「内定」に法的な拘束力はあるか?

2014/03/26

対人マナー

「内定」に法的な拘束力はあるか?

就職活動をしている学生の皆さんは、早く「内定」をもらえるように頑張っていることでしょう。この「内定」ですが、企業、学生双方に対してどのような法的拘束力を持つものなのでしょうか。アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士にお話を伺いました。

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■「内定」の段階で「契約」が成立する!

——就職活動をしていて、企業から「内定」をもらった場合、その内定にはどのような法的効力があるのでしょうか?

岩沙弁護士 内定通知により、就労開始予定日からの「労働契約」が成立します。つまり、採用内定通知を受け取った時点で、労働者と企業との間で「契約」が成立するのです。

そのため、その後、企業は一方的に労働者との契約を解除することができないのが原則です。ただし、就労開始予定日までに「採用内定取消事由」が生じた場合は解除できる旨の留保が付いています。

——企業にとって「内定」を出すことはどのような法的リスクがありますか?

岩沙弁護士 前述のとおり、内定により労働契約が成立するため、内定を出した後で、企業が採用数を減らしたいと考えても、合理性が認められない限り一方的に契約を解除することができなくなります。

——なるほど。内定をもらった学生に企業が「内定取り消し」を出す場合は、どのような手続きをとらねばならないのでしょうか。

岩沙弁護士 内定取消事由が認められ、内定を取り消すことが合理的(具体的には、学校を卒業できなかった場合や、破廉恥罪を犯した場合など)であれば内定取り消しをすることができます。

逆に業績不振による人件費の削減を理由とする採用内定取消は合理性が認められにくくなっています。

内定を取り消す場合は、所定の様式でハローワークおよび学校長にあらかじめ通知します。また、内定者に対しては「解雇予告手続」等を適正に行う必要があるとともに、採用内定者が採用内定取り消しの理由について証明書を請求した場合には、遅滞なくこれを交付する必要があります。

■「内定」を辞退するには「2週間の予告期間」を置く!

——例えば、学生が別の企業からもらった内定とてんびんにかけることは法的に問題になったりしますか?

岩沙弁護士 一方の内定を辞退することになります。労働者は2週間の予告期間を置けば、労働契約を一方的に解約できます(民法第627条1項)。2週間の予告期間を置いたうえで内定を辞退すれば、有効に労働契約を解除できるので、会社に対する損害賠償義務は生じません。

——学生が「内定」を辞退する場合に、こういうふうにしなければならないという法的な決まりはありますか?

岩沙弁護士 2週間の予告期間を置いたうえで内定を辞退すれば、有効に労働契約を解除できます。損害賠償請求を受けないように、入社予定日の2週間前には辞退の連絡を入れてください。

——学生さんに対して、何かアドバイスがあればお願いいたします。

岩沙弁護士 不当な内定取り消しについては会社側との交渉や、労働審判、裁判などをして争うことが可能です。場合によっては入社日以降の賃金も請求できます。違法行為を行う企業には、弁護士に相談して、立ち向かいましょう。

⇒アディーレ法律事務所
http://www.adire-roudou.jp/

(高橋モータース@dcp)

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