パワハラを苦に転職するのは弱いからじゃない、強いから。#フレッシャーズサバイバル

2019/05/28

新生活・準備

社会人のみなさんが新人時代に経験した失敗談を解決していく連載 #フレッシャーズサバイバル。今回は、上司のパワハラに悩む方からの相談です。

パワハラを苦に転職するのは弱いからじゃない、強いから。


私はweb制作会社に勤めて3年目になります。
すでに1度転職しており(業者は同じ)、今2社目にいるのですが、上司のパワハラがひどく、辞めるか悩んでいます。

仕事でミスをしていないときでも、暴言を言われます。「お前は要らない。」「お前のせいで案件がうまく回らない。」などなど……。
最初は聞き流したり、仕事のやり方を変えてみたり、いろいろしていたのですが、最近はもうどうすればいいかわからず、仕事に対するモチベーションも下がってしまい、転職を考えています。

とはいえ、今の会社に勤めてまだ1年経っていません。こんなことで辞めてしまうのは、メンタルが弱すぎるでしょうか……このままいくつも会社を転々とする人生を歩んでしまいそうで、とても不安です。(千春さん(仮名)/24歳)


千春さんこんにちは! 24歳で社会人3年目、今の会社で2社目なんですね。私が24歳のときは、チェーンの量販店でアルバイトをしていました。そのときのエピソードを今ふと思い出したので、ちょっと語らせてください。

店長の不満を上部に直訴! その結果は……

その量販店では同僚も上司も感じがよく、仕事のできる人ばかりでしたが、問題のある人がひとりいました。それは店長。思いつきの案を押し付けてきて現場をかき乱すタイプの人で、社員もアルバイトもいつも混乱させられていました。私もいくつかの出来事を経て、かなり疲弊してしまいました。

そこで私が考えたのが、店長よりもっと上の人に相談してみることでした。店のサイトに記載されていた本社代表のメールアドレスに宛てて、店長の言動による問題点を明記し、改善できないか相談するメールを送ったのです。
本社の代表ほどの地位にいる人なら大丈夫だろうと、正直に自分の実名を添えて。

その結果どうなったかというと……数日後、私は店長に呼び出されました。そしてメールのプリントアウトを見せられ、「本社にメールを送るようなことはやめてくれ」と注意されたのです。

それを受けて私は「こんな展開になるなんて」と驚き、実名入りのメールがそのまま転送されたことに少し傷つき、そしてこれは言い過ぎではなく本当に、深く感動しました。
なぜなら、「自分の訴えが必ず聞き入れられるとは限らない。その現実をふまえた上で、自分は働くところを選んだり、立ち回り方を考えてやっていく必要があるんだ」という大きな学びが一瞬にして得られたからです。

さて、このエピソードをどうしてお話したかというと、これからの千春さんには「会社を見極める目」がますます必要になってくるだろうと思ったからです。

千春さんは今の職場でパワハラに遭っている。それを周りの人は、特に上層部の人たちはどう思っているのでしょう? 相談文を読んで想像する限りでは、私は気づいていないはずはないと思います。

社員が部下にパワハラを行っているのであれば、会社の責任者は何らかの対処をするべきです。しかしそういった事態を軽く見たり黙殺したり、対処したとしても被害者の不利益になるような対処だったり、そんな会社は残念ながら珍しくないと言ってもいいでしょう。私がそうされたように、相談メールをそのまま転送されるようなこともあり得るかもしれません。

もし千春さんの今いる会社もそういったタイプ……もう一度くわしく言うと、千春さんが受けているパワハラに気がついていながら見ないふりをしていたり、相談したとしても守られるのはむしろ上司のほうだったりするような会社……であるならば。そして、今の会社に残るために戦うという選択肢が千春さんにないならば。
私としては、転職をおすすめします。千春さんの働きたい意欲を買ってくれて、千春さんが抑圧されるような事態を絶対によしとしない、そんな会社で本領を発揮してほしいと思うからです。

転職活動を進める上で大事なこと 

転職計画をスタートするにあたっては、千春さんの「理想の会社」の条件をしっかり固める必要があると思います。パワハラをよしとしない労働環境であることはもちろん、給与や社風、業務内容や所在地など細かいところまでまずは理想を洗い出してみてください。
その上で、条件に近い会社をリストアップしていきましょう。

このときに大事になってくるのは、事前にその会社のことを詳しく知るためのリサーチ力です。なぜなら、せっかく転職してもまた同じようなパワハラ体質の会社だったら意味がないから!

信頼できる同業者と出会いの機会を作り、話を聞き、アドバイスを得ましょう。また、社名や代表者名でググり倒して、ブラックやパワハラの要素があるかどうかを調べ上げましょう。リアルの声とネットの声の両方を集めて検証するのです。

自分がこれから入る会社の体質を見極める。それができれば、千春さんが恐れている「会社を転々とする人生」にはならないはずです。

もうひとつ大事なことがあります。千春さんが「ここに入りたい」と思った会社が、今の自分の実力以上のスキルを要求していても、リストから除外しないでください。
この会社に入るために、どうやって不足しているところを補っていけばいいだろう? と前向きに考えてほしいのです。今立っているのと同じ高さの台に飛び移るのではなく、今よりちょっと高さのある台に挑んでみる。そんなイメージで転職をとらえるといいんじゃないかなと思います。

最後に

千春さんは「こんなことで辞めてしまうなんて、メンタルが弱すぎるでしょうか」と書かれていますが、まったくそんなことはないですよ。あなたには、自分の「つらい」という気持ちに気がついて、自分のために行動しようと思える強さがあります。

24歳の私が起こした「本社にメールをする」という行動は失敗に終わったし、今となっては軽率だったなと思う部分もあります。でもその失敗は、一生使える学びを私にもたらしました。

千春さんが次に起こす転職という行動も、あっさりとうまくはいかないかもしれません。しかし、必ず得るものはあるはずです。強さを使って行動すれば人はちゃんと前に進むし、ますます強くなっていくもの。
恐れずに行動してください。応援しています!

文・瀧波ユカリ
漫画家、エッセイスト。北海道生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。主な著書に『臨死!! 江古田ちゃん』『ありがとうって言えたなら』等。雑誌Kissにて『モトカレマニア』連載中。

Twitter:@ takinamiyukari
公式サイト:Takinami Yukari Official Site


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