あなたが、「型破り社会人と型なし社会人のどちらになりたい?」と聞かれたら、その答えは?
これは、愚問と言われても仕方ない。来年社会人デビューで胸躍らせている若者が「型なし社会人になりたい!」と答えるはずがないからだ。
ところが、ほとんどの若者が社会人デビューまもなく「型なし社会人」の仲間入りをしてしまう。思いと結果が違う原因は、社会人として失敗する人間が陥る典型的な落とし穴に気づかないからだ。その結果、せっかく苦労して就活を勝ち抜いても、社会人になった途端にその努力を水の泡にしてしまう若者がいかに多いことか。
本コラムで、そのような失敗から若者を救い、一人でも多くの「型破り社会人」が誕生することを願って、正しい【働き方哲学】を伝えていきたいと思う。
さて、「型破り社会人」から連想される社会人像はどのようなものだろうか。大胆なことができる社会人。既成の枠からはみ出た大物社会人。歯車のように埋没せず目立った活躍ができる社会人。等々、個性的で自分なりに働いているイメージを抱く人が多いことだろう。
ところが、本来の意味は逆なのだ。2011年に75歳で亡くなった立川談志師匠がとても洒落たことを言っている。
「型ができてない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか? 難しすぎるか。結論を云えば型をつくるには稽古しかないんだ」(「赤めだか」立川談春著・扶桑社)
とても含蓄のある言葉だ。立川談志師匠の言葉は、型破りの定義を見事に表現している。「型を破るためには型を習得していなければならない。型を習得するためには学習あるのみ」ということを彼独特の表現で言っている。
型とは基本を意味する。基本を徹底的にマスターして、はじめてその基本を破ることができる能力が身に付く。それを成長というのだが、現実的には、「成長できない社会人」で溢れかえっている。足の踏み場もないぐらいだ。
世の中の風潮は、間違った方向に加速を付けて流れている。基本となる型のマスター無くして成長はないのだが、型のマスターを避けて通ることばかりが「働き方」の常識として定着してしまっていることが最大の原因だ。確かに、型のマスターのための訓練は地道で面白くないことが多い。毎日毎日繰り返しの訓練ばかりだ。どの部署に配属されても、上司の指示通りに下働きをし続けていると、「私は何のために就活を頑張ったんだろう? もっと私じゃなきゃできない仕事をするためにこの会社に入社したのではなかっただろうか?」という疑問が湧いてくる。
そして、その下積みが1年経ち、2年経ってくると、その疑問が疑念になり、確信に変化していく。「私は私の個性を発揮したい!」「私は自分なりに働きたい!」「私は自分で考えたことを実践したい!」「私は、会社の歯車になるために入社したのではない!」という魂の叫びが聞こえてきそうだ。
しかし、そう叫べば叫ぶほど「型なし社会人」になってしまうのだ。それは、社会人としての失敗を意味する。そのような失敗をしないためには、働き方の常識を根底から覆してもらう必要がある。
社会人として成功したいなら、次の4つのことを捨てることから始めなければならない。
?個性尊重
?自分なり
?自分で考える
?歯車にならない
私は、自著『社畜のススメ』(新潮新書)のなかで、これらの考え方のことを「社会人の4大タブー」と表現した。実は、この4大タブーを克服し、基本的な型を徹底的にマスターできた人こそが、「型破りな社会人」になれるのである。そして、「型破りな社会人」こそが、個性的であり、自分なりに頑張っており、自分で考えることができ、歯車にならない人として評されることになる。
あれっ?しかし、成功するためには「個性尊重」「自分なり」「自分で考える」「歯車にならない」を捨てるべきだ、と書いていることと矛盾しているではないか?
第1回目は、このように頭が混乱した読者が多いのではないだろうか。もちろん、混乱することを狙ってわざと書いた。いままでの常識を叩き壊して、いままでの非常識を常識として捉え直すには多少の荒療治が必要だからだ。次回は、いよいよ本題に入っていきたい。「社会人の4大タブー」を詳しく説明していく。本コラムをすべて読み終えた頃には、間違いなく「型破りな社会人」になれる【働き方哲学】が身に付いていることだろう。
著者:藤本篤志 USEN取締役、スタッフサービス・ホールディングス取締役を経て、株式会社グランド・デザインズ設立、代表取締役に就任。著書に「社畜のススメ」「就活の壁」など。
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