【反抗期がないと、自立できていない場合も】「我慢して自立した場合は、離れたくない気持ちを抑え込んでいるだけですから、本当の意味での自立とは言えず、どこかで限界が来る可能性があります。極端な例では、暴力、ギャンブル、酒など、破滅的な形で爆発するかもしれないし、いつまでたっても就職や結婚ができない、すなわち親の期待に応えないという形で、無意識的な反抗をすることもあり得ます。
「親離れをしていない場合、結局自立できず、甘えの意識が残ったままなので、例えば友だちに疎まれたり、上司や同僚に信頼してもらえなかったり、といったことがあります」(同)。
とはいえ、反抗期の過ごし方は自分自身でコントロールできるものでもありません。大人になった今、反抗期がなかったと自覚している人は、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。
【大切なのは、自分の力で自立すること】「親離れの過程は、子ども時代ということもあり、本人の意思ではどうしようもないことも多いでしょう。しかし、そこから本当に自立するまでの道のりは、自分自身で切り開いていくものです。反抗期をどう過ごしたかよりも、どうやって本当の意味で自立していくかの方が大切なのだと思います」(同)
反抗期というのはあくまでプロセスであって、大事なのは「最終的に自立した人間になる」ということ。たとえ反抗期を体験していなくても、自分の意思で親からきちんと自立できれば、深刻な問題は回避できるといえそうです。反抗期はなかったかも......というあなたは、今現在、自立できていますか?
文●永井祐子(エフスタイル)
取材協力:心理カウンセラー 河合一孝さん
カウンセリングサービス所属
http://www.counselingservice.jp/