「お気遣いありがとうございます」とは、「あれこれと気を使ってもらい、ありがとうございます」という意味です。本来であれば「お気遣いをありがとうございます」もしくは「お気遣いいただき、ありがとうございます」と言うべきところ、「を」や「いただき」を省略して短く「お気遣いありがとうございます」が一般的によく使われています。
今回はビジネスシーンでよく使われる「お気遣いありがとうございます」の使い方や「お心遣い」との使い分け、シーン別例文について解説します。言い換え表現や英語表現もご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
▼目次
1.「お気遣いありがとうございます」の使い方
2.「お気遣い」と「お心遣い」を使い分けよう
3.シーン別「お気遣いありがとうございます」の例文
4.「お気遣いありがとうございます」の言い換え表現
5.「お気遣いありがとうございます」の英語表現
6.まとめ
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例えば、あなたがケガや病気で入院したときを思い浮かべてください。あなたのことを気にかけて、お見舞いの言葉やメールを下さる人がいるかもしれません。このように「色々気を使っていただいたな」と思った時に感謝の気持ちとして「お気遣いありがとうございます」を使います。
「お気遣いありがとうございます」は、上司など目上の人に対して多く使われる言葉です。そもそも「気遣い」には次のような意味があります。
【気遣いの意味】
1.いろいろと気をつかう(心配する)こと。
2.(悪くなる)おそれ。「例:失敗する気遣いはない」
このうち今回のケースでは1の「気をつかう(心配する)」の意味で用いられています。この「気遣い」に尊敬を表す接頭語「お」が付いた形です。さらに、ありがとう「ございます」と丁寧語になっているため、目上の人に使うことができます。
さらに丁寧な表現にしたいときは、冒頭でご紹介したとおり、
「お気遣いをありがとうございます」
「お気遣いいただき、ありがとうございます」
など、「を」「いただき」を加えた形にすると良いです。特に「お気遣いいただき」といった具合に「いただき」を付けると非常に丁寧な印象を与えることができます。
上記のように、よりきちんとした表現をするかどうかは、相手の立場や自分との距離感で判断することになります。「を」「いただき」をつけるとやや堅いイメージとなる反面、丁寧さが増すことになります。一方、これらをつけなければこなれた印象や、いくぶんやわらかい印象になります。
「お気遣いありがとうございます」は、場合によっては嫌味に聞こえてしまうこともあるようです。せっかくの感謝の気持ちを嫌味と勘違いされないために、次のことに気をつけましょう。
●同僚など親しい間柄ならカジュアルに
一番気をつけたいのが、同僚や同級生など親しい間柄だった時。「お気遣いありがとうございます」では丁寧すぎるため、逆に距離を感じて「嫌味?」と感じてしまいがち。「お気遣いありがとう」と短くしてカジュアルにするか、あるいは「心配してくれてありがとう」などもベター。
特にLINEなど文面になると相手の顔が見えませんので、「お気遣いありがとう、また今度話そう!」といった具合に一言つけ加えるだけでかなり印象は違います。また上司から部下に対して使う場合も同様の考え方です。
●言い方に気を付ける
会話として直接話す場合は、感謝の気持ちを言葉にこめるようにすれば、かなり勘違いはなくなるはず。同じ言葉でも言い方によって、与える印象は大きく変わってきます。例えば少しでも高圧的なトーンだったりすると「嫌味かな?」と相手に取られても不思議ではありません。
「お気遣い」と似た言葉に「お心遣い」がありますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。先ほど「気遣い」の意味をお伝えしたので、今度は「心遣い」の意味を見てみましょう。
【心遣いの意味】
1.相手のためになるように、あたたかい気持ちで考えること
2.祝儀。心付け。
つまり、気遣いの方が「気をつかう」だとするなら、心遣いの方は「心をつかう」というイメージ。「一歩深く、相手のことを考える」といった、より重い意味合いを持っているのです。
そして特に注目なのが、上記2に「祝儀・心付け」とあること。お祝いのほかお見舞いなどでいただく金品のことを「お心遣い」と表現するということです。
先ほどの、あなたがケガや病気で入院したときの例をもう一度考えてみましょう。あなたのことを気にかけて、お見舞いの言葉やメールを下さった人に対しては、
「先日の入院の際には、お気遣いありがとうございました。」と「お気遣い」を使います。
一方、実際にお見舞いに来てくださったり、お花や金品を下さった人に対しては、
「先日の入院の際には、お心遣いありがとうございました。」と「お心遣い」を用いるのが適当です。
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ここからは、シーン別に「お気遣いありがとうございます」の例文をご紹介。いろいろなシーンで上手に使いこなせるようになりましょう!
1つ目は、体調不良について気にかけてもらった時です。これは先ほどの入院の例文と似たようなイメージですね。
「体調不良でご迷惑をおかけしてしまいましたが、いろいろとお気遣いありがとうございました。」
2つ目は、仕事が立て込んでいる時です。例えば残業で夜遅くなってしまい、上司からは心配とともにアドバイスをもらっていたとしましょう。
「昨日の件ではアドバイスまでいただいて、お気遣いありがとうございます。無事に締め切りに間に合わせることができました。」
残業真っ最中はバタバタしているかもしれませんので、上記のように翌朝に結果報告とともに挨拶しても良いかもしれません。
そして3つ目は訪問先のシーンです。訪問先ではお茶やコーヒー、お茶菓子などをいただくことも多いでしょう。そんな時はシンプルに、
「お気遣いありがとうございます。」
このようにさりげなく伝えられると好印象です。また、訪問先で飲み物などを用意していただくのが何だか申し訳ない、と思われる場合は次のように声かけをします。
「どうぞお気遣いなく。」
「どうかお気遣いなさらないでください。」
「お気遣いなくお願いします」
これらは外回りの仕事をされる方にはとても便利なフレーズなので、この機会に是非覚えておきましょう。ちなみに上記を「どうぞお心遣いなく」などと「心遣い」で言い換えるのはNG。「心遣い」の方は金品をいただいた時や、一歩深い行動に対して使われる言葉。混同しないようくれぐれもご注意くださいね。
「お気遣いありがとうございます」の言い換え表現を何点かご紹介しましょう。
●ご配慮ありがとうございます。
「配慮」も、あれこれと気をつかうことを指します。気遣いは「心配する」ニュアンスがあるのに対して、配慮は「気を配る」といったニュアンスが強くなります。「配慮」は比較的なじみ深い言葉なので、さまざまなシーンで使いやすいおすすめの言い回しです。
●ご高配ありがとうございます。
「高配(こうはい)」とは、相手が気を配って下さることを、尊敬を込めてあらわす言葉です。ビジネスメールや文書などで使用されることの多い言葉です。
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「お気遣いありがとうございます」の英語表現はいくつかありますが、代表的で覚えやすいものを1つご紹介します。
Thank you for your concern.
(お気遣いいただき、ありがとうございます。)
名詞としての“concern”には、気遣い・配慮・心配といった意味があります。シンプルなフレーズなので、丸ごと覚えておくと便利です。
ビジネスシーンでよく使う「お気遣いありがとうございます」とは、「あれこれと気を使ってもらい、ありがとうございます」という意味です。健康のことや仕事のことなど、何らかに対して気遣ってもらった時に、感謝の気持ちを自然に言葉にできるといいですね。単に「ありがとうございます」を使うよりも、デキる大人として印象UP間違いなしです。
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