春から社会人デビューする皆さんの中には、バリバリ仕事をして活躍するぞ! と、やる気に燃えている方も多いことでしょう。そこで、戦国時代の知将として知られる「黒田官兵衛」の言動から、ビジネスにも通じるものをピックアップ。仕事に役立つ官兵衛イズムをお伝えします。
■上司のここぞ! をプロデュース
織田信長の落命を知り、豊臣秀吉は明智光秀を倒すために大軍を連れて京への道を駆け抜けます。その大移動をプロデュースしたと言われているのが黒田官兵衛。夜道を松明で照らしたて、替え馬、渡し舟、炊き出しも完璧に揃えました。結果、秀吉軍は圧勝。その大移動は「中国大返し」として現在も語り継がれています。つまり裏方であっても、上司をしっかりと立てることができれば、評価は自然と高まるのです。
■まずは自分から動くべし!
黒田官兵衛は「自ら活動して他を動かしむるは水なり」という言葉を残しています。人を水に例えたこの言葉は、自分が見本になれば他人は自然と動くもの、という意味。率先して仕事に向かう姿勢が大切であることを教えてくれています。
■財産は適切に使ってこそ価値がある
「金銀を用いるべき事に用いなければ、石瓦と同じである」。倹約家だった黒田官兵衛は、関ヶ原の戦いの直前、蓄えていた私財をはたいて軍を作り、敵を蹴散らしていきます。これは財産を大切に扱うこと、そして使うべき時を見定めることの重要性を伝える言葉。しかし会社のお金はそうそう使えないとは思いますので、この考え方を応用し、常に知人や仲間を大切にしておき、必要な時に思い切って頼ってみる、と考えてみてはいかがでしょうか? 社会人にとって「人脈」も大事な財産の一つです。
その他にも、黒田官兵衛は「我、人に媚びず、富貴を望まず」という言葉を座右の銘とし、天下取りに貢献しながら、恩賞を望まない生き方を貫き通しました。才能に驕らず真摯な生き方を貫いてきたことも、多くの人々から敬意を集めることができた要因の一つだったのではないでしょうか。その他にも、同じ時代に生まれた名言として、「勝って兜の緒を締めよ」「百人のうち九十九人に誉めらるるは、善き者にあらず」など、その他の武将の言葉にもビジネスに通じるものがたくさんあります。好きな人物の名言を調べて、ビジネス哲学にしてみてはいかがでしょう? きっと「仕事人」としての大切な生き方を教えてくれるはずです。
(文・恒川真介)
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