「このままチームで議論しても煮詰まってしまいそうだ。他の部署にも意見を聞こう」
この場合の「煮詰まる」は、正しい使い方だといえるでしょうか? それとも誤った使い方でしょうか? 実はこの問いは、簡単にイエス・ノーと答えられるものではありません。というのも、本来の意味とは逆の意味で捉えている人が40%もいるのです。
「煮詰まる」という言葉の詳しい意味を掘り下げながら、使い方や類語、例文なども交えて解説します。
▼目次
1.「煮詰まる」とは?
2.「煮詰まる」は誤用が多い?
3.「煮詰まる」の正しい使い方・例文
4.「煮詰まる」の類義語・言い換え表現
5.まとめ
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「煮詰まる」の読みは「につまる」です。どんな意味か、調べてみましょう。
「煮詰まる」という言葉は、近年このように辞書により解釈が異なっています。まず、「煮えて水分がなくなる」という意味があります。そこから転じて生まれた2つ目の意味、「議論や検討が十分に行われて、結論が出せる最終段階になる」がこれまでの比喩的な使い方です。
ところが、近年は『広辞苑 第七版』のように新たに3つ目の意味として「議論や考えなどが行き詰まる」という意味を加えている例も見られます。
いっぽうで、『明鏡国語辞典 第三版』などでは「‘議論が行き詰まる’の意味で使うのは誤り」としています。
こうした言葉の揺れが起こっている背景を、次の段で詳しく見ていきましょう。
先述のように「煮詰まる」は、本来は「議論や検討が十分に行われて、結論が出せる最終段階になる」という意味です。
2013年度(平成25年度)に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では、「煮詰まる」を本来の意味で捉えている人は全体の51.8%でした。いっぽうで、本来とは異なり逆の意味で捉えている人が40%で、前回の調査よりも微増していました。
なぜ、正反対の意味に捉えてしまうのでしょうか。
そもそも「煮えて水分がなくなる」という1つ目の意味の捉え方にもよるのではないでしょうか。一般的に、煮物などが煮えて水分がだんだん少なくなると旨味が凝縮され、美味しい料理が出来上がる寸前です。ポジティブなイメージですね。
しかし、煮えすぎて完全に煮詰まり焦げてしまうと失敗です。人によっては、煮えすぎて焦げた状態を想像してしまうため、「うまく作れない→結論が出ない」とネガティブに考えてしまうのかもしれません。
また、この意味の捉え方は、40代までとそれ以上とで分かれています。50代以上では「結論が出る状態になる」と本来の意味で捉えている人が5割を超えていますが、40代以下では「結論が出せない状態になる」と捉えている人が5割を超えています。
ここで、冒頭の「このままチームで議論しても煮詰まってしまいそうだ。他の部署にも意見を聞こう」という使い方は、ネガティブな捉え方です。つまり、40代以下では支持される可能性が高く、それより上の世代では誤りだとされる可能性が高いと予測できます。
年代によって完全に逆の意味に捉えられることがある「煮詰まる」という言葉。会議の結論に言及する重要な場面で使う際には、十分な注意と配慮が必要ですね。
「煮詰まる」を、「議論や検討が十分に行われて、結論が出せる最終段階になる」という本来の意味で使えるのはどのような場面でしょうか。例文を挙げて使い方を紹介します。
会社の会議などでもうすぐ結論が出そうな場面、司会者から参加者に対して次のように使えます。
順調に会議が進む中で、司会者に意見を求められたオブザーバーからは、次のように使えます。
ブレーンストーミングなどで良いアイデアが出尽くした時に、次のように使えます。
「煮詰まる」を言い換えるとしたらどのような表現があるでしょうか。以下に類語を紹介します。
読みは「いけんがでつくす」。あるテーマに関しての意見が全て出され、新たな意見はもうないことを意味します。ただし、「煮詰まる」のように意見がまとまりそうだという意味は含まれていません。
読みは「はなしあいがまとまる」。あるテーマについて複数で行った会議などで意見がひとつになるという意味です。「煮詰まる」は「もうすぐ意見がまとまりそうだ」という段階ですが、この場合はすでに意見がまとまった状態です。
読みは「けつろんがみえてきた」。あるテーマについての会議や話し合いなどでの結論がもうすぐまとまりそうな状態です。「煮詰まる」とほぼ同じ意味で使えます。
読みは「さいしゅうだんかい」。物事を進めてきて、最後のゴールに差し掛かっている状態です。「話し合いは最終段階だ」のように使うと「煮詰まる」と同じ意味で使えます。
「揺れ」が大きい「煮詰まる」という言葉。実際に自分が参加者として耳にした場合は、どう見るべきでしょう。
会議で意見が活発に取り交わされて良いムードであれば、本来の意味で使われていると考えられます。また、議論が進まずに会議が停滞していれば、本来とは異なる意味で使われていると判断できます。
言葉の意味ももちろん大切ですが、その場に居合わせて、しっかりなりゆきを見守り、積極的に参加することが第一だと言えそうですね。
(前田めぐる)
※画像はイメージです
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