社会人のノートは、学生時代のノートと大きく異なることがあります。学生のノートは先生が黒板などに書いた内容を書き写すことが目的の一つでした。しかし、社会人がそのようなノートを取ることはありません。会議でホワイトボードが使われることはありますが、必要な資料は基本的に配布されます。
社会人にとって、ノートを取ることは仕事ではありません。仕事をうまくこなすためにメモを取り、ノートにまとめるのです。仕事に活用できるノートを作るには、以下のような点を押さえておきましょう。
初めて任される仕事では、先輩や上司が手順を説明してくれます。指導してくれる人も1回でマスターできるとは思っていないので、しばらくは手順を飛ばしたり、ミスがあっても丁寧に教えてくれるでしょう。
しかし、先輩や上司も新人の仕事をずっと見ているわけにはいきません。彼らには彼らの仕事があるのです。自分がやるべき仕事については、手順を教わっている間にメモを取り、自分用のマニュアルを作るようにしましょう。
特に、日々繰り返し行う「ルーティンワーク」的な仕事については、手順の抜けがないように丁寧にマニュアル化しておくのがおすすめです。
社会人になって間もないうちは、出会うほとんどの人が先輩であり上司です。何げない日常会話の中でも、心に響く重要な言葉を聞く機会があります。そのようなことがあれば、すぐにメモしておきましょう。せっかくいい話を聞いたのに、時間がたって忘れてしまうのはもったいないですからね。
社会人になってすぐは、いろいろと失敗するものです。そんなときは自己嫌悪に陥るのではなく、メモを取るようにしましょう。どのような失敗をしたか、失敗が起きた状況、なぜそうなったのか、などをまとめます。最終的に「どうすればその失敗をしないで済むか」という結論を導き出すのが目標です。
予防策、解決策までまとめてあれば、今後同じようなミスをする可能性は小さくなりますし、再発してしまった場合もスムーズに対処できるでしょう。
会議や打ち合わせで、必要な資料は発表者が配布するのが一般的です。同じ内容をノートに書く必要はありませんが、日時、会議や打ち合わせのテーマ、参加者、発表者などは記録しておきましょう。
また、資料に書いていない補足説明、業務の指示なども記録しておくべきです。「言った、言わない」でトラブルが発生した場合、記録があれば証拠として役に立つでしょう。
ノートは後で何度も見返すものです。見返す頻度の高いページ・項目には付箋を貼ったり、重要な箇所にマーカーで色を付けたり、スタンプで目立つように工夫しましょう。こういったことができるのが紙のノートの利点です。
会議中のメモなど、人の話した内容を書き留めるにはA5判などの小さいノート、思い付いたアイデアを記録したり、膨らませたりするにはA4判のノートなど、使い分けをしましょう。持ち歩き用のノートは一般的な手帳を使ってもいいでしょう。
ただし、分けるといってもあまり数が多くなり過ぎるのもいけません。日々あったことを書き留めていくノート、重要なことをまとめるマニュアル的なノート、アイデアを書き留めておくノートなど、数冊程度に収めるようにしましょう。
自分の仕事の手順をまとめたマニュアルや、アイデアノートはこれから仕事をしていく上で財産になるものです。オフィスでのデスクワークの人でなくても、作業のマニュアルなどは役に立ちますので、ぜひノートを取る習慣を身に付けてみましょう。
(藤野晶@dcp)
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