退職・転職したら企業型確定拠出年金の移行手続きは必須! 忘れずに済ませておきましょう。

2020/08/28

税金・年金

企業型確定拠出年金とは、掛金を企業が拠出してくれる私的年金制度です。しかし、企業が拠出してくれるという性質上、その企業を転職や退職した場合には移換手続きをしなくてはなりません。詳しく見ていきましょう。
(監修協力:野原 亮)

退職・転職した後に必要な企業型確定拠出年金の手続き

転職・退職する際は移換手続きが必要

企業型確定拠出年金に加入していたものの、その企業を転職・退職する場合には「移換手続き」が必要です。
これは、それまで勤めてきた企業の企業型確定拠出年金で積み立ててきた資産を、別の企業の企業型確定拠出年金または個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)に移動するものです。

企業型と個人型のどちらに移換するかは、表のように転職・退職後にどのような職業に就くか、あるいは専業主婦(主夫)や学生などになるかによって異なります。

転職・退職 確定拠出年金 移行手続き

上記のように、「別の企業に就職する」かつ「転職先の企業に企業型確定拠出年金の制度がある」という場合のみ、企業型確定拠出年金から企業型確定拠出年金への移換手続きが行えます。
別の企業に就職する場合でも、転職先に企業型確定拠出年金制度がない場合は個人型確定拠出年金への移換手続きとなります。

移換せずに放置した場合について

企業型確定拠出年金から別の企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金へ移換する場合、手続きの期間は6ヶ月以内と決まっています。もし、6ヶ月以内に移換するのを忘れて放置してしまうと、国民年金基金連合会の「仮預り口座」に自動的に移換されてしまいます。

そうなると、移換や口座の保管のための余計な手数料が発生してしまうだけでなく、これまで積み立ててきた年金資産の運用もストップしてしまいます。さらにその期間は受け取り時に条件を満たす必要のある「通算加入者等期間」にカウントされないため、年金の受け取り時期が遅れてしまう可能性もあります。必ず期間内に移換手続きを行いましょう。

脱退を望む場合はどうすればよいか

個人型確定拠出年金であれば加入は完全に任意ですが、企業型確定拠出年金の場合、企業が全社員に加入を義務付けることもあります。この場合だと、中には加入したくないと思う人もいることでしょう。例えば、勤め始めた後で企業が確定拠出年金を導入することになり、会社の制度ということで加入することになったものの、やっぱり辞めたい、というような場合です。

しかし、企業型確定拠出年金から60歳前に脱退したいという場合は、以下の3つの要件をすべて満たさなくてはなりません。

  • 個人別管理資産が15,000円以下である
  • 企業型確定拠出年金の加入者資格喪失日から6ヶ月以内である
  • その企業で企業型確定拠出年金の加入者として積立ても、運用指図も行っていない

つまり、脱退できるケースは非常に稀であり、自己都合での脱退は原則できないということになります。しかし、確定拠出年金自体は「会社が倒産しても会社の資産とは分離しているため、一般的な退職一時金などのように減額されたり、なくなったりする心配がない」「運用益が非課税である」など、メリットも大きいのです。

簡潔に言うと、失う心配がない上に、いくら増えても利益に対して非課税なので、お金を差し引かれることもなく、一般的な資産運用と比べてお金を貯めやすいと言えます。
ですから、特別な事情がない限りは無理に脱退しようとせず、そのまま別の企業型または個人型の確定拠出年金に移換してそのまま運用を続け、将来に備えることをおすすめします。

まとめ

企業型確定拠出年金は、その性質上、転職・退職した場合には移換手続きが必要です。手続きには期限がありますので、6ヶ月以内に行いましょう。また、脱退するよりも継続して運用し、将来のために備えることをおすすめします。

(学生の窓口編集部)

監修協力:野原 亮(のはら りょう)
確定拠出年金創造機構 代表。証券営業、株式ディーラー、営業マーケティング会社を経てFPとして独立。中小企業の確定拠出年金を中心とした福利厚生の社外担当として活動。上場企業等の金融研修なども担当している。
https://fpsdn.net/fp/rnohara/

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