「小生」という言葉を聞いたことがあるものの、どのような場面で使うのかや、日常生活で使っても平気か気になっている方もいるのではないでしょうか。
「小生」は「しょうせい」と呼び、男性のみが使える一人称です。
アニメ『鬼滅の刃』など時代物のアニメやマンガで目にすることが多い一人称である一方で、現代の日常生活やビジネスシーンではあまり使われることがありません。
そのため、使い方や場面を間違えてしまうと、相手に「やばい奴」と思われかねないため、意味をキチンと把握して適切に使えるようになりたいものですよね。
そこで今回は、「小生(しょうせい)」という言葉の意味や使いどころなどを網羅的に解説します。
小生(しょうせい)とは、男性が自分をへりくだって言うときの一人称です。
また、自分をへりくだって言う言葉といっても、目上の人に対して「小生は……」と使うのは誤用で、同格、もしくは目下の相手に対して使う言葉とされています。
小生に対応する「女性の一人称」というものはありません。
「小生(しょうせい)」は、手紙などの書面上で使うことが一般的とされています。
特に、ビジネスシーンで使う場合には注意が必要です。
現在ではあまり使われませんが、ビジネスシーンであえて使うときには、同僚や部下・後輩に対して使うのは問題ありません。
しかし、先輩や上司・取引相手など自分より目上の人に対して使うのは失礼に当たるとされることが多いようです。
また、年配の方の中には「目下の人にへりくだるのは不自然」「目上の人に小生(しょうせい)と言うのは失礼」という認識の方もいるということを覚えておかなければなりません。
「小生(しょうせい)」を日常生活やビジネスシーンで使用するかどうかは、相手の価値観や会社の風習に合わせるのが無難だと言えます。
「小生(しょうせい)」の意味や使い方を学んだところで、ビジネスシーンで「小生」を使う場合の例文をご紹介します。
「小生(しょうせい)」を使うシーンとして、以下の2つが挙げられます。
・親しい友人への近況報告
・同僚絵の業務連絡
それぞれについて詳しく見てみましょう。
上記の例文は、親しい友人への手紙あるいはメールを送る際に使う方法です。
親しい友人というのは、書き手にとって同じ立場であるため「小生(しょうせい)」を使って問題ないでしょう。
ただし、現在ではあまり使われないという点や若者同士では使用頻度が極端に少ないことを考慮しないと受け取った相手から仰々しい・変な奴などと思われることがあるため、注意しましょう。
例文2つ目は、同僚や部下・後輩に送った業務連絡のメールを例にしています。
社内の連絡事項については「小生(しょうせい)」以外の言葉遣いについてもTPOをわきまえ適切な表現・言葉遣いにしましょう。
「小生(しょうせい)」に似ている一人称の言葉として、以下の4つの言葉があります。
それぞれについて、使い方や意味など詳しく見てみましょう。
「小職」は「しょうしょく」と読み、「小生(しょうせい)」と読み方も似ているため間違いやすい言葉だと言えます。
「小職(しょうしょく)」は、主に公務員などの官職に就いている方が、自分をへりくだって言う場合に使う一人称です。
「小生」と異なり、使う性別に男女は問いませんが、「職」の意味から民間企業に勤めている方が使ってしまうと誤用ですので注意しましょう。
「本官(ほんかん)」も公務員など官職に就いている方の使用に限定されます。
使う場面は「小職(しょうしょく)」と同様、官職の方が自分をへりくだる際に使う呼び方です。
また、「本官(ほんかん)」の類似語として「本職(ほんしょく)」という言い方もあります。
「下名(かめい)」は男女など性別や職業・立場などを問わず使用できる、自分をへりくだった一人称です。
「小生(しょうしょく)」よりも使える範囲が限定されないため誤用しにくいですが、今では一般的に使われることは少ないと言えます。
現代において日常的にもビジネスシーンでもよく使われるのが一人称「私(わたし/わたくし)」です。
「私(わたし/わたくし)」は女性だけでなく男性も使用できるだけでなく、文語なのか口語なのかも問わないため、ビジネスシーンでも使いやすい言葉でしょう。
ビジネスの場では「小生(しょうせい)」よりも「私(わたし/わたくし)」という一人称を使うほうが一般的です。
「小生(しょうせい)」は男性が自分を書面や文面などでへりくだる表現です。
女性が使うことが無いという点において、一般的には「小生(しょうせい)」の対義語も存在しないと言えます。
あえて「小生(しょうせい)」の対義語を示すのであれば、男性が使用する目上の人を敬う以下の言葉が挙げられるでしょう。
「小生(しょうせい)」をメールや書面・SNSなどで使う人をヤバい奴だとする意見がインターネット内で目立つようになりました。
「小生(しょうせい)」という呼称は誤りではありませんが、SNSや友人同士の会話など場面によっては「小生(しょうせい)」をあえて使うと、相手に悪印象や変なイメージを与えてしまうことがあるため注意が必要です。
また、「古くさい」「偉そうだ」「ばかにしているのではないか」などの印象を与えてしまう場合もあります。
したがって、「小生(しょうせい)」の使用を控え「私(わたし/ わたくし)」を使用したほうが一般的ですし、無難でしょう。
覚えておかなければならないのは、「小生(しょうせい)」が必ずしもやばい人というわけではなく、社風によっては良しとするケースがあるということです。
会社によっては「私(わたし/わたくし)」という表現がビジネスではふさわしくないと考え、「小生(しょうせい)」を使うように伝統的に指導していることもあるのだとか。
もし、勤務先や取引先で「小生(しょうせい)」を使用する方針が取られている場合は、風習に従ったほうが無難です。
「小生(しょうせい)」という言葉は年配の人が使うようなイメージがありますが、一般的には廃れつつある表現です。
会社で指導されているのでなければ、積極的に使用しないほうが無難でしょう。
しかし、大ヒットマンガが原作のアニメ『鬼滅の刃』などで登場キャラクターが一人称に「小生(しょうせい)」を使うこともあることから、自分も使ってみようと考える方もいるかもしれません。
使う場所や相手に注意しないと「やばい奴」と思われることあるため、適切な場面や相手に合わせながら使うことをオススメします。
(藤野晶@dcp)
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