コミュニケーションインストラクター・山田ズーニーが教える「進路を切り開く考え方」

更新:2016/01/28

社会人ライフ

付き合い・人間関係

内定・内定辞退

影現して自分らしい進路を切り拓く


自分の想いや考えを充分表現せず、それでいて、人からは「分かってほしい、認めてほしい、自分を選んでほしい」と望んでいる、そんな矛盾した状態の人はいませんか? どんなすごい面接官でも、表現されなければ、その人がどんな人か分からないし、ましてや、選んで採ることもできません。

私たちは、勉強というインプットをしていればよく、アウトプットつまり、自分の想いを表現することをあまりせずに過ごしてきました。

その結果、自分の本当の想いを言おうとすると「なんとなく恐い」。そこで、ウケウリや、就活本に書かれている情報をパッチワークしたような言葉でやりすごしたくなる人もいると思います。でも、仕入れた情報を言うだけでは、かけがえのないあなたという人間を表現したことにはなりません。

自分を表現してほしい、と私は思います。本当に思っていること、あなたの経験から出た考えを、恐れずにもっと出していきましょう。

表現するには勇気がいる。私自身、38歳で会社を辞めて再び社会に入りあぐねていたとき、やったことは、自分の考えを書いてインターネットで発信することでした。ちっぽけなことでも、本当の想いを書くには勇気がいった。「自分はずっと教育の仕事をしてきた、今は社会とつながらなくてつらいけれど、将来もう一度教育の仕事をするんだ」という想いを書きました。書いては、はずかしさ、自分の小ささにへこみ、それでも自分の想いを表現し続けた結果、それを読んだ人に導かれて再び社会とつながったのです。

表現するためには、まず、充分自分の声を聞くことです。就職活動に奔走していると、企業の人の声に流され、自分の声を聞くことが少なくなることがあります。就職活動で多くの人に会うからこそ、自分と交信する時間をとることが大切です。選択に迷うときは、「子どものころ自分はどんなおとなになりたいと想っていたか」、「いま自分が自分らしいと感じるのはどんな時間か」、「5年後、10年後、自分はどうなっていたいか」と自分の過去・現在・未来にインタビューしながら、自分の本心を引き出してみてください。そのようにして自分と通じたら、その想いを勇気をもって発信していきましょう。

自分を表現してほしい。社会もそれを待っている。なぜなら人間は一人ひとり違うからです。あなたという個性を必要としているところがどこかに必ずある。自分を表現して、その反応を真摯に受けとめ、人とのつながりの中に、自分の進路は切り拓いていけます。

もしも今、タイムマシンで内定が出ず落ち込んでいた日の自分に戻れるとしたらこう言います。

「あなたは社会に必要だ! どんなカタチでもいいから社会に出てきてほしい。社会もあなたを待っている」と。


Profile 山田ズーニー

文章表現・コミュニケーションインストラクター
全国多数企業や大学で「文章表現力・コミュニケーション力」を育成。
ワークショップは「想いを表現できる!」と全国で感動を呼んでいる。ベネッセ小論文編集長として「高校生の書く力」に尽力。2000年独立、 『ほぼ日刊イトイ新聞』「おとなの小論文教室。」連載開始。NHK教育テレビ「日本語なるほど塾」講師。慶應大学で「ライティング技法」、慶應丸の内シティキャンパスで「文章講座」を開講中。NHK教育テレビ「あぁ!言い違い すれ違い」出演中。著書に『伝わる・揺さぶる!文章を書く』『あなたの話はなぜ「通じない」のか』他。最新刊に『新人諸君!半年黙って仕事せよ』筑摩書房。


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