香水、入浴剤、シャンプー&コンディショナーや柔軟剤など、巷にあふれる「フローラルの香り」の商品。普段何気なく使っている人は多いと思いますが、そもそも「フローラル」とはどんな香りなのでしょうか? そこで今回は、フローラルの香りとはどんなものなのか、リサーチしてみました。
・「フローラルの香り」の意味
実は、フローラルとは「花のような」という意味で、「フローラルの香り」という言葉にハッキリとした定義はないようです。この香りが付いた商品は多数展開されており、それはバラだけの香りを感じさせるシングル系の香調であったり、複数の花を感じさせるブーケタイプであったりとさまざまなのです。
これらをざっくりとまとめると、フローラルの香りは、甘くて華やかなイメージのものが多いよう。香水でいうと、かんきつ系の香りも感じられる「フルーティーフローラル」や、重厚な甘さの「フローラル・スイート」などは、よく見かけるのではないでしょうか。
・企業が「フローラルの香り」を採用する理由
今回は、コスメ商品などを扱うクラシエホームプロダクツ株式会社に話を伺ってみました。同社でも、今年9月に新発売した、ヘアスタイリングブランド「プロスタイル」の高保湿フォーム剤3種で、それぞれ「フルーティーフローラルの香り」を採用しているのですが、その採用理由について聞いてみると、「フローラルの香りというのは、『幅広い方に受け入れられやすい、嫌みのない人気の香り』だと考えています」とのこと。「以前よりプロスタイルブランドでは『フルーティーフローラルの香り』を採用しているのですが、より多くの方にお使いいただきたいと考えるプロスタイルブランドに合っているという思いから、採用しております」と回答してくれました。フローラルの香りが多くの商品で採用されているのも、このように「万人に受け入れられる」と、考えられているからではないでしょうか。
実際に一般の消費者にも「フローラルの香りのイメージ」について聞いてみると、「甘ったるそうなイメージなので、僕はあまり買わないかも......。お花畑があって、妖精が舞っていて......みたいなイメージ」(20代/男性)、「良くも悪くも『普通』という感じ。間違いはないだろう、という気持ちもあって商品を買うときはある」(60代/女性)、「落ち着いた大人の女性のイメージ、癒されるイメージがあって、好んでその香りの商品を買います。買うのは入浴剤が多いかな。嫌なイメージはありませんね」(30代/女性)などの意見が。上述のように、フローラルの香りとは、広範囲の意味で使用されている言葉ではありますが、一般にイメージが定着化した、なじみ深い香りともいえるようです。
文●平井ライラ (エフスタイル)
取材協力:クラシエ(http://www.kracie.co.jp/)