ドラスティック(drastic)とは?意味やビジネスでの使い方を解説【例文つき】

更新:2024/05/15

ビジネス用語

ビジネスや政治の世界で耳にすることがある「ドラスティック(drastic)」という言葉。日常生活で使われることは少ないので、正しく理解している方も少ないのではないでしょうか。

「ドラスティック」という言葉の意味や使い方を知っておくことで、時事情報や経営情報といったちょっと難しいニュースもわかりやすくなります。

そこで今回は、「ドラスティック(drastic)」とはどんな意味か、どんな使い方をするかを例文を交えながら解説。類義語「ラディカル」との違いや、よく似た「ドラマティック」との違いなどもあわせてご紹介します。

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「ドラスティック(drastic)」の意味とは

「ドラスティック」とは、

・(行動・手段・措置などが)思い切った
・(変化などが)過激な、極端な
・(薬の効果が)劇的な

といった意味を持つ英語の「drastic」が語源となっているカタカナ言葉です。例えば、

「今、我が社にはドラスティックな改革が必要だ」

といった場合、この会社では経営状況を改善するために「抜本的な改革」が必要という意味に捉えることができます。

前向きかつ大きな変化に使われる

「ドラスティック」は表面上の変化や小手先だけの改革ではなく、「これまでの経営方針を根本から覆すような大きな改革になる」という場合に使われます。

主に前向きな変化に使われることが多く、後ろ向きな意味で使われることはまずありません。

ドラスティックのビジネスでの使い方例文

ドラスティック 使い方 例文

「ドラスティック」という言葉は、どのようなシーンで、どのように使うのが正しいのでしょうか。具体的な例文を挙げながらわかりやすく解説します。

事業計画発表やプレゼンのシーンで

<例文1>

「我が社は今後、ドラスティックなデジタル改革を行っていきます」


会社で事業計画や今後のビジョンを発表するようなシーンを想定した例文です。

ドラスティックなデジタル改革とは、今までにないような思い切ったデジタル改革という意味。例えば働き方を大きく変えてテレワークに対応したり、お客様向けアプリで今までにない価値を提供したりといったことが考えられます。

いずれにしても、小手先だけの変化ではない「今までの常識を覆すような」改革であることを意味しています。

<例文2>

「私たちの店舗はもっとドラスティックに海外展開していきます」


店舗経営における一般的なビジネスモデルがあるならば、その常識を超えるような「攻めの姿勢で」海外展開をしていくというニュアンスで、ドラスティックが用いられています。

システムのアップデートにて

<例文3>

「今回のシステムアップデートでは、ドラスティックな仕様変更があります」


システム管理者からこのように伝えられたら、そのシステムやアプリについて抜本的な仕様変更があるということになります。

機能や使い勝手を根本から見つめ直して作り直すといったイメージです。そのため変更後は、見た目も操作手順もガラリと変わっていることでしょう。

打ち合わせのシーンで

顧客との打ち合わせや社内ミーティングといったシーンでの例文を何点かご紹介しましょう。

<例文4>

「AIの発達は、私たち人間の働き方をドラスティックに変えていくでしょう」


こちらはAI(人工知能)に関連する商品やサービスの提案を想定した例文。AIが私たちの働き方を「根本から」変えていくという意味でドラスティックを使っています。

<例文5>

「彼のドラスティックな提案は注目すべきものだ」


ミーティングでの彼の提案が今までの常識にとらわれない「画期的な」ものだったため、注目すべきであると述べています。

「ドラスティック」の類義語と対義語

ドラスティック 類義語 対義語

前向きかつ想像もしていなかった大きな変化を表す「ドラスティック」。どのような類義語と対義語があるのでしょうか。

「ドラスティック」の類義語

ドラスティックの類義語は以下の通りです。

・革新的
・怒涛のごとく
・猛烈な
・抜本的な
・劇的に
・勢いよく
・疾風怒濤
・ラディカル


日本語に当てはめると想像しやすいだけでなく、わかりやすいですね。

最後にご紹介した「ラディカル」については良く比較されるため、もう少し深掘りしてみましょう。

「ドラスティック」と「ラディカル」の違いと例文

「ドラスティック」の類義語の代表として、同じ英語派生の「ラディカル(radical)」という言葉があります。「ラディカル」は「根本的な」「徹底的な」という意味の他に、「過激な」「急進的な」という意味を持つ言葉。

