「年金手帳」がない！ 年金手帳を再発行する方法とは？

そもそも、年金手帳とは

国民年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方が加入する年金で、「年金手帳」とは、国民年金に加入したときに交付されるものになります。つまり、20歳を迎えた日本国民は、「国民年金の加入」と「年金手帳の取得」が義務づけられているわけです。

具体的にいうと、20歳の誕生月の前月又は当月上旬に「国民年金被保険者関係届書」という書類が自宅に届きます。書類が届いたら必要事項を記入して、お住まいの市（区）役所または町村役場、もしくはお近くの年金事務所に提出してください。無事に手続きが完了すれば「年金手帳」が発行されます。

また、国民年金に記載されている「基礎年金番号」は変わるものではありません。年金の手続きを行う際には、一人ひとりに与えられる「基礎年金番号」を用いることになります。

注意しなければいけないのが、企業に入社する際に「年金手帳」の提出が求められる点です。就職すると、「国民年金」から「厚生年金」に切り替えなければいけません。「厚生年金」とは、「国民年金」に上乗せされる年金のことで、会社員や公務員になると「厚生年金」の保険料が給料から天引きされることになります。しかし「厚生年金」の加入者は、将来その分だけ多くの年金を受け取ることができます。

年金手帳の再発行について

会社に「年金手帳」を提出する際に「見当たらない」「なくした」「どこかにあるけどわからない」と、困ってしまう人も多いのではないでしょうか？ どうしても「年金手帳」が見つからない場合は、再発行をしなければいけません。年金手帳の再交付は、年金事務所で行っておりますので、お近くの年金事務所に申し出てください。手続き方法には、電子申請、郵送、窓口持参があり、年金手帳を汚したり破損したりした場合は、申請書に年金手帳を添付する必要があります。また、年金手帳の再交付は原則郵送となっています。年金事務所の窓口での交付を希望する場合は、緊急性が高く、本人※、もしくは社会保険労務士、法定代理人、事業主等一部の者に限り行うことができます。

※申請者がご本人であることが確認できる運転免許証などの身分証明等を持参された場合に限る
他にも、学生においては、在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」も設けられているので、ご自身の「年金手帳」が見つからないときは、まず実家のご両親に確認してみましょう。

年金手帳がないとできないこと

基礎年金番号が記載された「年金手帳」がないと、以下のことなどができなくなります。

・退職時の届出
・転入・転出時の届出
・氏名変更
・年金の裁定請求

さらに、Web上で年金の情報を手軽に確認できる「ねんきんネット」も利用不可となるケースが考えられます。いずれにせよ「年金手帳」は入社時以外にも必要となるものです。「年金手帳」の提出をすぐに求められていない方も、手元にないのであればきちんと用意しておくと安心でしょう。

まとめ

入社時には、必ずと言っていいほど「年金手帳」の提出を求められます。実家のご両親にも協力してもらい、まずは「年金手帳」の有無を確認しましょう。もし「年金手帳」がないとわかったときは、速やかに再発行の手続きを行ってください。
他にも何か不明な点があれば、お近くの年金事務所等でご相談ください。個人情報になりますので、メールや電話では教えてもらえません。直接お伺いする必要があるので注意しましょう。

・執筆：石川 広樹（いしかわ ひろき）
1989年生まれ、埼玉県出身。名古屋学芸大学 管理栄養学部 管理栄養学科 卒業。管理栄養士として病院・有料老人ホームの現場を経験してから、司書への転身をはかる。司書資格を取得後に、公立図書館・新聞社の調査資料チームへ。2015年10月1日からは、フリーランスのライターとして活動開始。「暮らし」をテーマにしたコラムを得意としており、AI（人工知能）にも興味あり。