こんにちは!リリースピッカーの杏奈です。社会人になると周囲ではもうすぐ「結婚」なんて2文字が気になったりする人もいるのでは?とはいえ、誰かと一緒に暮らすためには家事分担などの問題が山積み。今回はそんな問題に対して切り込みます。
夫婦共に仕事に時間を取られる家庭では家事分担の実態はどうなっているのだろうか。この度、リンナイ株式会社は、知的家事プロデューサーの本間朝子先生に監修してもらい、共働き夫婦の男女1,000名を対象に、家事分担に関する意識調査を実施した。
主な調査結果
■ 共働き夫婦の家事分担 妻7割 フルタイム女性の半数が毎日2時間以上の家事
■ 家事は手伝うもの? 6割がパートナーに不満
■ 男女で差が大きい家事 献立を考える
■ 男女別ランキング 面倒・負担な家事 パートナーにしてほしい家事
■ 20代の6割に家事分担ルール 家事ごとに分担が最多
■ パートナーの不満は解消できない? 一人暮らしの家事スキル
■ 理想の家事分担 夫婦平等 男性の3割が家事分担を増やす意向
■ 本間先生監修 家事シェア満足度チェックテスト 家事シェアマスター3割
■ 本間先生おすすめAI活用術
■ 正解のない家事分担 家事シェア3つのポイント
監修者
本間 朝子(ほんま あさこ) 先生
知的家事プロデューサー。自分自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化役立つメソッド「知的家事」考案し、メディア講演等を通じて提案している。雑誌、ラジオ・TV出演、講演多数。著書に『写真で分かる!家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社)、『ムダ家事が消える生活』(サンクチュアリ出版)、『ゼロ家事』(大和書房)、『60歳からの疲れない家事』(青春出版社)他、多数。
調査対象者に、家事分担の割合を聞きました。その結果、最も多い回答は「妻7割・夫3割(18.4%)」だった。妻6割以上と回答した割合は、男性が7割(65%)、女性が8割(80%)だった。
また、家事に費やす1日当たりの時間は、女性の半数が2時間以上(「2~3時間未満(29%)」・「3時間以上(25%)」)だった。
本間先生コメント
共働きをしていても、家事の負担は依然として女性に偏っています。男性と同じように働き、同じように暮らしているにもかかわらず、女性の方が圧倒的に家事をしていることから、「家事分担」の意識は広まっているものの、実際の行動には結びついていない様子が伺えた。費用をかけずに家事の負担を軽減する方法として、家事の分担はとても効果的だが、その運用にはまだ大きな課題があるという。
パートナーの家事に不満があるか聞いた。その結果、回答者の6割(59%)、男女別では女性の7割(72%)が不満を抱えていた。最も多い不満の内容は、女性の回答が「家事を『手伝うもの』と思っていること(43%)」、男性の回答が「時間があるのにやろうとしないこと、やり方が気に入らない・雑なこと(どちらも34%)」だった。
本間先生コメント
妻が不満を感じる大きな理由の一つに夫の当事者意識の薄さがある。妻は、夫に指示を待つ「お手伝い」ではなく、自発的に動く「当事者」になってほしいと思っている。例えば、妻が家事をしている間に夫が自由に過ごしていると、妻は不満を感じる。しかし、夫が自ら家事をする姿勢を見せることで、妻のストレスは軽減される。
また、夫に当事者意識を持ってもらうためには、細々とした家事を任せるのではなく、ある程度広範囲の家事を一任するのが効果的。「夫に任せるより自分でやった方が早い」と思わず、締切時間や完成形など重要なことだけを伝えてあとは任せることで、夫が責任感と当事者意識を持ちやすくなるという。
普段から行っている家事を聞いた。その結果、男女差が最も大きい家事は「献立を考える(男性31%、女性85%)」、反対に小さい家事は「回収場所までゴミを出す(男性・女性60%)」だった。
本間先生コメント
家事は細かく分類すると100項目ほどに及ぶが、その中には「隠れ家事」と呼ばれる、細々としていて認識されにくい家事が多く含まれている。男女差が大きい「献立を考える」は、代表的な隠れ家事と呼べるのではないだろうか。隠れ家事は、気がついた人が行うことが多いが、夫よりも家事の割合が多い妻の方が見つけやすいため、結果的に妻の負担が増えることになる。これを防ぐためには、隠れ家事を夫のいない所でやってしまわずに、声をかけてから行ったり、隠れ家事を含めて家事の分担を話し合ったりすることが重要という。
続いて、面倒や負担に感じる家事と、パートナーにしてほしい家事を聞いた。その結果、最も多い回答は、面倒や負担に感じる家事が、男性「食器を洗う(29%)」女性「食事をつくる(51%)」、パートナーにしてほしい家事が男性「食事をつくる(49%)」、女性「風呂を掃除する(50%)」だった。
Q5とQ6の結果から、回答者が普段からしていて、パートナーにもしてほしい家事を集計した。その結果、最も多い回答は、男性が「食事をつくる(48%)」、女性が「回収場所までゴミを出す(56%)」だった。
本間先生コメント
