「羅生門」に「子連れ狼」。昔からけっこうあった日本の作品が原作の洋画たち

更新:2018/07/30

社会人ライフ

「羅生門」に「子連れ狼」。昔からけっこうあった日本の作品が原作の洋画たち

最近、日本のアニメや小説を原作とするハリウッド映画が増えています。その歴史をひもとけば、こうした日本の作品が原作となっている海外の映画は、昔からけっこうあるもので、中には日本の純文学を元ネタにした海外作品なんかもあったりします。今回は、そんな日本の小説や映画が原作、またはモチーフとなった洋画たちを紹介します。

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●『La Chiave』(ラ キアーヴェ)

1983年に製作されたイタリア・フランスの合作映画です。原作となっているのは谷崎潤一郎の長編小説『鍵』。嫉妬することで性的興奮を覚える男性が、それを目的に自分の妻を他の男に近づける......という官能的な内容ですが、作品の舞台がイタリアのベニスとなっており、イタリアらしい明るいおおらかに性を描いた作品になっています。

●『The Berlin Affair』

日本の長編小説『卍』が原作のイタリア・西ドイツ合作映画。『卍』は、先ほどの『La Chiave』と同じく谷崎潤一郎の作品です。原作は日本人女性同士の愛情を描いていますが、こちらはドイツ人女性と日本人女性になっています。

●『TRISTESSE ET BEAUTE』

川端康成の『美しさと哀しみと』を原作としたフランス映画。同性愛と復讐をテーマにした官能的な作品で、日本では1965年に映像化されています。その後、1985年にジョイ・フルーリー監督でフランス映画として製作されました。日本でも公開されたので見たことがある人もいるのではないでしょうか?

●『The Outrage』

1964年に製作されたアメリカ映画。邦題では『暴行』となっています。1950年に日本で公開された、黒澤明監督の『羅生門』を西部劇にアレンジしたもので、物語のキモとなる羅生門は鉄道のさびれた駅になっています。ちなみに、三船敏郎が演じた多襄丸に当たる役は、あのポール・ニューマンが演じています。

●『The Yellow Handkerchief』

タイトルのとおり、山田洋次監督の代表作『幸福の黄色いハンカチ』が原作のアメリカ映画です。アメリカでは2008年に、日本では2010年に公開されました。物語の大筋は大きく変わっていませんが、登場人物の背景設定などがアメリカナイズされています。ちなみに、原作にも出演した桃井かおりさんがモーテルの主人役で出演されていたりします。

●『Fist of the North Star』

英語の題でピンときた人もいるでしょう。「Fist of the North Star」、直訳すると北星の拳。そうです『北斗の拳』です。1995年に日米合作で製作され話題となりましたが、アレンジも演出も特撮もファンが納得するものでなく、残念作で終わってしまいました。

●『Road to Perdition』

日本でも大ヒットした『子連れ狼』をモチーフとした作品。妻と息子を殺された男が、生き残ったもう一人の息子とともに復讐を誓う、という子連れ狼そのままのストーリー。ハリウッド版の拝一刀は元マフィアの殺し屋となっており、復讐相手は仕えていたマフィアのボスの息子となっています。アカデミー賞6部門ノミネートと、高い評価を受ける作品です。ちなみに、「Road to Perdition」は直訳すると「地獄への道」。これは子連れ狼の「冥府魔道を行く父子」というキャッチコピーがモチーフとなっています。

他にも、『サイレントヒル』や『バイオハザード』など、ゲーム作品が原作の映画なども数多くあります。今年の6月には日本のライトノベル『All You Need Is Kill』を原作とした『Edge of Tomorrow』が公開されるなど、日本の作品への注目度は高いようです。

今後も、日本の作品を原作にした「名作」が多く作られるとうれしいですね。

(貫井康徳@dcp)

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