ドラスティックとの違いは、ラディカルの方が「急進的」というニュアンスが強いこと。そのため変化と同時にスピードも感じられる言葉となっています。

違いの2点目は使われるシーンです。ラディカルは「急進派」「革新派」のように政治的な思想を表現する際に使うことが多いです。一方、ドラスティックはビジネスシーンや世の中全体の大きな変化を表す際に用いられています。

<例文>

「彼女は世界で一番ラディカルな政治家と言われている」


これは「革新的な思想をもつ」という意味でラディカルが使われています。これまでの政策とは全く違う、新しい取り組みを打ち出す政治家として世界からも注目されているという意味合いの例文となります。

「ドラスティック」の対義語

「ドラスティック」の対義語を以下に列挙します。

・保守的
・漸次(ぜんじ)的
・中庸(ちゅうよう)
・末梢的
・徐々に
・コンサバティブ
・マイルド


「ドラスティック」の対義語としてよくあげられるのが、「保守的」を意味する「コンサバティブ(conservative)」、「穏やか」を意味する「マイルド(mild)」などです。

<例文>

「リスクがあるなら無理はしないほうがいい、コンサバ(ティブ)にいこう」

「過激な発言はやめて、マイルドに話を進めよう」


などのような使い方をします。

「ドラスティック」と「ドラマティック」の違い

「ドラスティック」と似たような響きの「ドラマティック」という言葉があります。

前向きかつ大きな変化に対して使う「ドラスティック」に対して、「ドラマティック」はまるで劇をほうふつとさせる感動的・印象的なという意味です。

●ドラスティック
⇒前向きで大きな変化、過激なさま

●ドラマティック
⇒劇のような感動的、印象的な展開


このように「ドラスティック」と「ドラマティック」は意味が全く異なりますので、この機会に覚えておくと役立ちます。

「ドラスティック」と「ドメスティック」の違い

「ドラスティック」と「ドメスティック」も音が似ている言葉です。

「ドメスティック」は国内の、あるいは家庭内のという意味。「ドラスティック」とはまるで違う言葉ですので注意しましょう。

●ドラスティック
⇒前向きで大きな変化、過激なさま

●ドメスティック
⇒国内の、家庭の、家庭的な


あまり良い例えではありませんが、家庭内暴力を意味する「ドメスティックバイオレンス(DV)」を「ドラスティックバイオレンス」と誤用している方も一定数いるようです。

「ドラスティックバイオレンス」とした場合、激烈暴力ということになってしまいます。

使い方には注意したいものです!

「ドラスティック」は多用厳禁!

「ドラスティック」には「それまでの常識や価値観が根底から覆るほどの変化」が起きるときに使う言葉であるため、多用は禁物です。

「ドラスティック」という表現を使うのは“よほど”の場合だと言えます。

使いどころを間違えると「大げさだ」と受け取られてしまうので注意が必要です。本当に大きな変化を起こしたい、ここぞという時に使うことをおすすめします。

まとめ

「ドラスティック」という言葉は、「思い切った」「極端な」という意味を持つカタカナ言葉です。

英語派生のカタカナ言葉であるため、なじみがある場合とそうでない場合があるかもしれませんが、覚えておくと社会人生活において何かと役に立つでしょう。

「ドラスティック」という響きがかっこいいからと言って使いすぎてしまうと、周囲に「いつも大げさだな」と思われかねません。

本当に大きな変化を起こしたい、ここぞという時に使えるよう、この記事を参考にまずはニュースやビジネス情報などで言葉そのものに注目してみてください。

(マイナビ学生の窓口編集部)

学生の窓口編集部

「3度のご飯よりも学生にとっていいことを考える!」の精神で 大学生に一歩踏み出すきっかけコンテンツをたくさん企画しています。 学生生活に役立つハウツーから、毎日をより楽しくするエンタメ情報まで 幅広く紹介していますので、学窓(がくまど)をチェックしてみてください!

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