内定がなくても焦る必要なし!秋採用にもチャンスはある

松本利明

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10月1日の内定解禁日を過ぎても、焦りは禁物

10月1日は、政府の就職・採用活動ルールに基づく「正式な内定日(内定解禁日)」であり、新卒採用を行う企業では内定式を行うタイミングです。

すでに内々定をもらい、就職先を決めて就活を終えている人もいれば、大学院の秋入試や公務員試験を経て就活に切り替えた人、とりあえず内々定はもらったけれどスッキリしていない人、留学した結果、就活のスタートがずれ込んだ人、就活中に「やりたいこと」が変わった人など、就活を継続しているケースも多々あります。

実際、マイナビの「2027年卒 大学生キャリア意向調査8月」によると、8月末時点の内々定率は85.6%。一方、就活を継続している学生は23.4%でした。秋になっても、就活を続けている学生は決して珍しくありません。

そして、秋からの就活にも、まだまだチャンスはあります。理由は大きく二つあります。

一つは、複数の内々定を持つ人や、進みたい方向が変わった就活生による内定辞退などが出るタイミングであり、企業側が採用予定数を満たすため、追加募集を行うケースがあることです。

もう一つは、大手企業の新卒採用が終わりに差しかかるタイミングから本腰を入れ、自社に合う新卒人材の確保を狙う企業もあることです。マイナビの「2027年卒 企業新卒採用活動調査」では、採用活動の終了予定時期を10月以降としている企業が55.0%と、半数以上を占めています。

加えて、通年採用を行っている企業もあります。そのため、10月になったからといって必要以上に焦ることはありません。むしろ、秋採用だからこそ有利に働く面もあります。ここから、その理由とコツを解説します。

秋採用には、通常の就活とは異なる有利な側面もある

秋採用には、通常の就活にはないメリットもあります。

ライバルの母数が減る

8月末時点で8割以上の学生が内々定を保有しているということは、すでに内々定を得て就活を終了している学生も多く、秋になると就活を続けている学生の母数は少なくなります。

もちろん、秋採用は募集人数そのものが少ないケースもあります。ただ、春から夏にかけて就活をしてきた学生の多くがすでに活動を終えているため、応募先によっては春・夏とは競争の状況が変わる可能性があります。

ライバルの顔ぶれが変わる

秋採用になると、ライバルの顔ぶれも変わります。公務員試験や大学院入試、留学などを終えて、新たに就活に参加する学生もいます。

ただし、必要以上に構えることはありません。どんなに優れたスキルや強みを持っていても、それを就活の場で相手に伝えるにはコツがあります。

春から就活を続けてきた人なら、エントリーシートを書いたり、面接を受けたりする中で、自分の経験や強みをどう伝えるか試行錯誤してきたはずです。ここまで積み重ねてきた就活の経験を、次の選考に生かせることも、秋まで就活を続けてきた人の強みの一つです。

就活の期間が長い分、「エピソード」を磨くことができる

前回の記事『就活での「強み」で勝てない時は「エピソード」で内定を勝ち取る』で解説した通り、自分の強みや持ち味を伝えるには、その裏付けとなる「エピソード」が重要です。

就活生が挙げる「強み」は、他の学生と被ることも少なくありません。だからこそ、その強みを裏付ける具体的なエピソードが大切になります。

春から就活を続けてきた人なら、その間にエントリーシートを書き直したり、面接でさまざまな質問を受けたりする中で、自分自身の経験を振り返る機会も増えているはずです。

また、就活を始めた頃には気づかなかった自分の強みや、就活を続ける中で新たに経験したこともあるでしょう。それらを改めて振り返り、強みを裏付けるエピソードとして整理することで、自己PRをさらに磨くことができます。

秋採用はスピーディーに進むケースもある

秋採用は、春からの通常採用と比べて募集人数が限られていたり、企業側が採用を急いでいたりすることから、選考がコンパクトに組まれ、スピーディーに進むケースもあります。

合否や次の面接の日程が早く決まれば、「結果待ち」の時間も短くなります。結果が早くわかる分、その後の予定も立てやすくなり、効率的に就活を進めやすいというメリットもあります。

秋採用でキーになるのは「情報」と「事前準備」

秋採用で重要になるポイントは二つあります。

一つは、募集企業に関する情報です。

秋採用は募集人数が少ない分、春の採用ほど大々的に採用の広報・宣伝をしないケースもあります。コツは、情報網を広げることです。大学の就職課やキャリアセンターにこまめに足を運ぶ、ネットで募集情報をチェックすることはもちろん、新卒紹介を活用するのも一つの方法です。

新卒紹介を通じて募集を行う企業もあります。一つの方法だけに絞らず、幅広く情報を集めることで、それまで知らなかった募集に出会える可能性も高まります。

もう一つは、短期間で採用プロセスが進むことを想定して、事前に準備しておくことです。本連載の第1回から第8回までで紹介してきた就活のコツも、改めて振り返っておきましょう。

新卒採用では、面接官や人事、採用責任者に「すごい強みを持っている」と思わせること以上に、「この人と一緒に仕事をしたい」「実際に仕事をしている姿が目に浮かぶ」と思ってもらえることが大切です。そのためにも、自分の強みや経験をどう伝えるか、選考前にもう一度整理しておきましょう。

就活は、それまで知らなかった業界・業種・職種・企業を幅広く知ることができる貴重な機会でもあります。周りが就活を終えているからといって、焦って決める必要はありません。新卒での就活は、人生の中でも大きな節目の一つです。後悔しないよう、自分が納得できるところまで、あきらめずに進んでいきましょう。

松本利明

松本利明

外資系大手のコンサルティング会社であるPwC、マーサー、アクセンチュアなどのプリンシパルを得て現職。世界を代表する外資系や日系の大手企業から中堅企業まで600社以上の働き方と人事の改革に従事。5万人のリストラと6,500名以上のリーダー選抜・育成に従事した「人の『目利き』」。英国BBC、TBS、日経、AERA等メディア実績多数。

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