進退伺とは? 意味と書き方を知ろう【例文付き】

2017/02/12

ビジネス用語

会社に勤務していると、大きなミスをしたときに「進退伺(しんたいうかがい)」という文書を提出しないといけないことがあります。社会人の常識として、進退伺がどのような文書なのか、またその書き方について知っておきましょう。

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■そもそも「進退伺」とは?

『大辞林』によると、進退伺とは「公務員や会社員などが、過失があったとき、責任を負って職を辞するか否かについて上役に指示を仰ぐこと。また、そのことを記した文書」となっています(『大辞林 第三版』P.1298より引用)。

つまり「会社を辞めないといけないかも?」といった大失敗をやらかした際に、上司に「私は会社を辞めた方がいいのでしょうか?」と指示を求めるのが「進退伺」です。上司に聞くこと自体が「進退伺」なのですね。そこから、そのような内容を記した文書もまた「進退伺」と呼ばれているというわけです。

普通、文書としての進退伺は職務上過失をしてそれが会社に重大なダメージとなった場合に提出します。それほど深刻な文書なのです。

■「進退伺」は「辞表」などと何が違う?

退職するかどうかの判断を仰ぐ文書なので、辞表・退職願・退職届と何が違うの? と思うかもしれませんね。辞表・退職願・退職届は全て「退職の意思を表明する文書」ですが、

●辞表・退職届
雇用契約を解除することを労働者から告知する文書
※辞表は一般的には役員などの役職を有する人が提出するものとされています。

●退職願
雇用契約の解除を労働者から依頼する文書

となっています。「辞表」と「退職届」は基本的には同じものですね。これらに対して、進退伺は、上記のとおり「退職した方がいいかの指示を仰ぐための文書」です。

重要なポイントは、進退伺には、
●提出者が過失に対する責任を認めている
という意味が込められていることです。ですから進退伺とは「過失に対する責任を認め会社の処分(退職か否か)に従います」というものなのです。また、重大な過失に対するものなので、進退伺と共に「始末書」を併せて提出するように求められることもあります。

ややこしいのですが、社員が重大な過失を犯したときには会社が「懲戒解雇」を選択することがあります。会社員のキャリアにとって懲戒解雇は致命的です。次の会社を探すときにも苦労するかもしれません。

退職届を提出して受理されれば懲戒解雇を避けることはできます。しかし、会社が退職届の受理を拒否すればそれもできません。進退伺は、懲戒解雇を避け、会社の穏便な処置を期待して提出するといったケースもあるのです。

また、自分の部下が重大な過失を犯した場合に、上司の監督責任ということで進退伺を提出しなければならないこともあります。このようなケースでは、過失を犯した部下の始末書・進退伺と共に、直属の上司も進退伺を提出することになります。

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