卒業後に留学って就職できる? 大学を出た後に留学する場合の注意点
海外留学といえば、大学や大学院を卒業するまでに行くものと考えがちです。実際、在学中に交換留学したり、休学したり、夏休みや春休みに短期語学留学したりと、在学中に留学するのが一般的です。しかし最近では、卒業後に新卒で就職せず、海外留学を選択するという人も増えています。「卒業後の留学」を選択した皆さんはどのような動機だったのでしょうか。毎日エデュケーションの留学カウンセラーにお話を伺いました。
■ケース1 就職してやりたいことが見つからないケース
卒業が迫り、就職活動に取り組む友人たち。でも自分は全く就職したいと思わないし、入りたい企業ややりたい仕事も見つからない。働きたくないわけではないんですが……という大学4年生のAさん。
⇒留学カウンセラーからのアドバイス
大卒の新卒として就職活動ができるのは大きなメリットであることは間違いありません。できることなら大学時代にやりたいことや就きたい仕事が定まればいいのですが、それが見つからないといって悩んだり焦ったりする必要はないと思います。
もちろん就職活動について一度真剣に取り組む姿勢を持つことは大切ですが、卒業後、海外留学やワーキングホリデーなどで海外生活を過ごしながら、外国語を身に付けたり、今まで出会えなかった価値観やライフスタイルなどを見つけられたという人もたくさんいます。最近では、そのまま海外で働く機会を得られたりする人もいます。
また、最近、ベンチャー企業や実力主義の企業などを中心に、既卒採用や第二新卒採用などの採用活動を積極的に行う会社も増えています。ご両親や周囲の方からは反対されたり、疑問視されることもあると思います。
しかし、あまりネガティブにならず、卒業後に留学して経験を積んだ自分に魅力を感じてくれる、そんな会社で働ける方が、無理やり就職した会社で不本意に働くよりも、あなたにとって幸せなことかもしれません。
■ケース2 大学で学べなかったことを海外でもっと学んでみたいというケース
本当は大学時代に留学したかったけれど、交換留学は実現せず、私費留学したかったけれども、大学休学費用がすごく掛かるため、親から許可が出ずに留学を断念したというB君。卒業後、いったん就職して2年たったが、今でも留学の夢は捨てられないという。
⇒留学カウンセラーからのアドバイス
大学を自主休学する場合の「休学費用」。減額されたり無料になったりする大学が増えています。しかし、まだ多くの大学では、「年間学費の半額を支払う」「休学費用50万円」など、休学するのにもお金が掛かってしまうのが日本の現実です。
さて、B君の場合は、すでに社会人として働きだしていますので、ぜひ自分の力で留学費用をためて、念願の海外留学を実現させてほしいものです。今の仕事から次の仕事にキャリアアップしたり、全然異なる職業を目指すのであれば、キャリアパスを視野に置いた海外留学を検討してほしいと思います。
例えば、カリフォルニア大学 バークレー校(University of California, Berkeley Extension)などで行われている、International Business Professions(IBP)などのビジネスを学びインターンシップなどを行うようなプログラムを目指すのはどうでしょうか。
他にも、MBAや大学院進学なども選択肢としてはありますが、より専門的な分野でキャリアを積んでいく覚悟と、かなりの費用が掛かることを考慮して、実現可能性についてはじっくり考えてみてください。
「なりたい自分になるために、今自分に足りないスキル・経験は何か?」を考えて、留学プログラムを選択するのが良いでしょう。目指すもの・使える費用・かけられる時間を総合的に判断し、海外留学するタイミング、準備期間、また貯金に要する時間などをじっくり検討してください。
■夢や目標があるならチャレンジしよう!
現在、卒業後の留学を考える人は、実は少なくありません。みなさん就職の心配が一番大きいようです。でも、就職ができなかったことで人生が台無しになった……という人はあまりいないものです。
自分の夢や目標があるのであれば、諦めずにチャレンジするべきでしょう。海外留学は、必ず、その後の人生を大きく変え、充実したものにしてくれる素晴らしい機会です。卒業してから留学したり、海外でいろいろな経験を積んだりした人が、企業や社会の中で大いに活躍でき、決して少数派ではない日本社会になってほしいものですね。
監修:毎日エデュケーション
⇒『毎日エデュケーション』
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