサイバー犯罪としての「わいせつ物頒布等の罪」の検挙件数は、平成20年にはわずか177件だったものが、 平成24年には929件(昨年、平成26年は840件)にまで増加するなど(警察庁統計)、増加の一途をたどっています。この数字を見る限り、全てがリベンジポルノとは判断できませんが、リベンジポルノが増加傾向にあることが予想されます。

「リベンジポルノ防止法」では、リベンジポルノはどんな罪になる?

――「リベンジポルノ」はどのような罪に該当するのでしょうか?

篠田先生 リベンジポルノを行うと「リベンジポルノ防止法違反」として犯罪になります。

――リベンジポルノを取り締まる法律があるのですね。

篠田先生 リベンジポルノ防止法では、「誰の写真なのか」が特定し得る方法で、性的な写真や画像を公表する等の行為につき、最大で3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すとしています。

ただ、リベンジポルノ防止法が制定される以前でも、リベンジポルノが犯罪に該当する可能性は十分にありました。18歳未満の裸の写真等をネット上に拡散する行為は「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」となりますし、大人の場合でも、「わいせつ物頒布等の罪」として処罰が可能でした。

その他にも、名誉を毀損(きそん)する意味で「名誉毀損罪」、「写真をばらまくぞ」と脅す行為は「脅迫罪」等の犯罪が成立します。

――法律ができたから取り締まれるようになったわけではないのですね。

篠田先生 要は、これまでもリベンジポルノは処罰可能だったけれど、あらためて「リベンジポルノ」というものを法律で規定し、「処罰する」と明確化することによって、リベンジポルノ犯罪の抑止効果を狙っているのです。

――なるほど。抑止効果を狙っていると。

篠田先生 リベンジポルノ防止法で規制される「性的画像等」は、性交行為や性交類似行為、性的な行為、全裸・半裸の写真の画像等がこれに当たります。なお一般に公表される前提となっているAVやグラビア写真は除外されます。

――量刑はどのように規定されているのでしょうか。

篠田先生 「公表罪」「提供罪」についての量刑がありまして、

●リベンジポルノ防止法が規制する性的画像等を公表した場合には、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金(公表罪)」

●公表目的で画像を他人に提供した場合には、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金(提供罪)」

が科せられます。

リベジポルノの判例! 有罪判決が多いが……

リベンジポルノの判例

リベジポルノの判例! 有罪判決が多いが……

――「リベンジポルノ」について具体的な判例を教えてください。

篠田先生 リベンジポルノ防止法施行後、初めて逮捕されたのは福島県の33歳の男性です。この男性は、郡山市内のショッピングセンターの駐車場に、元交際相手の女性の「裸の写真」や「一部衣服を着けていない姿の写真」計約130枚を、4回にわたってばらまきました。

――ひどいですね。

篠田先生 この男性には「懲役1年6カ月、執行猶予3年」の有罪判決が下されています(福島地方裁判所郡山支部平成27年5月25日判決)。

――他にはどんな例があるでしょうか。

篠田先生 元交際相手の顔を撮影した画像データや氏名等を記載している「合格通知書」と題した画像データ等と共に、顔や陰部・性的行為を撮影した画像データを、アメリカ合衆国内に設置されたサーバーコンピューターを経由してネット上に公表した例があります。

この行為で、脅迫罪等と併せて「懲役2年6カ月、4年間の保護観察付き執行猶予」の有罪判決が下されています(横浜地方裁判所平成27年6月12日判決)。

また、被害女性の交際相手に成りすまし、女性の顔や胸等が撮影された画像データをインターネットの短文投稿サイトに投稿し、不特定多数が閲覧できる状態にしたケースもあります。

これは、交際相手の女性が別の男性と交際したことへの嫉妬による身勝手な犯行であり、被告人の刑事責任は重いとされましたが、犯行を認めて謝罪するなどの有利な事情を考慮し、名誉棄損罪等と併せて、懲役2年、執行猶予3年の刑が言い渡されています(札幌地方裁判所平成27年7月15日判決)。

――いずれも手が込んだものですね。

篠田先生 このように、リベンジポルノ防止法違反の事例については、有罪判決は下されているものの、執行猶予が付与されることも多く、実刑まで至らないことも少なくありません。被害者からすれば、刑が軽すぎると言わざるを得ないと思われます。ですから、まずは被害に遭わないことが大事と言えるでしょう。

リベンジポルノの被害に遭ったら!? その対処法は?

――もしリベンジポルノの被害に遭ったら、どのような対応をすべきでしょうか。

篠田先生 被害に遭われた場合は、まず、警察と弁護士に相談をしてください。そして、画像等をネット上に投稿された場合には、今後の被害拡大の恐れもあるため、何よりもまずその投稿を削除してもらうことが先決です。

リベンジポルノ防止法施行前は、プロバイダー等を通じての画像の削除には、最低7日間かかる法制度でしたが、リベンジポルノ防止法施行後は、「最低でも2日間」で削除される定めとなっています。

――そこは早くなったのですね。

篠田先生 権利侵害が明らかである旨の説明をしっかりできれば、「即時削除」してもらうことも可能です。早急な削除要求を行うためにも弁護士の助力を得ることをお勧めします。

そもそも、被害に遭わないために事前防止策も重要です。お付き合いしている関係であれば、「裸の写真撮らせて」「エッチな写真送って」などと言われることもあるかもしれません。

しかし、大事に思っている相手であるからこそ、「裸の写真」などを提供するのは絶対に避けましょう。リベンジポルノの多くは、交際中はいい人だったのに、いざ別れた後に人格が豹変(ひょうへん)した、というケースのようです。

あなたのことを大事に思っている相手であれば、断ってもきっと分かってくれるはずです。当然、見ず知らずの人や、知り合って間もない相手に裸の画像を提供することも厳禁ですね。一目ぼれで恋愛に火が付いたというケースも気を付けましょう。

お互いを大事に思うのであれば、自分が被害に遭わないためにも、相手を犯罪者にしないためにも、「性的画像は提供しない」ことを二人のルールとすべきかもしれませんね。

――ありがとうございました。

⇒『アディーレ法律事務所』公式サイト

http://www.adire-isharyou.jp/

(高橋モータース@dcp)

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