男性の「面倒・負担に感じる家事」と、女性の「パートナーにしてほしい家事」の1位が一致している。本来、妻は自分が負担に感じる家事を夫にしてほしいはずだが、そうではないのは、夫の知識やスキル不足を考慮して、夫が慣れている、または問題なくできる家事を選んでいる可能性がある。その方が、やり方を教えたり、失敗をフォローしたりする手間が少なくなると考えられるからという。
自身が普段からしている家事に限定した「パートナーにもしてほしい家事」の場合、結果はどうなるだろうか。女性は食事作りを最も負担に感じていたが、パートナーにはゴミ出しや風呂掃除、食器洗いをしてほしいと答えている。料理は献立や調理法が毎回異なるため、掃除や洗濯と比べてルーチン化しづらい難易度の高い家事。さらに、食事の内容は家族の健康や美容にも影響するため、一定のクオリティを保つ必要がある。そのため、妻は分担しづらい難しい家事は自分が行い、比較的簡単な家事を夫の担当にしようとしている可能性がある。しかし、家事の難易度の高さが分担の壁になっているため、クオリティをある程度維持しつつ料理の難易度を下げる方法を見つける必要がある。例えば、半加工品や総菜を組み合わせたり、自動調理できる家電を活用したりするのが効果的。また、曜日ごとに献立を決めてルーチン化するのも良いという。
家事分担のルールの有無を聞きました。話し合いで決めたルールは4割(35%)、成り行きで決まったルールは5割(52%)があると回答した。どちらのルールも、年代が低いほど高くなる傾向にあった。
また、最も多いルールの内容は「家事ごとに分担する(話し合い62%、成り行き57%)」だった。
本間先生コメント
家事分担を進めようとすると、パートナーと対立を感じてしまうことがあるが、本来の目的は「家庭を円満にすること」。まずはルール作りよりも前に、どんな家庭を目指したいのかを夫婦で話し合ってみるといいという。次に、隠れ家事も含めた家事の全体像を書き出し、お互いのやっている家事を明確にする。その上で、「今困っていること」や、「できれば相手にお願いしたいこと」を書き出し、話し合いながら調整していく。また、お互いが苦手な家事は無くしたり、便利な家電などで解決できないかも併せて考えてみるのがおすすめという。
Q3とQ7の回答から、家事分担のルール別にパートナーへの家事の不満を集計した。その結果、ルールの有無に関わらず、男女ともにパートナーへの家事の不満を抱えていた。
また、Q8の回答から、話し合いで決めたルールを理想のルールとして選んだ割合を集計した。その結果、男性の4割(37%)、女性の5割(49%)が、話し合いで決めたルールを選ばなかった。
本間先生コメント
家事の分担には、労働時間や収入、勤務形態、体力や健康状態、子どもの数や年齢、家事のスキルなど、さまざまな要因が影響する。そのため、どの家庭にも当てはまる唯一の正解は存在しない。夫婦で話し合いを重ねて試行錯誤しながら、その時々の最適解を見つけていくことが重要という。また、状況は暮らしていく中で変わっていくため、一度きりではなく、定期的に話し合いを行うことも大切。
回答者のパートナーについて、一人暮らしの経験有無を聞きました。その結果、6割(64%)が一人暮らしを経験していた。
Q3とQ9の結果から、パートナーの一人暮らしの経験別にパートナーへの家事の不満を集計した。その結果、パートナーの一人暮らしの経験に関わらず、男女ともにパートナーへの家事の不満を抱えていた。
本間先生コメント
一人暮らしで家事スキルを身につけても、その方法やレベルがパートナーのやり方と合わなければ、パートナーの不満解消にはつながらない。しかし、一人暮らしの経験に関わらず、家事の分担に積極的だったり、パートナーと一緒に家事スキルを向上していけば、満足度は高まるという。大切なのは、ただ家事のスキルを上げることよりも、お互いの状況や要望に合わせて、家事の分担や、やり方を調整すること。
理想の家事分担を聞いた。その結果、最も多い回答は「妻5割・夫5割(39%)」でした。Q1とQ10の回答から、現状と理想の家事分担の変化を集計したところ、男性の6割(56%)は現状と同じ割合(現状維持)を、女性の6割(60%)は現状よりも妻の負担を減らす割合を選んだ。
また、家事分担を見直す上で仕事を考慮したいか聞いた。その結果、6割(62%)が仕事を考慮したいと答え、「仕事の時間や量(34%)」が最も多い回答だった。
本間先生コメント
理想的な家事分担として「妻5割・夫5割」が最も多く支持されているが、実際には男性の半数以上が「現状維持」を希望している。ここには、夫婦間の平等を求める気持ちはあるものの、自分の負担を増やしたくないという本音が見え隠れしている。その一方で、男性の3割は家事分担を増やす意向を示しており、家事を平等に分担する意識が徐々に広がっていることが分かる。
知的家事プロデューサーの本間先生に、夫婦の家事分担の満足度をチェックする「家事シェア満足度チェックテスト」を作成してもらった。
