迅速果断とは? 正しい意味・使い方・類語・対義語を例文つきで解説!

2023/09/27

ビジネス用語


「迅速果断」とは、物事をすばやく決断して、実行するさまのこと。もしそのように行動できれば、さくさくと物事が片づき、仕事や人生の時間を有効に使えそうです。周囲からもきっと頼りにされるでしょう。

そんなポジティな印象のある四字熟語「迅速果断」の詳しい意味や使い方を解説します。

迅速果断とは?

「迅速果断」は、「じんそくかだん」と読みます。どのような意味があるのか、見ていきましょう。

「迅速果断」の意味は?

「迅速果断」の辞書的な意味は以下の通りです。

【迅速果断】じんそくかだん
(注)【迅速果敢】の同語として掲載
すばやく物事を処理し、勇気を持って決断するさま。また、実行がきわめてはやいさま。たちまち決断を下して、実行できる能力のさま。
(引用:『用例でわかる四字熟語辞典 改訂第2版』学研教育出版)

「迅速果断」の由来は?

「迅速果断」という四字熟語は、「迅速」「果断」の2語を組み合わせた言葉です。それぞれ、単独では次のような意味があります。

じんそく【迅速】

物事の進み方がきわめてはやいこと。すみやかなこと。

かだん【果断】

思い切ってするさま。
(引用:『広辞苑 第七版』岩波書店)

以上を合わせると「迅速果断」とは「物事をすみやかに決断し、思い切って行う」という意味であると分かります。

「迅速果断」が持つ印象、使う上での注意点

スピーディに決断して実行するという意味を持つ「迅速果断」は、 大胆で勇敢な印象を与える言葉です。迷っている時間などない場面で使うと、大変効果的です。

一方で、じっくり慎重に進めるべき場面でこの言葉を使用すると、「拙速では」と不安を感じさせてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

迅速果断のビジネスでの使い方・例文


すみやかに決断し、思い切って実行するさまを意味する「迅速果断」。就職や転職の面接はもちろん、式典でのスピーチやビジネスシーンでのプレゼンテーションなど、活用できる場がたくさんありそうですね。例文とともに、使い方を紹介します。

1) 面接での使い方・例文

就活のエントリーシートや、就職・転職の面接で「迅速果断」を使うと、判断力と決断力、実行力をアピールできます。

<例文>

学生時代の部活動では、部長として迅速果断にさまざまな改革を行いました。

2) スピーチや決意表明での使い方・例文

機を見て一気に達成したい目標がある時、士気を高揚させたい時に「迅速果断」はぴったりの言葉です。

<例文>

この機を逃さず、迅速果断にキャンペーンを成功させましょう。

3) ビジネスにおける日常的な使い方・例文

時間がかかると思い込んでいる時に、素早く対応されるとうれしいもの。例えば、アフターサービスの対応で次のように使えます。

<例文>

ご購入時だけでなく、アフターサービスも迅速果断を合言葉にしております。

迅速果断の類語


「迅速果断」と似た意味を持つ四字熟語です。言い換えたい時に、ニュアンスの違いをふまえて使ってみましょう。

1) 迅速果敢

読み方は「じんそくかかん」。「迅速果断」の同語であり、同じ意味です。「果敢」は、大胆に決断できるさまを示し、「果断」と同義。四文字で「すみやかに決断し、大胆に実行する」という意味です。

2)進取果敢

読みは「しんしゅかかん」。勢いがあり、決断力に優れ、勇敢に新しいことに進んでいくさまを表します。「迅速果断」とよく似ていながらも、新しいことを先取りする印象をプラスすることができます。

3)即断即決

読みは「そくだんそっけつ」。躊躇せず、その場ですぐに判断し、決めるという意味があり、「早く決めること」にポイントを置いた言葉です。「迅速果断」のような「勇気をもって実行する」という意味までは含まれていませんが、「即」を繰り返すことで決定力とスピード感を強く感じさせます。

4)当機立断

読みは「とうきりつだん」。時機に当たり、たちどころに決断するという意味です。決断する時機を得ている点が、「迅速果断」との違いです。まさに決断と実行のタイミングという時に使うと、大変納得度の高い四字熟語です。

迅速果断の対義語


「迅速果断」と反対の意味を持つ四字熟語も見ていきましょう。

1)優柔不断

読みは「ゆうじゅうふだん」。決心がつかず、ぐずぐずして決断できないこと。素早さと決断力の両方に触れており、「迅速果断」とほぼ反対の意味にある言葉です。

2)遅疑逡巡

読みは「ちぎしゅんじゅん」。いつまでも疑って迷い、決断できずぐずぐずためらうこと。「迅速果断」とほぼ意味が逆ですが、遅さの理由が疑い深さにある点に注目できます。

3) 意志薄弱

読みは「いしはくじゃく」。物事を決めたり実行したりする意志や決断力が弱く、自分の考えを持てず、他人の言動に左右されやすい様子を表します。周囲との関係性まで示しえる点が、「迅速果断」との違いです。

4) 薄志弱行

読み方は「はくしじゃっこう」。意志が弱く、消極的で、決断力や実行力に乏しいことを意味する言葉です。実行する力が弱いという意味では、「迅速果断」と逆の意味ですが、スピードに関しては触れていません。

まとめ

今回は「迅速果断」という四字熟語を掘り下げてみました。調べていくと、物事を実行する際には、まず決めることが大切だと痛感します。

もちろん、ビジネスでは、全ての仕事が自分の決断によるものではないかもしれません。上司から指示された仕事や、役割分担による作業もあるでしょう。

そんな場合でも、受け身で行うのではなく、まず自分が納得して「これをやり切る」と決めることが、実行力につながるのだといえそうですね。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

【著者】前田めぐる(文章術講師)

コピーライターとして「言葉と文章」に関わり続けてきた経験をもとに、企業・自治体・団体向け広報講座の講師を務める。ワークを取り入れた文章術研修では‘伝える’を‘伝わる’に変換する文章の書き方を伝授。「楽しくて分かりやすく、すぐ実務に活かせる」と定評がある。

執筆・ライティングの専門領域は、【言葉・敬語・文章術・マーケティング・リスクコミュニケーション】。公益社団法人日本広報協会広報アドバイザー、文章術講師。著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』など。京都在住。

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