企業型確定拠出年金とつみたてNISAの併用はできる? 注意点を解説

更新:2023/09/06

税金・年金

企業型確定拠出年金とは、企業が掛金を拠出し、従業員個人が運用するという形の私的年金制度です。将来に対する蓄えとして、この企業型確定拠出年金だけでは心もとない場合、つみたてNISAを併用する方法があります。
(監修協力:野原 亮)

企業型確定拠出年金とつみたてNISAの併用

企業型確定拠出年金とつみたてNISAは併用できる

「NISA」とは少額投資非課税制度のことで、2018年1月から「つみたてNISA」という制度が追加となり、従来の一般NISAとどちらかを選んで加入できるようになりました。もちろん、いずれも運用で得た利益は非課税になるという税制優遇制度の対象になります。

つみたてNISAと一般NISAの併用はできませんが、企業型確定拠出年金とつみたてNISAの併用に制限はありません。

企業型確定拠出年金とつみたてNISAを併用するにあたって、特別な書類は必要ありません。通常通り、つみたてNISAの口座を選び、投資できる金額と商品を選びましょう。

つみたてNISAの運用商品は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託やETF(上場投資信託)が対象となっていて、基本的に「長期運用を前提に、分散投資されていて、安定した運用である」という部分が重視されています。そのため、投資初心者でも比較的安心して投資を始められるでしょう。

併用する際の注意点

企業型確定拠出年金とつみたてNISAは併用できることに加えて、税制面でも優遇が期待できます。
企業型確定拠出年金の会社拠出部分のコスト削減効果は大きく、マッチング拠出により自分で拠出した掛金分は全額が所得控除の対象となりますし、つみたてNISAで出た運用益については非課税です。しかし、だからといって生活費を削るほどの掛金の拠出は避けましょう。

企業型確定拠出年金のマッチング拠出や、つみたてNISAの投資額を設定するときは、まず毎月のキャッシュフローに関して、クレジットカードの分割払いなども含めてシミュレーションをしてみましょう。
つみたてNISAは定期的なつみたて投資が基本になりますが、年2回までのボーナス時のみの支払い方法も可能です。

また、企業型確定拠出年金もつみたてNISAも、月額や年間の投資上限額が決まっています。つみたてNISAは途中で引き出しもできますが、企業型確定拠出年金は原則として60歳になるまで自由な引き出しができません。

併用する際には、この点も考慮してつみたてNISAと企業型確定拠出年金にどんな配分で拠出・投資するのかよく検討しましょう。

まとめ

企業型確定拠出年金とつみたてNISAには同時加入に制限がありませんので、通常通りつみたてNISAに加入の申し込みを行えば両者を併用できます。ただし、掛金が生活費を圧迫したりすることがないよう、十分注意しましょう。

(学生の窓口編集部)

監修協力:野原 亮(のはら りょう)
確定拠出年金創造機構 代表。証券営業、株式ディーラー、営業マーケティング会社を経てFPとして独立。中小企業の確定拠出年金を中心とした福利厚生の社外担当として活動。上場企業等の金融研修なども担当している。
https://fpsdn.net/fp/rnohara/

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