夫婦の家事分担の満足度をチェックする10問の簡易テスト「家事シェア満足度チェックテスト」を本間先生に作成してもらった。調査の結果、チェック項目に9個以上あてはまる「家事シェアマスター」は3割だった。チェック率が最も高い項目は、「家事は家族で支え合ってするものだと思っている(88%)」だった。反対に低い項目は、「夫婦で家事シェアについて話し合っている(47%)」だった。
本間先生コメント
チェックリストで一番低かったのは「家事シェアの話し合い」だったが、これは多くの家庭で家事分担についてのコミュニケーションが不足していることを示している。話し合いがないと、お互いの要望や負担を明確にするのは難しく、不満が溜まったり、相手に我慢を強いる状況になりがち。定期的に話し合う時間を作ることで、お互いの状況や気持ちを理解し合い、家事分担の最適なバランスを見つけやすくなる。
食事の準備の時短や、家事負担の軽減に役立つ、いわゆる時短アイテムの利用を調査した。その結果、食事の準備の時短は「冷凍・チルド食品(52%)」、家事負担の軽減については「食器洗い乾燥機(30%)」がそれぞれ最も多い回答だった。
本間先生コメント
家電製品は「新・三種の神器」、別名「共働き家電」と呼ばれる食器洗い乾燥機、ロボット掃除機、衣類乾燥機(洗濯乾燥機)が上位に入っている。これらはそれぞれ1回の利用で20分ほど家事が短縮できるため、揃えれば1時間の時短が叶う。また、料理は難易度の高い家事だが、自動調理機などを使えば、料理が不慣れな夫でも美味しい料理が作れるため、家事シェアにもつながる。家電は価格が高めだが、出費を抑えたい場合は、モデルチェンジのタイミングで型落ち品を選ぶのも一案。また、意外な時短家電に「生ごみ乾燥機」がある。エコのイメージがありますが、生ゴミの臭いを予防しつつ、ゴミの体積も減らせるので、忙しい共働き家庭におすすめという。
家事のサポートとしてAIを活用しているか聞いたところ、利用者は1割(12%)だった。知的家事プロデューサー本間先生がおすすめするAI活用術を紹介する。
1. 冷蔵庫の食材から献立を作成
日々頭を悩ませがちな献立作りは、生成AIにサポートしてもらうとラクになる。例えば「冷蔵庫にある鶏肉、キャベツ、人参、じゃがいも、卵でできる2品の献立を教えて」や「手間をかけずに子供が喜ぶ3日分の献立を考えて。買い物リストも作成して」といったリクエストをすれば、すぐに対応してくれる。
2. 仕事や家事など、山積みの家庭でのタスクに優先度を提案
家事や育児など、やることが山積みで、どれから手を付けるべきか迷う時も、生成AIは、緊急度や重要度、期限などの情報を元に、どれからやると効率的か提案してくれる。例えば、洗濯をする、買い物に行く、食器を洗う、メールの返信をするなどのタスクがある場合、生成AIはそれぞれの条件を考慮して、最適な順序を提案する。
3. 日頃の頑張りを見守ってくれる存在
家事に疲れた時にはげましてくれたり、悩みを伝えれば優しくアドバイスしてくれる、生成AIならそんなことも可能。AIなので同じ話も小さな困りごとも嫌がらずに聞いてくれ、決して責めたり怒ったりもせず、最適な聞き役になってくれる。家事をやりたくない時に優しく背中を押してもらうのもおすすめ。
※生成AIの種類等によってできることは異なる。
今回の「家事シェア満足度チェックテスト」(11ページ)では、3割が「家事シェアマスター」だった。夫婦共に納得して家事に取り組むために、知的家事プロデューサーの本間先生に家事シェアのポイントを解説してもらった。
1. 定期的に話し合う場を持つ
家事の分担には、労働状況や健康状態、家事スキルなど多くの要因が影響する。そのため、唯一の「正解」は存在しない。だからこそ話し合いをしながら、最適なバランスを見つけていくことが大切。また、状況は日々変化するため、話し合いは一度きりではなく、定期的に行い、その時々に応じた解決策を探ることが必要という。
2. 当事者意識を育てる
妻が家事分担に不満を感じる大きな原因の一つは、夫の「当事者意識の薄さ」。妻は夫に家事の「手伝い」ではなく、当事者意識を持って家事をして欲しいと思っている。そのためには、「指示を待たずに自ら動く」「最後まで責任を持って行う」ことが求められる。また、妻側も夫に細かい指示を出すのではなく、家事全体を任せて、必要最低限のこと以外は口を出さないことで、夫の当事者意識が育ちやすくなる。
3. 隠れ家事を共有する
家事には、目立たない「隠れ家事」が多く存在する。これらは家事全体を把握している妻が気づきやすい部分だが、ひとつひとつは小さくても積み重なると大きな負担になる。そのため、夫婦で分担していくことが必要。例えば、隠れ家事をリストアップし、何をどのように分担するのかを明確にすることで、家事の偏りを防ぐことができる。
調査概要
調査名:熱と暮らし通信 家事分担に関する意識調査
調査時期:2024年7月23日~26日
調査方法:インターネット調査
対象者:全国20~50代既婚男女計1,000名、性年代均等、フルタイム勤務
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編集/杏奈(ガクラボメンバー)
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