プレゼンや研究発表などを行うと、最後に「ご清聴ありがとうございました」と言って終わることがよくありますよね。
ですが、「ご清聴」の意味を説明するとなると、答えられなくなる方もいるのではないでしょうか。
「ご清聴」は聞いてくれた方に対して尊敬を込めた決まり文句ですが、特に気を付けなければいけないのは同じ読み方をする「ご静聴」との混同です。
そこで今回は「ご清聴」の意味と使い方、「ご静聴」との違いについて解説します。
「ご清聴(せいちょう)」とは、自分の話を聞いてくれた聴衆への尊敬を込めた言葉です。
「ご清聴」の「清聴」を『広辞苑』で調べてみると以下のように説明されています。
清聴(せいちょう)
他人が自分の話などを聴いてくれることを敬っていう語。「御――を感謝します」
『広辞苑 第六版』P.1548より引用
「清聴」は「聞く」の尊敬語が由来で、聴衆の方々を敬って使われます。
したがって、「ご清聴ありがとうございました」は「自分の話を聞いてくださった皆さんの姿勢・態度に感謝いたします」という意味です。
一般的に「ご清聴」を単独で使うことは、めったにありません。
「ご清聴ありがとうございました」という形で、プレゼンや研究発表などといった自分の発表を聞いてくれたお礼かつ締めの言葉としてよく使われます。
「ご清聴」の他の言い回しが気になる方もいるでしょう。
「ご清聴」が持つ意味である「自分の話を聞いてくださった皆さんの姿勢・態度に感謝いたします」を考慮すると、「お聞きになる」という敬語表現を用いた「お聞きいただきありがとうございます」が挙げられます。
ちなみに漢字の読み違いで「静聴(せいちょう)」という言葉があります。
特に文字に起こされていないと、「清聴」なのか「静聴」なのか、使いどころがわからないということもあるかもしれません。
発音すると同じ「ごせいちょう」ですが、両者は意味が異なります。
「静聴」の意味について、もう少し詳しく見てみましょう。
「静聴」は「人の話を静かに聞くこと」という意味です。『広辞苑』によれば、
静聴(せいちょう)
しずかにきくこと。「御――願います」
『広辞苑 第六版』P.1548より引用
と書かれています。
「ご静聴願います」と言う場合は、話者でない方が聴衆を敬う表現が可能です。
また、「静聴」には「静聴に値する話をする」という使い方のように、話者を敬う気持ちも入っていることがわかります。
司会者が聴衆に対して「ご静聴をお願いいたします」と言う使い方が一般的です。
例えば、講演会などでメインの話者が登壇する前に使うことが考えられますね!
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