個人型確定拠出年金iDeCoを使って上手に節税! 実際の効果は?

2020/08/27

税金・年金

iDeCoのメリットの一つに節税効果がありますが、実際にどれくらい節税効果があるのか詳しく解説します。
年金だけでは老後の生活が心配という方も多いことでしょう。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、毎月積み立てたお金を運用し、60歳以降になると一時金または年金として受け取ることができる制度で、老後資金を計画的に準備することができます。
(監修協力:冨士野 喜子)

個人型確定拠出年金iDeCoの節税効果 実際のところ

iDeCoの節税効果について

iDeCoには積立時・運用時・受取時に3つの節税効果があります。

積み立てている掛金は全額所得控除となるため、課税対象となる所得金額が少なくなり、その分所得税や住民税も軽減されます。自営業者の場合は確定申告で、会社員の場合は年末調整で所得控除の手続きを行います。

iDeCoは自分で金融商品を選択し、運用を行うもの。通常は利益に対して約20%の税金が徴収されますが、預金利息や投資信託で得た利益は非課税となり、手取り金額が多くなる効果が期待できます。

そうして、積み立て、運用したお金は、受取時に数百万円を超える可能性がありますが、一時金受取りの場合は退職所得控除を、年金受取りの場合は公的年金控除を利用することができるため、ケースによっては税金がかからないこともあります。

実際の節税効果を探る

それでは、実際にどのくらいの節税効果があるのでしょうか。

節税効果は加入者の職業や掛金によって異なりますが、例えば公務員で年収が500万円、毎月の掛金が1万2,000円の場合は、所得税と住民税を合わせた節税効果は1年で2万8,800円、20年で57万6,000円になります。
ただし、扶養家族がいる、住宅ローン控除を受けている、などの所得控除や税額控除がある場合は、節税額が少なくなってしまうことがあるので注意が必要です。

運用時は通常の金融商品なら税金として引かれる金額分も投資に回すことができるため、例えば、年間1万円を年率3%で20年間運用した場合、税金が引かれたケースと比較すると、受取額は約27万円アップします。

受取時は他の退職金と合わせて、退職所得控除の金額までは非課税となります。
退職所得控除の金額は、勤務年数(
iDeCoの場合は、拠出期間の年数)によって異なり、勤務年数が20年以下の場合は「40万円×年数」、20年超の場合は「800万円+70万円×(勤務年数-20年)」までとなっています。
例えば、勤務年数が
30年の場合、退職金とiDeCoの一時金は合計1500万円までは税金がかかりません。

  iDeCoの資金を年金として受け取る場合は、公的年金と合算して65歳未満は60万円、65歳以降は110万円までは課税されません(令和2年以降分。公的年金等の雑所得以外の合計所得が1,000万円以下の場合)。
iDeCoに加入することで、いくら節税効果が得られるかは加入者の持つ条件によって異なります。基本的には所得税の税率が高いほど節税効果も高くなるといわれています。

まとめ

iDeCoは将来年金だけでは生活が不安という方のために、毎月積み立てをしながら資産を運用し、60歳以降にまとまった金額を受けとることができる制度です。

掛金は全額所得控除となり、運用利益も非課税対象となり、さらに、受取時は一定額まで非課税対象となるため、税制優遇措置によりお得に将来の老後資金を貯めることが可能です。
各金融機関では加入前に節税効果のシミュレーションなどができるため、加入を検討している方は一度参考にしてみるといいでしょう。

(学生の窓口編集部)

監修協力:冨士野 喜子(ふじの よしこ)
ファイナンシャルプランナー。お金に関する相談実績1000件以上。 大学卒業後、教育出版会社、保険会社勤務を経て独立。個人のマネー相談以外にも、講演、ラジオなどで「楽しく、分かりやすく」情報発信中。 プライベートでは3児の母。
https://peraichi.com/landing_pages/view/money-okayama

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