就職活動で内定が出ると、企業から内定を書面で通知する「内定通知書」という書類が送られてくることがあります。この記事では、内定通知書の内容や郵送時期、届かなかったときの対処法など、内定通知書にまつわる情報をまとめてご紹介します。
「内定通知書」とは、企業側が就活生に対し「あなたに内定を出します」と通知するための書類です。多くの場合、企業から郵便で送られてきます。
書面には内定の連絡と合わせて入社日や同封している書類の詳細、問い合わせ先などが記載されているのが一般的です。
ただし、内定通知書には決まった書式や定義はないため記載内容も企業によって異なり、労働条件などが細かく記載されている場合や「採用通知書」というタイトルで送付される場合もあります。
内定通知書が送られてくる時期について、最終面接が終了してから早ければ3日ほどで手元に届くよう手配してくれる企業もありますが、手続きの時間を考慮してだいたい1週間から10日前後を目安に考えておくといいでしょう。
企業としては、優秀な人材は早めに確保したいという思いがありますから、内定を決めた就活生に対しては迅速に書類を手配するケースが多いです。
そのため、内定の知らせを内定通知書で送付する前に、電話などで先んじて内定の連絡をする企業も少なくありません。その場合は、内定通知書の発送まで少し時間が空くこともあり得ます。
また、中には内定通知書を内定式の場で授与する企業もありますので、もし企業から詳細な説明がなければ、事前に質問をするなどして内定の通知方法を確認しておいたほうが無難です。
○内定通知書はいつ送られてくる? 郵送時期や届かない場合の対処法を解説
企業が「送る」と言っていた内定通知書がいつまで待っても届かないという場合には、単に手配が遅れているケースと、なんらかのトラブルで発送自体がされていないケースが考えられます。そんなときは一度、採用担当者に確認してみましょう。
一例として、「1週間ほどで送付します」と伝えられていたのなら、手続きに時間がかかっていることを考慮して、10日ほど待ってからメールや電話で問い合わせてみるといいでしょう。
中には、「そもそも内定通知書を発行していない」という企業も存在しますが、万が一、採用に関するトラブルが起こった際に証拠として使えるため、内定通知書はなるべく発行してもらったほうが安心です。
内定通知書がほしい場合は、まずメールで問い合わせてみましょう。内定通知書という形ではないかもしれませんが、相応のものを送ってもらえる可能性があります。
内定通知書を受け取って初めて自身の内定を知った際は、企業の方に感謝を伝えるためにメールや電話で連絡をとるようにしましょう。
ちなみに、内定通知書が送られてくる前に電話やメールで内定を伝えられた場合は、電話であればそのまま電話で、メールであれば返信でお礼の言葉を伝えましょう。
件名は「内定のお礼(学校名・氏名)」などと付け、「企業名・部署名・個人名+様」をメールの文頭に記載します。
本文は「お世話になっております」という文言からはじめ、採用してもらったことに対するお礼の言葉と、前向きに頑張りたいという気持ちを書きます。
本文を書き終えたら、最後に署名として自分の名前と連絡先を記載します。「大学名」「氏名」「電話番号」「メールアドレス」の順に書いておくとよいでしょう。
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お世話になっております。
○○大学○○学部○○学科の○○太郎と申します。
この度は、内定通知書をご送付いただき誠にありがとうございます。
貴社に内定をいただけましたこと、非常に光栄に存じます。
喜んで内定をお受けいたします。
一日も早く貴社に貢献できる人物となれるよう努めてまいりますので、ご指導のほど何卒よろしくお願いいたします。
入社まで半年間、 悔いの残らぬよう残りの学生生活を送ります。
まずは取り急ぎ御礼申し上げます。
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電話でお礼の連絡をする場合は、内定通知書を受け取った当日か、時間の都合上難しいという場合でも、翌日中には連絡をするようにしましょう。
電話で話すべき内容も基本的にはメールと一緒で、面接の時間を取ってもらったことや採用してもらったことに対する感謝と、前向きに頑張りたいという気持ちを丁寧な言葉で伝えるようにしましょう。
○内定通知書はどう受け取る? お礼メールの書き方や紛失時の対応を解説
送られてきた書類はどんな点に注意すべき?
内定にまつわる書類は「内定通知書」だけではなく、中には提出義務のある書類も存在します。
内定通知書と一緒に送られてくるケースの多い書類の中で、特に知っておきたものとして「内定承諾書」と「労働条件通知書」が挙げられます。
「内定承諾書」は、内定通知書を受け取った学生が、提示された条件で「内定を承諾する」、「この会社に入社する」と意思を示すために企業に提出する書類です。期限内に提出しないと、最悪内定がなかったことになってしまうかもしれませんので、もし手元に届いたら期限は絶対に守りましょう。
「労働条件通知書」は、労働に関する諸条件が記載された書類で、賃金や勤務時間、勤務場所、休日・休暇など細かい内容が羅列されています。
「内定承諾書」は任意発行ですが、「労働条件通知書」は企業が必ず労働者(ここでは内定者)に発行しなければならない書類です。こちらは入社後、条件面でのトラブルが起きた際に非常に重要な書類になるので、絶対に無くさないように、またしっかり内容を確認するようにしてください。
内定通知書はもちろん、送られてきた書類にはすべて念入りに目を通し、後で「面接のときに言っていた内容と違う」「こんなはずじゃなかった」とならないよう、疑問点や不明な点は企業の担当者に質問するようにしてください。
○「内定通知書」と「内定承諾書」の違いって? 入社前に目にする書類をまとめて紹介!
「もしこの内定が取り消されてしまったらどうしよう」と不安に感じている人もいるかもしれません。
しかし安心していただきたいのは、内定通知書が届くことで労働者(学生)と企業との間に「労働契約」が成立したことになるため、内定を出した企業は一方的に内定の取り消しをすることができなくなるのです。
企業が労働者(学生)の内定を取り消すことは労働者の「解雇」に相当しますので、内定取り消しをしたい企業は、社員を解雇する場合と同じように、合理性のある理由がなくてはならないのです。
ただし例外として、就労開始予定日までに「採用内定取消事由」が生じた場合は、企業側が内定取り消しを行うことが認められています。たとえば、内定通知書を受け取った学生が留年したために卒業できなかったり、法に抵触する罪を犯したりした場合などがこれに該当します。
○内定通知書に法的効力はあるの? 内定取り消しや内定辞退の疑問を解決!
企業が勝手に内定取り消しができない一方で、内定者は自分の都合で内定を辞退することが認められています。
原則として、労働者(学生)は2週間の予告期間を置けば労働契約を解約できるとされているからです(民法627条1項)。
つまり、内定通知書をもらい、もし内定承諾書を提出した後でさえも、入社予定日の2週間前までに辞退の意志を告げれば、労働契約は有効に解除されるということです。
2週間前までに辞退を告げれば、損害賠償請求を受ける心配もありません。ただし、2週間を過ぎてしまった場合はこの限りではありませんので、注意が必要です。
以上、内定通知書の情報をまとめてご紹介しました。内定が出た後は、もう社会人の一員になったといっても過言ではないかもしれません。自分の行動に責任を持ち、重要な書類はけしてなくさないよう心がけてみてくださいね。
(学生の窓口編集部)
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