生命保険で税金を節約? 生命保険加入による税金控除の仕組みを解説

2020/08/25

保険

生きている間には、思わぬところで怪我をしたり、大きな病気をしたりというハプニングが起こることもあります。そんなとき、生命保険に入っていれば安心です。さらに生命保険で支払った金額は、税金の控除対象にもなります。
※2020年8月現在
(監修協力:恩田 雅之)

何税が対象? 生命保険加入による税金控除の仕組みとは

生命保険料は所得控除の対象となる

生命保険などで保険料を支払っている場合、その金額は所得控除の対象となります。課税対象となる所得金額からいくらか差し引かれるので、その分税金の支払い額が少なく計算されます。
結果として、所得税と住民税が軽減されます。控除の上限額は、所得税で12万円、住民税で7万円が最大です。 

ただし、この控除は自動的に受けられるものではなく、年末調整もしくは確定申告の際に申告しなければなりません。その際には秋頃までに保険会社から自宅に郵送される「保険料控除証明書」を添えて申告を行います。

会社員などの場合

年末調整で申告します。勤務先に、「給与所得者の保険控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」と「保険料控除証明書」を併せて提出します。

自営業者などの場合

確定申告時に、確定申告書に金額を記入し、「保険料控除証明書」を添付して申請を行います。

保険料によって変わる控除額

保険料の控除額は、年間に支払った保険料によって変わります。

所得税

年間払込保険料20,000円以下……払込保険料の全額控除
20,000円超40,000円以下……払込保険料×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下……払込保険料×1/4+20,000円
80,000円超……40,000円

住民税

年間払込保険料12,000円以下…払込保険料の全額が控除
12,000円超32,000円以下……払込保険料×1/2+6,000円
32,000円超56,000円以下……払込保険料×1/4+14,000円
56,000円超……28,000円

ただし、上記の控除は2012年の契約分から適用された新制度によるものです。2011年12月31日以前に契約した保険に関しては、旧制度の控除が適用されます。既に契約している生命保険がどちらの控除に当たるのかは、各保険会社に確認しましょう。

また、2011年12月31日以前に契約した保険であっても、今後保険の見直しや更新を行った場合は「契約変更」とみなされ、新制度が適用されます。

保険会社からの保険料控除証明書は大切に

前述の通り、生命保険料控除は自動的には適用されません。保険会社から郵送されてくる「保険料控除証明書」をもとに、年末調整または確定申告で控除を申告する必要があります。ですから、保険会社から「保険料控除証明書」が送られてきたら、大切に保管しておきましょう。 

また、保険の契約によっては、傷害特約や災害割増特約など、身体傷害のみに対して保険金が発生するものがあり、これらは新制度では生命保険料控除の対象外となります。そのため、実際に支払った保険金と控除証明書の金額が異なる場合もあります。

不明な場合は一度、保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。基本的には控除証明書に書かれた金額で申告することになります。もし、「保険料控除証明書」を紛失してしまった場合には再発行も可能ですので、すぐに保険会社に連絡しましょう。

まとめ

いざというときに入っておくと安心な生命保険ですが、その支払った金額によって税金も軽減されます。ただし、控除は自動的に適用されるわけではありません。保険料控除証明書は送られてきたら大切に保管しておきましょう。

(学生の窓口編集部)

監修協力:恩田 雅之
1959年、東京生まれ。専修大経営学部卒業後、16年間パソコン業界の営業の職業に携わる。CFP®資格を取得後、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託など資産運用を中心としたコラムの執筆やローン関連を中心に記事の監修などを中心に活動中。
http://onda-fp-jimusho.com/

関連キーワード:

関連記事

新着記事

もっと見る

HOT TOPIC話題のコンテンツ

注目キーワード

 ビジネス用語・カタカナ語80選

 キャリアロードマップの一歩目

  • ピックアップ