「リスクヘッジ」とは?意味、使い方をわかりやすく解説【例文つき】

更新:2023/12/07

ビジネス用語

金融業界で使われることの多かった「リスクヘッジ」ですが、ビジネスのシーンでも取り入れられるようになっています。

リスクヘッジとはどういう意味なのか、どのようなシーンで使うものなのか、例文とともに確認してみましょう。

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リスクヘッジの意味

リスクヘッジとは、「危険を回避する」「危機回避」という意味です。

「リスク」には危険、ヘッジには「回避」という意味があります。これから起こりうる危険を予測し、それを避けられるように防止策を取ること、という意味合いがあります。

あえてリスクを選ぶことを「リスクテイク」と言いますが、リスクテイクと相反する意味で使われる用語ということになりますね。

「リクスヘッジ」は言い間違いなので注意

リスクヘッジと言おうと思って「リクスヘッジ」と言ってしまったり、文書でも「リクスヘッジ」と書かれていたりすることがまれにあります。

ですが、これらはもちろん間違い。カタカナ言葉ではついやってしまいがちなので注意しましょう。

リスクヘッジは金融業界で使われていた言葉

リスクヘッジという言葉は、もともと金融業界でよく使われていた言葉です。主に分散投資のことをリスクヘッジと呼んでいました

例えば、株式投資を行う際、1つの投資先にのみ投資してしまうと、株価が下がったとき、その分だけ損が生まれてしまいます。しかし、複数の投資先を開拓した場合、同じ投資資金をつぎ込んだとしても、株価が下がるところもあれば、上がるところもあるので、大きな損をするリスクを軽減することができるのです。

リスクヘッジは和製英語

リスクヘッジは英語で表記すると“risk hedge”となりますが、実はリスクヘッジは“risk”と“hedge”という英単語を組みあわせた和製英語とされています。

英語としてリスクヘッジと同じニュアンスを表現したいときは、

・risk avoidance
・hedge

といった言葉が使われるケースが多いようです。

英語でも日本語でも「ヘッジ=リスクヘッジ」の意味になる

先ほど英語表現で“hedge”とご紹介したとおり、リスクヘッジは単に「ヘッジ」と表現されることもあります。これは、英語でも日本語でも同じです。

日本のビジネスシーンでは「リスクヘッジ」と言われることが多いですが、まれに「ヘッジ」と略して使う人がいますので、併せて覚えておきましょう。

リスクヘッジとリスクマネジメントの違い

リスクヘッジと似ている言葉「リスクマネジメント」もビジネスシーンではよく聞かれます。

リスクヘッジとリスクマネジメントの違いは、

【リスクヘッジ】
発生する可能性があるリスクを避けること

【リスクマネジメント】
リスクが発生してしまった場合の対策を立てること

です。リスクマネジメントは、危機管理体制のことと覚えておけば間違いありません。

リスクヘッジの使い方と例文

リスクヘッジの基本的な使い方としては、

・リスクヘッジする
・リスクヘッジのため〜
・リスクヘッジを図る
・リスクヘッジを取る
・リスクヘッジが〜(大切だ)

のように使います。
いくつかのビジネスシーンを想定して、リスクヘッジの例文をご紹介しましょう。

企画ミーティングでのリスクヘッジ

「A社との打ち合わせスケジュールは余裕を持たせてリスクヘッジするように」

企画を成功させるまでには、さまざまなリスクが考えられます。例えばコラボ相手のA社の担当者が事故や病気で不在が続いた場合、企画がストップしてしまう危険性も……。

そこで、リスクヘッジのために日程に余裕を持たせておき、何かあっても対応できるように、と指示しているわけです。

SNS活用でのリスクヘッジ

「会社のSNS運用は炎上が命取りになるため、リスクヘッジのためにガイドラインを作っておくことが大切だ」

SNSを活用したマーケティングにおいて、炎上は大きなリスク。炎上を避けるためにどのような点に気をつけるべきか、明文化しておくことは大切でしょう。

契約のシーンでのリスクヘッジ

「慌ててサインするのは危険!本当に合意できる内容なのかよく確認しておくことが最大のリスクヘッジだ」

契約書は何となくサインしてしまうのではなく、内容をよく確認することが大切。場合によっては弁護士など専門家に見てもらうこともリスクヘッジになります。

仕事の進め方のリスクヘッジ

「取引先へのメール返信の際には、CCに上司やチームメンバーを入れておくことがリスクヘッジにつながる」

上司やチームメンバーがメール内容を把握しておくとリスクヘッジになることも。例えば自分の休日の間に、取引先から緊急の連絡が入った時にも対応できることがあります。

金融業界や投資家におけるリスクヘッジ

「リスクヘッジ目的で米ドルだけでなくユーロや豪ドルにも投資を行った」

最後に、もともと使われていた金融業界や投資家の間での「リスクヘッジ」の使用例です。もちろん現在でも投資においてリスクヘッジという言葉はよく登場しますし、大切な考え方であることに変わりありません。

リスクヘッジの類義語・言い換え表現

リスクヘッジの類義語・言い換え表現にはこのようなものがあります。

・危機を回避する
・危険/危機に備える
・万が一に備える
・もしもの事態に備える
・リスクを分散する

リスクヘッジとそのまま使った方がいいケースは多いですが、ビジネスシーンでもカタカナ言葉に不慣れな方もいます。ケースバイケースで言い換えるようにしましょう。

リスクヘッジと一緒に使われることが多い用語

リスクヘッジと一緒に使われることが多いビジネス用語の意味について紹介します。

・ペンディング
・ステイ
・バッファ

この3つが特によく使われるので簡単に意味を把握しておきましょう。

「ペンディング」の意味

ペンディングは、「先送りにする」「後日再度検討する」といった意味で使われます。

「第一候補からキャンセル連絡があった場合のリスクヘッジとして、一旦保留にしておいた案件(ペンディング案件)に連絡を取る」

のように使います。

ビジネス用語の「ステイ」の意味

ビジネス用語の「ステイ」もリスクヘッジと一緒に使われることが多いです。

「次の候補者からの連絡があるまで、さっきの候補者への連絡はステイで」

のように、「保留というほど長い時間ではないけれど、待つ」という意味で使います。

「バッファ」の意味

バッファは、「余裕を持たせる」という意味で使われます。

「リスクヘッジとしてキャンペーン用品の発注にバッファを持たせておく」

のように使います。

まとめ

リスクヘッジとは「危険を回避する」「危機回避」を意味する言葉です。プレゼンテーションや社内会議など、ビジネスにおいてはより慎重に仕事を進めるべきシーンで用いられることが多いようです。

それから、投資にチャレンジする人にとってもリスクヘッジは必須の用語です。元本割れのリスクがある投資において、どのようにリスクヘッジしていくかは腕の見せ所となるでしょう。

このように、リスクヘッジはビジネス・プライベート問わずさまざまなシーンで使われます。便利なワードなので、ぜひ取り入れてみてください!

(マイナビ学生の窓口編集部)

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