何度経験しても緊張するのが面接。練習したはずなのに、本番になると頭が真っ白になってしまうという人も多いのでは? とはいえ、ただ上手に話せればいいというわけではありません。筆者もその昔、就職面接の際に事前に覚えてきた言葉をつらつらと喋っていたら、面接官から「丸暗記してきた言葉はいりません」とピシャリと言われた苦い記憶があります。自分の言葉を使って上手く面接官にアピールできるようになるためにはどうすればいいのでしょうか?
「自分でどんどん話す機会を作っていくことですね」
というのは、人事コンサルタントの楠田祐先生。
「面接の直前に、『◯◯すれば上手く話せる』という魔法は残念ながらありません(笑)。強いて言うならリラックスして挑むということですが、そのためにはやっぱり前もって人と話をする訓練をしておくことしかないんです」
楠田先生が薦める、自然体で話すためのトレーニング方法を3つご紹介します。
1.ゼミやサークルを最大限利用する
「まずは、同年代の人の中で自分の意見が言えるようにしましょう。ゼミやサークルに入って積極的に発言することは、とても有効ですね。いつも聞き役に徹している人は、たまには進行役を買って出てみては」
大学生活は自由な時間が増える分、活用するもしないも自分次第。せっかく何らかのコミュニティに入っているなら、積極的に発言するようにしましょう。
2.アルバイトで目上の人との会話を練習する
「店長や先輩など、アルバイト先では目上の人と話す機会がたくさんありますよね。特に接客業なら、いろいろな世代のお客様と話すこともできます。今はコミュニケーション能力がものを言う時代。人と円滑に会話ができる人のほうが、就職にはもちろん有利です」
お小遣い稼ぎとしてやっているアルバイトも、会話力アップのトレーニングを兼ねていると思えば、一石二鳥ですね。
3.緊張しているのは自分だけではないと意識する
「ゼミやアルバイトで訓練はしたけど、土壇場でどうしても緊張してしまうという人もきっといると思います。あるいは、もう訓練する時間なんてないという人も。でも大丈夫です。面接官も緊張していますから(笑)。誰だって緊張するんだと言い聞かせれば落ち着くはずですよ」
相手も緊張しているんだと思えば、いくらか気が紛れませんか?
意識して自分の意見を言う機会を作れば、面接時にきっと力を発揮できるはず。ちなみに、冒頭であげた筆者の体験談の続きですが、その時は用意してきた言葉をすべて取っ払って、その場で考えた意見を素直に話しました。自然体になることができて、結果的にいいお返事をいただくことができましたよ。面接で予想外の質問をされた時でも焦らずに自分の言葉で話せる力を、日頃から意識的に身につけておくようにしましょうね。
文●北条マサ子(清談社)
楠田祐さんプロフィール
中央大学大学院戦略経営研究科 客員教授(戦略的人材マネジメント研究所 代表)東証一部エレクトロニクス関連企業3社の社員を経験した後にベンチャー企業社長を10年経験。2009年より年間500社の人事部門を5年連続訪問。人事部門の役割と人事の人たちのキャリアについて研究。多数の企業で顧問も担う。主な著書は『内定力2016 〜就活生が知っておきたい企業の「採用基準」〜』(マイナビ/2014年7月31日発売)1400円(税別)。
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