法事の服装マナーは? 失礼のない基本の身だしなみ

更新:2018/11/06

身だしなみ・ビジネスアイテム

●故人の友人・知人の場合

故人が身内ではなく、友人・知人といった関係の場合、遺族よりもさらに下の服装でもいいということになります。一周忌以降の年忌法要では略式礼服、あるいは目立たない服装であれば構いません。ブラックスーツ、ダークスーツを選びましょう。ワイシャツは白、ネクタイ、靴下、靴は黒のものを選べば間違いないでしょう。

女性の場合は黒、濃紺、グレーなどのスーツ、ワンピースを着用します。略礼服であればブラウスは白でも構わないのですが、黒、濃紺、グレーのものがあるならば、そちらの方が間違いないでしょう。

迷うのは施主(せしゅ)から「平服でお越しください」と言われた場合です。「平服でいい」と言われたからといって、カジュアルな服装で出掛けてはいけません。この場合でも法事には略礼服を着ていくのが無難です。

一般的に、友人・知人が法事に招かれるのは死後満2年のタイミングで行われる三回忌までで、それ以降も招かれることはまれだと言えます。七回忌以降にも招かれた場合、地味なものであれば平服でも構わないでしょう。

■法事は黒いビジネススーツではダメなのか?

あまりスーツに詳しくない人は「法事の服装は黒いスーツならなんでもいいのではないか」と考えてしまうかもしれません。結論からいうと、それは間違いです。

スーツとは、共布(ともぎれ)で作った上下一そろいの洋服です。礼服は「冠婚葬祭の際に着るスーツ」、喪服は「葬儀等で着る礼服」という関係にあります。礼服とビジネススーツでは着るシーンが異なり、生地も全く異なるのです。具体的には、礼服は光を反射しないように作られており、いつどこで見ても深い黒なのですが、普通の「黒スーツ」は光を反射するため、喪服を着た人の中に入るとグレーに見えてしまったりします。

自分ではよくわからなくても、見る人が見ればはっきりわかります。冠婚葬祭では、そうしたマナーが身に付いていないと恥をかくことがあります。礼服・喪服を着ていくべきシーンには、横着をせずにきちんとした服装で出掛けましょう。

法事の服装について解説しました。いくら親しい友人の法事で「平服でいいよ」と言われたとしても、法事は法事です。あまりカジュアルな格好で出席すると、悪目立ちしてしまって恥ずかしい思いをすることになります。法事という場にふさわしい服装で参加するのが、社会人として必要なマナーなのではないでしょうか。

(藤野晶@dcp)

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