「弁当のグレードダウン」「会議も短めに」。放送作家に聞いた、テレビ業界って本当に困ってるの?

更新:2018/08/30

社会人ライフ

「弁当のグレードダウン」「会議も短めに」。放送作家に聞いた、テレビ業界って本当に困ってるの?

ついにテレビ業界が大変だ、大変だとあちらこちらで聞くようになりましたが、実際はどうなのでしょうか。業界で働く人に聞くのが一番早い、ということでバラエティー番組で活躍するの中堅放送作家に聞きました。放送作家さんの仕事に迷惑が掛からないよう、匿名でご容赦ください。

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■経費削減は当然!

——テレビ業界って「困ってる」とかいわれたりしますが、放送作家さんから見てどんな感じなのですか?

最近は「テレビはオワコンだ」ってすぐ言われますからね(笑)。昔と比べて現場にお金が回ってこないのは確かですよ。予算がないのはデフォルト、みんな分かってる、当然、みたいな雰囲気ですよ。

——昔は良かった?

それを言っても仕方ないので(笑)。淡々とやっていくしかないですよ。昔はこのタイミングでお弁当が出たなあ、とか。昔のお弁当はグレードも高かったなあ、とか。おなかが減るとちょっと思ったりしますけども。

——お弁当の話じゃないですか。

いやいや、スタッフの士気に関わることですよ(笑)。会議でお菓子がなくなったりとか。紙コップが1人1個で固定とか。そういう細かいことを挙げるときりがないですけどね。経費削減に関しては。でも、もうそれが普通です。

■会議が短くなる傾向に!

——番組作りに関して、何か最近の特徴はありますか?

作家の関わることでいうと、昔と比べて会議が短くなっているような気がしますね。長くやってると経費が掛かるので。これも経費削減の一環だと思いますが。

——昔は会議は長かったのですか?

とにかく企画が出るまでやるとか、そういう名物番組があったものですけど。テリー(伊藤)さんがチーフやってた番組は会議が長いことで有名でしたし、『めちゃイケ』もそうでした。とことんやる! みたいな。

——そういう番組は最近はないのですか?

まあ、現在、僕が出てる会議でそういうスタイルでやっている番組はないですよね。深い時間にならないように、とか気を使ってる番組もあるぐらいで(笑)。お茶代とか深夜のタクシー代とか、経費が掛かりますから。

■ネットは気にする?

——ネットって気になるものですか?

ネットの情報を気にするP(プロデューサー)がすごく増えましたよね。見てないようで見てる(笑)。忙しすぎて、そんなもの見てる暇ないよ、というPももちろんいますけど。

作家はネットでネタ拾ったり、リサーチしたり、取材先を探したりとか、いろいろしますからね。嫌でも目に入ってきます。昔は、「ネットとか関係ねえから」と強気なPがけっこういたものですけど。まあ誰でも自分の関わっている番組で炎上するのは嫌ですよ(笑)。

——ネットの情報って正しいと思いますか?

うーん、それは本当にいろいろですね。「よく知ってるなあ」と思うものもありますし、「えっ、そんなことないんだけどなあ」と思うものもあります。作っている側からのリークもあるのでしょうね。

■困っていることは?

——番組作りで困っていることは何ですか?

そうですねー、やっぱり数字(視聴率)じゃないですか。思ったように数字が取れなかったりしますので。昔のようにはいかないですよ。「(数字取った)あの企画みたいなのを......」と言われること多いですし。

Pの方が百倍大変だと思いますけど、作家もやっぱり大変なんです(笑)。今だと視聴率が15%いったら「スゲー!」ですけど、昔なら何それっていう数字ですもん。数字自体は下がってますが、でもハードルは高い。

——なぜだと思いますか?

視聴者の皆さんの多様化とか、視聴スタイルの変化とか、いろいろ言われていますけどね。まあ、面白いと思ってもらえてないからですかね。自分で言ってて嫌ですけど。作家なんで面白い台本を書くしかないので。頑張ります(笑)。

いかがだったでしょうか。苦しい状況の中、皆さん試行錯誤を続けていらっしゃるようです。

(高橋モータース@dcp)

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