就活生のみなさんが、入社までに受け取る各種書類。中には「内定通知書」、「内定証書」、「内定承諾書」など似た名前の書類もあり、複雑に感じるかもしれません。どの書類をどんなタイミングで目にすることになるのか、書類の役割とともに解説します。また、入社までの書類準備の流れや、書類を提出する際のマナーに関してもお伝えします。
「内定通知書」とは、企業側が就活生に対し「あなたに内定を出します」と通知するための書類です。多くの場合、企業から郵便で送られてきます。
「内定通知書」を受け取った時点で企業との間に「労働契約」が結ばれた形になりますが、一般的にはその後、内定者が後述の「内定承諾書」「入社承諾書」に署名をして提出することで、入社の意思を示すことになります。
内定にまつわる書類は「内定通知書」だけではありません。ほかにもさまざまな書類がある上に、中には「内定通知書」と名前が似ていて混同しやすい書類も。いざ受け取ったとき扱いに困らないよう事前にいくつか覚えておきましょう。
企業が採用の意思を示す書類はほかにもあり、「採用通知書」がその一つ。企業によって呼び方が違うだけで、実質的には「内定通知書」と同じ意味合いを持つものです。
また、「採用内定通知書」と題された書類を学生に交付する企業もありますが、こちらも「採用通知書」「内定通知書」と同等のものと考えていいでしょう。
「内定通知書」とよく似た名前の「内定証書」という書類もあります。ただし、両者はまったくの別物だといえます。
挨拶文や、場合によっては企業情報(連絡先や採用担当者名)などが記載されたレター形式の書類が「内定通知書」ですが、対する「内定証書」は内定式で授与されることが多く、賞状のような書式をしたもの。記載内容も「採用試験に合格した」、「内定が決まった」ことがシンプルに記されているのが大半です。
企業が内定者に交付するのが「内定通知書」。そして、これを受け取った学生が「内定を承諾する」、「この会社に入社する」との意思を示すために企業に送るのが「内定承諾書」、あるいは「入社承諾書」と呼ばれる書類です。
「内定通知書」と同じタイミングで送られてくることが多いので、入社の意思が固まり次第速やかに署名捺印して提出します。
雇用者(企業)は採用した人に労働条件を書面で提示する義務があります(労働基準法第15条第1項、労働基準法施行規則第5条)。
多くの場合、労働に関する諸条件は「労働条件通知書」に記載され、内定者に通知されます。賃金や勤務時間、勤務場所、休日・休暇など細かい内容が羅列されているので、受け取ったら隅々までよく確認しましょう。
「労働条件通知書」とよく似た名前の書類に「雇用契約書」があります。こちらも実際の雇用条件が記載されている点は類似していますが、「労働条件通知書」は発行の義務がある点、「雇用契約書」の発行は任意である点が異なります。
通常、「雇用契約書」は署名捺印した2部を作成の上、企業と労働者(内定者)がそれぞれ保管することになっています。
後から「話が違う」「こんな条件聞いてない」とならないために、こちらもきちんと内容を確認しましょう。
内定を得た後は、企業に提出しなくてはならない書類を準備します。その際の注意点も併せてお伝えします。
内定が決まったことを通知する「内定通知書」(あるいは「採用通知書」)は郵送で手元に届くケースが多く、封筒にはほかの書類も同封されているのが一般的です。
通常、送付書類の内容は「内定通知書」上に記載されているか、送付状に「内定通知書 1通」「内定承諾書 1通」のように記されていますが、それと照らし合わせて、同封書類に抜けがないか確認します。もしもあるべき書類がなければ、すぐに企業に連絡しましょう。
「内定通知書」に同封されていることの多い「内定承諾書」や「雇用契約書」は署名捺印のうえ返送必須ですが、それ以外にも提出すべき書類があれば手配します。
たとえば、企業によって「身元保証書」「健康診断書」「本人確認書類の写し」などを提出するよう求めるところもあります。
なお、提出期限を設けている企業もあるので、その場合には厳守しましょう。
書類の記載事項は念入りに確認しましょう。もしも不明点や疑問点があれば、企業の担当者に問い合わせます。
たとえば、「内定通知書」の氏名が誤っているケース、「雇用通知書」に記載の労働条件が面接で伝えられた内容と異なるケースなど。
後々大きなトラブルになることも考えられますので、提出前に確認するのがベストです。
企業に必要書類を提出する方法は、「手渡し」か「郵送」の2つです。
手渡しを指定されたものの、「●月●日までに受付に提出」「□月□日の内定式で提出」などと日時や場所が指定されていないようならば、事前に担当者にアポイントを取り訪問するのがマナーです。
その場で開封し、中身を確認することもあるので、封筒ののり付けは必ずしも必要ではありません。また、郵送ではないので、封筒表面の宛先住所は不要ですが、裏面には「氏名」「学校名」を明記しましょう。
一方、郵送する際は、書類の向きをきちんと整えてから、クリアファイルに挟んだ状態で封筒に入れて送るのがスマートです(A4書類なら角形2号サイズの封筒を用意)。担当者が優先的に確認できるよう、表面には「内定承諾書在中」と記しておくと親切です。
また、手渡し、郵送いずれの場合も、挨拶文や送付内容を記した「添え状」を同封するのがマナーとされています。手書きで書くときには、丁寧な文字で書くことを心がけましょう。
入社にあたり必要な書類は案外多いもの。けれど、この書類準備や提出は就活のラストスパートともいえる段階です。社会人まであと一歩。最後まで気を抜かずに頑張ってくださいね。
(学生の窓口編集部)
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