みなさん、初めまして!国家資格キャリアコンサルタントの百太郎(ももたろう)と申します。私は2017年まで15年間、教員として中高生の成長に向き合ってきました。現在は企業で人事・総務として組織作りや人材育成に携わっています。
これまでの経験と国家資格キャリアコンサルタントの資格を活かし、社内外問わずキャリアに関するご相談、目標達成を目指すコーチングなどを実施しています。
若い人たちが少しでもワクワクするキャリアを創れるよう、人生のサポーターとしてみなさんのお悩みにお答えしていきます。ぜひ楽しみながら読んでみてください。
<目次>
1.こんなお悩み抱えていませんか?
2.計画されたキャリアアップはもう終わり?
3.チャンスを自分で作れるように
4.クランボルツ教授が教える偶発性への対処法
5.やりたいことへの道のり
初めてとなる今回は、実際にキャリアコンサルタントとしてよくご相談を受ける「思っていた仕事と違う」というテーマについてお話ししたいと思います。
確かに、入社後に自分の希望が通らなかったり、イメージしていなかった部署への配属になってしまったりすると、入社後ギャップを生むことがよくあります。
実は、このお悩みは多くの方が抱えるものなんです。
厄介なところはイメージと違うという違和感から「この会社で働き続けていていいのか?」なんていう転職や内定辞退にも繋がってしまうところです。
転職自体は悪いものではないという時代になってきましたが、せっかく積み上げた社内での信頼や、掴み取った内定を捨て去る前に少し考えるきっかけにして頂ければいいなと思います。
スタンフォード大学で教育学・心理学を教えていたジョン・D・クランボルツ教授が提唱した「計画された偶発性理論」をご紹介します。
この理論を一言でまとめると、「個人のキャリアの8割は偶発的なことによって決定される」って感じになります。言い換えると、「偶発的なこと、つまり予想もしていなかったことがキャリアを決める」ということです。
これまで、やりたい事を見つけろ! 自分の強みを前にだせ! なんて言われながら、キャリアプランを綿密に計画してきた人からすると、「ちょっとまってよー」って言いたくなりますよね。まぁ、そう言わず最後まで読んで見てください。
そもそもこの理論が注目を集めたのは20世紀末になります。
それまで「自分のキャリアは自分が意図的に職歴を積み上げて形成するもの」っていう考え方がメインだったキャリア理論に無理があることが分かってきたからなのです。世の中全体が変化の激しい時代に突入し、自分が思い描いたキャリアプラン通りにいかないことが増えてきたのです。
じゃあ、自分のプランなんて持たずに流れに身を任せておけばいいのか……やりたいことを諦めて会社の言う通り働けばいいのか……って思ってしまうかも知れませんが、それはそれで寂しい話ですよね。自分の人生を豊かにするためには「仕事」というものに自分が納得していることは欠かせません。
やりたいと思っていたことを諦める、与えられた仕事だけに取り組めばいい。そんなことを強制する理論ではないんです。
と言うのも、この理論には続きがあって、変化の激しい世の中だからこそ、自分のやりたいことが巡ってくるチャンスをただ待つだけじゃなく、チャンスを作れるように動いてみようというのがこの理論の中心です。どんなことが起こるかわからない中でも自分が望むことが起こるように自分なりに行動をしていこうという意味も含まれています。
クランボルツ教授はそのチャンスを広げるために重要な5つの行動指針も示してくれているんです。皆さんにはその5つも紹介させていただきますね。
クランボルツ教授が掲げる5つの指針とは、「好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心」の5つです。特別むずかしい指針というわけではありませんよね。
言葉を付け加えると「新しいことに興味を持って、簡単に諦めず、ポジティブに物事をとらえる。そして自分がもつイメージにこだわるだけじゃなく、冒険家のように不確実なことにも行動を躊躇わないでいよう。」こんな感じでしょうか。
これを実践すれば必ず自分がやりたいことに近づくチャンスが廻ってくる。そんな約束はできませんが、逆を考えてみてください。
「新しいことを嫌い、簡単に諦める、自分に起こることをネガティブに捉え、自分の考えに固執し、リスクを取らない」そんな人にチャンスを与えようと思いますか?
あなたが与えられた場所で自分の力を発揮しようとする姿は必ず誰かの目に留まり、あなたが本当にやりたいことにチャレンジできるチャンスを創ってくれるはずです。
少し話が長くなりましたが、やりたいことができない不満を解消するためには、自分でチャンスを作り出すしかありません。チャンスを今いる場所で作るのか、新しい場所で作るのかその二つしかありませんね。
若いうちは苦労を買ってでもしろ。そんな古いことは言いませんが、計画的ではない人との出会い、仕事との出会いを大切にする人は魅力的に映ります。本当にあなたがやりたい職種に就いたとき、その職種以外で学んできたことや前向きに与えられた仕事に向き合ってきたことは必ず役に立ってくれるはずです。
シンプルに一直線に繋がったキャリアも素敵ですが回り道をしながら幅のあるキャリアを作っていくのも素敵なことではないでしょうか。
今回はクランボルツ教授の「計画された偶発性理論」をもとにお話しをしてみました。
今の仕事にやる気を見出せない人、自分の期待通りの配属にならなかったらどうしようと不安に思っている人に届けばいいなと思います。
文・百太郎
本気で生きる人をサポートしたい人生サポーター。15年の教員経験&スポーツ指導の後、現在は企業内で人事採用&社内面談に従事しつつ、個人としても活動中。キャリアコンサルティングとコーチングを掛け合わせ、ワクワクするキャリア創りをサポート。
Twitter:@ 100taromomo
公式サイト:https://peraichi.com/landing_pages/view/100taromomo
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