初めてメールを送る相手に「初めまして」という書き出しから始めていますか?「初めまして」という書き出しだという人も、そうでない人も、なんとなく不安を抱えているのではないでしょうか。
今回は、初めてメールを送る際の書きだしは「初めまして」でいいのか? というテーマでお届けします。また、「初めまして」なのか「始めまして」なのかという日本語の違いについてもご紹介しています。
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初めて送る挨拶メールにおいて「お世話になっております」というメールの書きだしでは不自然となります。
取引先なのか社内なのかによって、書き出しは変化します。
取引先の担当者などに初めてメールする場合は「突然のメール失礼いたします。」という書き出しがおすすめです。
知らない者からの突然の連絡であることにお詫びを入れると印象が良くなります。
その後は、あなたがどこの何者かを示す「xxx株式会社のxx担当、xxxと申します。」と続けて自己紹介をしましょう。
社内で業務の担当を引き継いだ場合には、同じ業務を継続するので「お世話になっております」でも問題ないケースがあります。
また、新入社員として社内の人にメールを送ったり、社内での担当者が変わったことを知らせる挨拶においては、「初めまして」と挨拶しても構いません。
例) 初めまして。 この度、担当を引き継ぐことになりました○○と申します。 よろしくお願い致します。 |
挨拶メールでより丁寧な印象を与えたい場合は、「初めまして」を以下のように言い換えできます。
「初めてメールを送らせていただきます」という言い方にすると「初めまして」よりも丁寧な印象になります。
メール本文の例 ○○株式会社○○部○○様 初めてメールを送らせていただきます。 私は○○株式会社で商品開発を担当しております○○○○と申します。 今回は、当社で開発した新商品のご案内でご連絡させていただきました。 |
宛先を先に書いて、はじめましての挨拶・自己紹介の順が一般的なメール方法です。
はじめての相手なので、自己紹介はできるだけ丁寧にしましょう。
相手に素性を理解してもらい、警戒心を取り除くことが重要です。
前述したこの挨拶文も、初めての相手にメールを送る際の代表的な挨拶です。
メール本文例) ○○株式会社○○部課長○○様 突然のメール失礼いたします。 私は○○株式会社で営業を担当しております○○○○と申します。 この度は、弊社で扱っております新商品についてご紹介させていただきたく、ご連絡をさせていただいた次第です。 |
「初めまして」の意味を振り返る
「初めまして」は、文字通り、「初めてお目にかかります」という意味です。
また「初めて」という副詞を丁寧に説明しているのが「初めまして」という表現というものだったり、過去に「お初めて」という表現があったりなどという話も見聞きします。
同じような形で「始めまして」と使う方も一定数みられるため、混乱する方もいることでしょう。
「始めまして」ではないのか?という疑問もあるかもしれません。
確かに「始めまして」という書き方は、かつて使われていたという事実があります。
当時、中学2年生だった三好万季さんが実際に行ったアンケートが大変興味深いため、ご紹介します。
三好さんは30種類以上の辞書などを調べても、明らかにならない「初めまして」と「始めまして」の違いに、最終的に新聞社や作家・研究者などに手紙を送って実態調査に移りました。
さらに、三好さんが独自に集めたアンケートを表にまとめてみると、面白いことが判明します。
年齢 | 始めまして(シめまして派) | 初めまして(ショめまして派) |
20代 | 2人 | 22人 |
30代 | 4人 | 21人 |
40代 | 5人 | 23人 |
50代 | 7人 | 21人 |
60代 | 11人 | 16人 |
70代 | 14人 | 9人 |
80代 | 9人 | 6人 |
出典:『四人はなぜ死んだのか』巻末付録『シめショめ問題にハマる』「始めまして」か「初めまして」か 一般アンケート(三好万季・1997年より)、「始めまして」か「初めまして」か
50代までは「初めまして」とする人が多くいたものの、60代ではほぼ同数・70代以降となると「始めまして」派が増えているのです。
現在では「初めまして」が主流ではあるものの、国語辞典や日本語学者の見解としては両方ともOKであるということから「始めまして」でも差し支えないと言えます。
「始める」という意味には「関係を始める」という意味合いもあるためです。
一方で、「初めて」会う人だから「初めましてが正当」という風潮もあるため、「始める」という意味がある「始めまして」は間違いとする人もいることでしょう。
日本語は常に変化します。困った場合はあえて平仮名で「はじめまして」とするのも手段のひとつではないでしょうか。
新規の会社へ挨拶メールを送る際には、怪しいメールやスパムと勘違いされないように件名(メールタイトル)を工夫する必要があります。
件名に用件を明記するだけでなく、自分が何者かを明記すると親切です。
例)件名:○○株式会社の○○常務よりご紹介いただきました【新しい経理システムのご紹介】 例)件名:○○株式会社の営業担当○○様よりご紹介いただいた○○株式会社の○○○○と申します。 |
受け取った相手が「自分に関係しているメールかもしれない」と思うようにすると良いでしょう。
件名に用件を明記するだけでなく、相手の会社が扱っている商材に関連したキーワードを盛り込むなどの工夫をすると、開封率がアップするかもしれません。
「初めまして」だけの件名にしたくなるかもしれませんが、スパムメールなどでもよく使われる典型的な件名であるため控えましょう。
開封率を上げるカギは件名が握っています。重要なメールだとしても、不審に思われてはメールを開いてもらえない場合があります。
例)件名:○○の件に関してご連絡させていただきました。○○株式会社の○○○○と申します。 例)件名:貴社ポータルサイトの◯◯サービスを拝見し、ご連絡させていただきました。 |
「初めまして」のような典型的な挨拶ではなく、できるだけ具体性のある件名にすることが大切です。
上記の例文では、「○○の件」「○○株式会社の○○○○」「貴社ポータルサイト」「○○サービス」などが具体的な内容になっています。
初めましてメールも普段からやり取りのある相手へのメールも、結びの言葉にそれほどの違いはありません。結びはメール内容にあわせて変化します。
例えば、新商品の案内であれば「ご検討のほどよろしくお願いいたします。」という結びになります。
例)今後ともよろしくお願い申し上げます。 例)何卒宜しくお願いいたします。 例)ご検討のほどよろしくお願いいたします。 例)引き続きよろしくお願い申し上げます。 |
今回は、初めての相手に送信する挨拶メールや「初めまして」という言葉について解説してきました。
初めての相手に挨拶するためのメールは、一般的に使われている「初めまして」という件名や挨拶で差し支えありません。
しかし、目上の人や大切な取引相手などへ挨拶をする場合は単に「初めまして」ではなく丁寧で具体性のある文面が適切です。
特に営業のメールの場合は、開封してもらえるような工夫が必要です。
開封のカギを握っているのはメールの件名であるため、より簡潔に要件を伝えることを意識するだけでなく、不審者でないことを伝えるように工夫しましょう。
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執筆:山下ユキマル
デザイン事務所などでクリエイターを務めた後、現在はフリーライターとして活動中。毎週水曜日の夜にひらかれていたH賞詩人の現代詩教室に10年ほど通い、現代詩手帖やユリイカなどへの寄稿経験を持つ。趣味は料理とランニング。
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